イベントレポート

Lenovo、デュアルタッチ液晶になった第2世代のYOGA BOOKの開発意向を表明

~実機もチラ見せ、Amber Lake-Yの第8世代Coreプロセッサを採用か?

Lenovoが公開した第2世代YOGA BOOK

 Lenovoは、6月5日にCOMPUTEX TAIPEIで行なわれたIntelの基調講演にゲスト出演し、日本でも販売しているYOGA BOOKの第2世代の開発意向表明を行ない、開発中の実機を公開した。

タッチパネル+EMRからデュアルタッチパネルになった第2世代YOGA BOOK

 Lenovoが現在も発売しているYOGA BOOKは、CPUにAtom X5(開発コードネーム:Cherry Trail)を採用し、同社がHalo Keyboardと呼んでいるワコムのペンタブレット(EMR、電磁誘導方式)とタッチ式のキーボードを切り替えて使うユニークなキーボードが採用されている2in1デバイスで、クラムシェル型PCとしても、ペンタブレットデバイスとしても利用できるという製品になっていた(関連記事:Lenovo、デュアルタッチスクリーンの折りたたみ式2in1「Yoga Book」)。OSはAndroidとWindows 10の2つがラインナップされており、購入時に選択可能。

第1世代のYOGA BOOK。スイッチでEMRのペンタブレットとタッチキーボードを切り替えて利用できるというユニークな製品だった

 今回Lenovoが発表したのはその第2世代の開発意向表明で、年末までに投入が計画されている製品となる。Intelの基調講演にゲスト出演したLenovo 上席副社長 兼 PC/スマートデバイス・コンシューマ向け製品事業部 事業部長 ジェフ・メリディッチ氏は「軽量でマルチタスクで使えるような高い性能があり、2つのディスプレイパネルがあり、インク機能を拡張し、AIの機能を持っている」と述べ、YOGA BOOKの第2世代製品が、第1世代とは若干コンセプトが異なっていることを明らかにした。

Intelの基調講演にゲスト出演したLenovo
Lenovo 上席副社長 兼 PC/スマートデバイス・コンシューマ向け製品事業部 事業部長 ジェフ・メリディッチ氏

 第1世代はワコムのEMRを利用したペンタブレットで、タッチキーボードとしても使えるHalo Keyboardとタッチパネルという2面構成になっている。これに対して、第2世代は2面ともにタッチディスプレイになっており、片側の面をタッチキーボードとして使うというかたちになった。

 実機を見るかぎりは、タッチパネルにHalo Keyboardのような仮想キーボードを表示する。こうした製品はこれまでも何度か登場して、そのたびに討ち死にという歴史があるだけに、Lenovoがどのような工夫をして使えるようなキーボードにしているのかは、実際の製品が発表されるのを待ちたいところだ。

Lenovoが参考展示した第2世代YOGA BOOK
右側面のアップ

Amber Lake-Yの第8世代Coreプロセッサの可能性が高い

 CPUに関してもメリディッチ氏は「ユーザーはより高いCPU性能を必要としており、Intelにはそれがある」と述べ、従来のYOGA BOOKに搭載されていたCPUよりも高い性能を持つCPUであることを示唆した。

 第1世代に採用されていたCherry Trailの後継製品はすでにキャンセルされており、Atomプロセッサでその先の世代というと、Gemini Lakeと呼ばれるAtomコアだが、性能的にはCherry Trailよりも高くない低価格向けの製品しか現時点では用意されておらず、メリディッチ氏の言う「より高い性能を持つIntelのCPU」には該当しない。

第2世代YOGA BOOKを説明するスライド、Higher performance Intel CPUはAmber Lake-Yの可能性が高い

 となると、今回のCOMPUTEX TAIPEIのなかでIntelが2018年の秋に新しい第8世代Coreプロセッサのバリエーションとして投入することを発表した、Whiskey Lake-U(TDP 15W)ないしはAmber Lake-U(TDP 5W)である可能性が高いだろう。実機を見るかぎりは、ファンが入るほどのスペースや厚さがあるとは思えないので、Amber Lake-Yである可能性が高い(Whiskey Lake-UとAmber Lake-Yに関しては別記事:Intel、次期Core Xとなる28コアCPUをデモ。Whiskey Lake-UとAmber Lake-Yは今秋投入を参照)。

 なお、OSに関しては、初代YOGA BOOKはAndroidかWindows 10を選択できたが、今回参考展示された第2世代YOGA BOOKに関してはWindows 10で動作していた。筆者が推定したとおり、CPUがAmber Lake-Yであれば、Android OSを採用するという選択肢は事実上なくなるので、OSはWindows 10のみとなる可能性が高い。

先には第3世代のYOGA BOOKも計画されているようだ

 Lenovoによれば、第2世代YOGA BOOKは今年(2018年)の末までに投入する予定であるとのこと。すでに別記事でも説明したとおり、Whiskey Lake-UとAmber Lake-Yに関してはIFAあたりでの発表が想定されており、それらを搭載した製品の発表もIFAで行なわれ、年末商戦に登場というスケジュールになる可能性が高い。Lenovoも例年IFAを重点イベントとして位置づけており、この第2世代YOGA BOOKもそこで発表され、年末商戦で市場に投入となるのではないだろうか。