イベントレポート

ゲーミングスマホ「ROG Phone」の拡張ユニットを詳細レポート

~2画面化のTwinView DockやPC化するMobile Desktop Dockなど

ROG Phoneを2画面ゲーム機のように利用できる拡張ユニット「TwinView Dock」

 関連記事にもあるように、ASUSはROGブランドのスマートフォン「ROG Phone」を発表した。詳しくは別の記事(ASUS、デスクトップ的にもSwitch的にもDS的にも使えるゲーミングスマホ「ROG Phone」)を参照いただくとして、本稿ではROG Phone用の拡張ユニットを詳しく紹介する。

TwinView Dock

 TwinView Dockは、ROG Phoneを2画面モードで利用するための拡張ユニットだ。ニンテンドーDS/3DSのような折りたたみ形状となっており、開いて利用する上部ディスプレイ側にROG Phoneを装着して使う。下部ディスプレイ側にはROG Phoneと同じ2,160×1,080ドット表示対応の6型有機ELディスプレイを搭載。同じ仕様のディスプレイを上下2画面で利用可能となるわけだ。

 2つのディスプレイでは、一方にゲームアプリの画面を表示し、もう一方にチャット画面を表示するといった使い方ができる。ゲームのストリーミング映像を表示させながらゲームを配信・プレイするといったことも可能という。

 また、TwinView Dock下部にはゲームパッドのようなグリップが用意され、グリップ先端にはトリガーボタンも配置されている。このトリガーボタンはカスタマイズ可能で、ゲーム操作に活用できる。

 内部には6,000mAhのバッテリを搭載しており、ROG Phoneの内蔵バッテリと合わせて長時間駆動を可能にする。このほか、SDカードスロットやUSB Type-Cポートなども備わっている。

 TwinView Dockを手に持った印象は、ゲームパッドのように持ちやすいと感じる反面、上部にROG Phoneを装着するため頭が重くなり、重量バランスにやや難があると感じた。とくに画面を開いた状態でテーブルに置くと、奥に倒れてしまう。

 ゲーム側での2画面対応が進めば、これまでのスマートフォンゲームにはない新たな楽しさが生まれるはずで、今後の展開にも期待が持てそうだ。

上部ディスプレイ側にROG Phoneを装着して利用する
カバーを閉じた状態
前方にはヘッドフォンジャックがある。底面左右には握って利用するグリップを用意
背面にはSDカードスロットとUSB Type-Cがある。またグリップ先端にはトリガーボタンを用意
底面。大きなグリップがあるため、握りやすい
ゲームパッドのようにしっかり握ってゲームをプレイできるが、上部ディスプレイ側が重く、重量バランスにやや難ありといった印象だ

Mobile Desktop Dock

 Mobile Desktop Dockは、ROG PhoneをPC的に利用するための拡張ユニットだ。Mobile Desktop DockにROG Phoneを装着すると、Mobile Desktop Dockに用意されている各種ポートを利用して、さまざまな周辺機器が使えるようになる。

 ポート類は、左側面にDisplayPort出力、USB 3.0 Micro-B、SDカードスロット、背面にマイク端子、ヘッドフォン/S-PDIF共用ジャック、HDMI、DisplayPort、Gigabit Ethernetポート、USB 3.0×4、USB Type-Cを備える。そして、外部ディスプレイやUSBキーボード、USBマウス、Gigabit Ethernetなどを用意することで、デスクトップPC相当の利用環境が構築できる。

 また、ROG Phoneには、スマートフォンゲームをキーボードやマウスで操作できるようにする独自のキーマッピング機能が用意されている。具体的には、キーボードのキーやマウスのクリックボタンを、ディスプレイ上の特定の場所をタップするようにマッピングできるようになっている。そのため、キーボードやマウスでの操作に対応していないゲームでも、キーボードやマウスでの操作が可能になる。

 スマートフォンゲームをPCゲーム同様に快適にプレイしたいという人にとって、ROG Phoneと合わせて必ず用意したい拡張ユニットとなりそうだ。

ROG PhoneをPC的に利用できる拡張ユニット「Mobile Desktop Dock」
左側面。DisplayPort、USB 3.0 Micro-B、SDカードスロットを用意
背面にはマイク端子、ヘッドフォン/S-PDIF共用ジャック、HDMI、DisplayPort、Gigabit Ethernetポート、USB 3.0×4、USB Type-Cを用意
右側面
キーボードやマウス、ディスプレイを接続すれば、PC同等の利用環境を構築できる
オリジナルツール「Game Genie」でキーボードやマウスでの操作をカスタマイズできる
画面上の任意のタップポイントをキーボードやマウスのクリックボタンに割り当てることで、キーボードやマウスでの操作を可能とする

WiGig Dock、Gamevice for ROG Phone

 WiGig Dockは、ROG Phoneに内蔵されている60GHzの無線通信機能「WiGig(IEEE 802.11ad)」を利用し、ROG Phoneの映像をワイヤレスで転送して大画面TVなどに表示させるための拡張ユニットだ。

 WiGigを利用することで、ワイヤレスながら超低遅延で映像を転送できるという。実際にデモで体験してみたが、確かにROG Phone側の操作とTVにワイヤレスで転送される映像との間にまったく違和感を感じなかった。実際の遅延がどの程度になるかは公表されていないが、よほどシビアな操作を要求しないかぎり、まったく気にならないだろう。

 また、Gameviceのスマートフォン用のゲームコントローラ「Gamevice for ROG Phone」も用意される。こちらは、iPhone用や各種Androidスマートフォン用に販売されているゲームコントローラ、GameviceのROG Phone版となる。

 ボタン類は、左右にアナログスティックを1本ずつ、左に十字キー、右にA、B、X、Yボタン、左右奥にトリガーを2つずつ(L1、L2、R1、R2)と豊富に用意。Gamevice for ROG Phoneを装着することで、まさに携帯ゲーム機相当の利便性が実現できることになる。

ROG PhoneのWiGig機能を利用して、ROG Phoneの映像をワイヤレスで転送しTVなどに表示する「WiGig Dock」
ワイヤレスでの転送ながら、ラグをまったく感じることなくプレイできた。大人数でゲームを楽しみたい場合に便利だろう
こちらはROG Phone用ゲームコントローラ「Gamevice for ROG Phone」
ROG Phoneに合わせて設計されており、底面USB Type-Cポートに接続しつつ左右からROG Phoneをはさむように装着し利用する
Gamevice for ROG Phoneを装着した様子。見た目はほとんど携帯ゲーム機のようだ
左側にはアナログスティックと十字キーを用意
右側にはアナログスティックとA、B、X、Yボタンを用意
奥には左右ともにトリガーボタンを上下に2個ずつ用意
手前右にはへっどとUSB Type-Cを用意
しっかり握って軽快にゲームをプレイ可能だ