イベントレポート

実機で見るRazerのスマートフォンドッキングデバイス「Project Linda」

~そのほかの新製品や日本未発売製品も

Project Linda

 Razerは、CES 2018に合わせて新製品を発表し、CES会場ブースで展示を行なった。発表製品の詳細は既報(Androidスマホ「Razer Phone」用のノートPC型ドック“バッテリ非搭載”の無線ゲーミングマウス+パッド)をご覧いただくとして、本稿ではそれらを写真で紹介する。同時に、展示されていた日本未発売製品も紹介する。

Project Linda

 昨年のCES 2017では、3画面ディスプレイを備えるノートPCコンセプトモデルを展示して来場者の度肝を抜いたRazerだが、今年もまた新たなコンセプトモデルを展示した。

 今年展示されたのは、Razerが発売しているスマートフォン「Razer Phone」を装着することで、ノートPCのような利用を可能とするドッキングデバイス「Project Linda」だ。

 見た目は、Razerが発売している薄型ノートPC「Razer Blade Stealth」に近いが、タッチパッド部分にRazer Phoneがすっぽり収まるようになっている。

 手持ちのRazer Phoneをその部分に滑り込ませるように置き、キーボード右上のキーを押すと、Project Linda側からUSB Type-Cコネクタが自動的にせり出し、Razer Phoneと接続。そして、Project Linda側のディスプレイに「Sentio」というオリジナルデスクトップUIが表示され、Razer Phone側は表示が消え、タッチパッドとして動作するようになる。

 また、外付けマウスを利用して対応ゲームをプレイする場合などには、Razer Phoneのディスプレイをセカンダリディスプレイとしても利用可能となる。

 Project LindaからRazer Phoneを取り出す場合も、キーボード右上の専用キーを押すだけだ。すると、接続されているUSB Type-Cコネクタが収納され、手前から引きあげるように取り外せる。

Project LindaでRazer Phoneを着脱する様子
Project Lindaのキーボード前方に大きな穴があり、そこにRazer Phoneを装着する
奥へ滑り込ませるようにRazer Phoneを挿入
このように、Razer Phoneはぴったりと収まる
Razer Phone挿入後にキーボード右上のキーを押すと、Project LindaとRazer Phoneが接続される
キーを押すと、Project Linda側からUSB Type-Cコネクタが飛び出してきて、Razer Phoneと接続される
接続が完了すると、Razer Phoneの表示が消え、タッチパッドとして利用できるようになる。隙間なく、また段差もなく装着できており、カラーもマッチしているためノートPCとして見てもまったく違和感がない
Project Linda側のディスプレイには、「Sentio」というオリジナルのデスクトップUIが表示される
外付けマウスを利用して対応ゲームをプレイする場合には、Razer Phoneのディスプレイをセカンドディスプレイとして利用可能

 Razer Phoneは、Project Linda側にほぼ隙間なく装着できるのはもちろん、カラーも完全にマッチしているため、装着した状態ではほとんど違和感がない。しかも、Razer Phoneは完全にフラットなボディのため、段差もほぼ気にならないレベルだ。

 同様のシステムを採用するものは、過去にいくつかのメーカーから登場しているものの、そのどれと比べても非常にスマートで完成度が高いと感じる。

 なお、今回はコンセプト展示となっており、現時点での製品化は未定とのこと。それでも、今年中には発売できるといいかな、と担当者は語っていたので、ある程度の目途はあるのかもしれない。

 ただし、日本での発売については、Razer Phoneが発売されていないことを考えると、現時点ではかなり厳しそうだ。

天板はRazer Blade Stealthそのものといった印象
正面。高さは15mm。中央部の切り欠きからは、Razer Phoneの電源兼指紋認証センサーが見えている
左側面
背面
右側面
底面
キーボードもRazer Bladeのものとほぼ同等
キーボードは、もちろんRazer Chroma対応バックライトを搭載

Mamba HyperFlux、Firefly HyperFlux

 Mamba HyperFluxと、Firefly HyperFluxは、非接触給電技術「HyperFlux」を採用するゲーミングマウスとマウスパッドだ。

 最大の特徴となるのが、HyperFluxを採用することで、Mamba HyperFluxでは、無線マウスながらバッテリを省いている点。

 利用時には、給電機能を備える専用マウスパッドFurefly HyperFluxから、常に電力の供給を受けつつ動作することになる。なぜこのような仕様を実現したのかというと、マウスの軽さを追求するためだという。

 近年では、日本だけでなく米国でも軽いマウスの利用者が増えているそうだ。有線マウスには軽い製品も多くあるが、本体が軽いが故に、ケーブルによって勝手に動いてしまうことがあり、ゲーミングマウスとしては致命的。そこで、無線マウスでも究極の軽さを実現するために、こういった仕組みを採用したという。

 実際にMamba HyperFluxを手にすると、無線マウスとは思えないほどに軽い。しかし、実際に使ってみると、問題なく動作する。これはかなりの驚きだった。

 しかも、マウスパッドから離れても、すぐに動作しなくなるわけではなく、しばらくは動作が継続する。これは、内部に最小限の蓄電素子が備わっているからと考えられるが、これによって、多少雑に扱っても、給電が途絶えてマウス操作が行なえなくなるといったこともない。なかなかよく考えられたシステムとなっている。

 米国での発売は2018年第1四半期を予定し、日本でも発売を予定しているとのことだ。

Mamba HyperFluxとFirefly HyperFlux
ワイヤレスマウスながらバッテリーを搭載せず非常に軽量なMamba HyperFlux
実際に手にすると、その軽さに驚かされる
こちらは、非接触給電機能を備える専用マウスパッドFirefly HyperFlux
マウスパッドに置くと給電され、ワイヤレスマウスとして動作する
Mamba HyperFlux左側面
右側面
底面

 ここからは、その他の日本未発売製品を写真で紹介する。

Razer Nommoシリーズ

 Razer Nommoシリーズは、高音質PCスピーカーシステムの新モデル。

 2スピーカーの「Razer Nommo」と、2スピーカーかつ、スタンドにRazer Chroma機能を備える「Razer Nommo Chroma」、そして2.1chスピーカーシステムでTHXに準拠、Razer Chromaにも対応するハイエンドモデル「Razer Nommo Pro」の3モデルをラインナップする。

 また、同時にRazer Chromaをコントロールするアプリの新バージョン「Razer Synapse 3」が登場。Razer Synapse 3では、Philipsのスマート照明システム「Hue」をサポートし、制御が可能となった。これによって、Razer Chroma対応のキーボードやマウス、Razer Nommo、Hueを同時に制御できるようになり、部屋や家といったスケールでの照明制御が可能となった。

 Razer Nommoシリーズの米国での価格は、Nommoが99.99ドル、Nommo Chromaが149.99ドルで、2018年1月に発売。Nommo Proは499.99ドルで、発売時期は未定。Razer Synapse 3は、すでに提供が開始されている。

高音質PCスピーカ最上位モデル「Razer Nommo Pro」
サテライトは2スピーカ構成で、スタンド部にChroma対応イルミネーション機能を搭載
NommoとNommo Chromaのサテライトはシングルスピーカ仕様
Razer Chromaコントロールアプリ最新版「Razer Synapse 3」。PhilipsのHueを新たにサポート
部屋に置くChroma対応機器やHueの物理的な位置を設定し、全体のイルミネーションをコントロールできる

・Razer Blade Stealth

 日本でも発売されている薄型モバイルPCのRazer Blade Stealthは、第8世代Coreプロセッサ搭載モデルを投入。日本ではまだ未発売ながら、今後発売を予定しているという。

第8世代Coreプロセッサ搭載の「Razer Blade Stealth」新モデル。日本でも発売予定

Razer Core V2

 Thunderbolt 3接続のビデオカード拡張ボックスの新モデル「Razer Core V2」は、内部のI/Oコントローラを2系統に増やして帯域を向上させ、性能を高めているという。また、NVIDIA Quadroカードにも対応している。

I/Oを強化し、NVIDIA Quadroにも対応した、外付けビデオカード拡張ボックス「Razer Core V2」

Razer Blade Pro 17"

 17インチ液晶搭載の「Razer Blade Pro 17"」では、GeForce GTX 1080搭載のハイエンドモデルに加えて、GeForce GTX 1060搭載の廉価モデルを投入する予定。

 こちらは、ディスプレイが非光沢になっていたり、キーボードにメカニカルキーを採用していないなどの違いもあるとのこと。価格も2,299ドルからと安価となっている。

17インチ液晶搭載の「Razer Blade Pro 17"」廉価モデルは、GPUにGeForce GTX 1060を採用
ディスプレイは非光沢仕様
キーボードはメカニカルキー非採用