イベントレポート

Intel、ノートPC向けディスプレイの消費電力を削減する新技術

Intelが導入を計画しているIntel Low Power Display Technology

 Intelは、COMPUTEX全体の基調講演に相当するe21FORUMに登壇し、今後リリースする新製品や、新しいテクノロジに関しての説明を行なっている。そのなかで、登壇したIntel 上席副社長 兼 クライアントコンピューティング事業本部 事業本部長 グレゴリー・ブライアント氏は、新しいノートPCの省電力技術について説明した。

 Intelが発表したのは、「Intel Low Power Display Technology」と呼ばれる新しい技術で、ディスプレイ側と協調してディスプレイの電力を削減していく。現在ディスプレイの電力は、ノートPC全体の消費電力のなかでもっとも高い割合を占めており、こうした技術を導入することで、より長時間バッテリ駆動ができる製品を目指すというのがIntelの戦略となる。

20時間バッテリ駆動のXPS13が24時間へと20%駆動時間が向上へ

 ノートPCのバッテリ駆動時間が短いよりも長いほうが良いということに異論のある人はいないと思うが、実際Intelが行なった調査では、ノートPCを購入する時にチェックする項目の2番人気はバッテリ駆動時間だったという(ちなみに1番はプロセッサ)。

 そうしたノートPCの長時間バッテリ駆動を実現する上で一番高いハードルになってしまっているのが、ディスプレイパネルの消費電力だ。とくに近年は、狭額縁のノートPCが一般化しつつあり、ディスプレイが大型化したり超高解像度になったり、あるいはOLEDのような消費電力が高いパネルデバイスが登場したりと、ディスプレイの消費電力が再び増えている。それがノートPC全体の消費電力を押し上げる傾向にあり、同じバッテリを搭載していてもバッテリ駆動時間が短くなったりという傾向がある。

 そこで、今回Intelが発表した「Intel Low Power Display Technology」では、パネル側とIntelのCPUに内蔵されているGPUおよびそのドライバが協調して動作することで、従来よりも効率の良い電力管理を行なう仕組みになっている。実現にはIntel側だけでなく、パネルメーカーの協力も必要となるので、パネルメーカーとも協業していくとしている。

 Intelによれば、現在市販されているDellのXPS 13では20時間のバッテリ駆動時間が可能だが、Intel Low Power Display Technologyに対応しているパネルに交換すると、24時間のバッテリ駆動が実現できたという。つまり、約20%をプラスした駆動が可能になるという計算だ。

 Intelは、今後パネルメーカー、OEMメーカーなどと協力してIntel Low Power Display Technologyの開発を行なっていくと説明しているが、具体的にいつ投入するかなどはまだ明らかになっていない。

Intel Low Power Display Technologyに対応したテストマシン
対応の液晶はINNOLUXとシャープから提供される