イベントレポート

今や珍しい? ヒートシンクすら不要な2D専用の低消費電力ビデオカード

VGA0449M

 その昔、ビデオカードは空冷ファンどころか、ヒートシンクすら備えていないのが当たり前であった。しかし本格的な3Dの機能を取り入れた辺りから、機能の増加に伴う発熱量の増加で、ヒートシンクや小型のファンを装備し始めた。そしてシェーダユニットが汎用プロセッサ化した現代の製品は、もはや2スロット以上の大掛かりな空冷システムを装備するのは当たり前となってしまった。それは数千円のエントリーモデルとて珍しいことではない。

 今回のCOMPUTEXで、組み込み向け機器を製造するSUNIXは、Silicon Motion製の2Dビデオチップ「SM750」を採用したビデオカード「VGA0499M」を展示した。特徴は2Wという低消費電力で、これによりヒートシンクを省くことが可能になっている。また、温度-10℃~70℃/湿度5%~95%という広範囲な動作可能環境も特徴だ。

 基本的に組み込み向けの製品ではあるが、この規模の回路なら、拡張カードを作るよりもマザーボード上に統合しても良さそうなぐらいだ。それをあえて拡張カードという形にした点がユニークだと言えるだろう。

 ちなみに搭載されるSM750は、PCとはPCI Express x1で接続するビデオチップで、2Dグラフィックスエンジンのほかに、オプションで16MBのフレームバッファを内包できる。このほか、デュアル300MHz DACによるアナログ出力、そして24bitデジタル出力、デュアル8bit/シングル16bitビデオ入力を備える。

 ビデオチップにフレームバッファを内包できるもの、展示されていたVGA0499Mはフレームバッファを内蔵していないもので、外付けのフレームバッファとして200MHz駆動のEtronTech製256Mbit(32MB) SDRAM「EM6AA160TSC-5G」を2チップ採用し、64MBの容量を実現していた。

 対応OSはWindows XP/7/8/8.1/Server 2003/Server 2008、Linux 3.4.x/3.x、およびDOS。出力インターフェイスはDVIおよびミニD-Sub15ピンだ。ちなみに、同社はDVIのみを搭載した「VGA0429」とミニD-Sub15ピンのみを搭載した「VGA0419」というバージョンも用意している。

ビデオチップはSM750
ビデオチップはEM6AA160TSC-5G
Silicon Imageの「Sil164CTG64」はデジタルトランスミッタである
出力はDVIとミニD-Sub15ピンの2系統
DVIのみを搭載した「VGA0429」
ミニD-Sub15ピンのみを搭載した「VGA0419」