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楽天、防水電子書籍端末「Kobo Aura H2O」2,000台を追加先行販売
~自己出版サービスの日本語版も開設
(2014/12/18 15:11)
楽天株式会社は18日、都内で記者会見を行ない、10月31日に先行販売した防水電子書籍リーダ「Kobo Aura H2O」の特徴や、電子書籍サービスの2014年の取り組みと2015年の展望について紹介した。
子会社であるRakuten Kobo(楽天Kobo)の事業概要を楽天 ブックス事業 副事業長の田中はる奈氏、Kobo Aura H2Oの紹介をブックス事業 イーブック部 マーケティンググループ マネージャーの糸山尚宏氏が担当した。
田中氏によれば、国内の電子書籍市場は2,013年度に1,000億円を超える規模に拡大し、楽天Koboについても会員数が継続的に増加しているほか、コンテンツ売り上げも2013年度が対前年で3.2倍、2014年度も対前年で2.3倍へ拡大しているという。
当初は「楽天ブックス」と「楽天Kobo電子書籍ストア」で分かれていたWebサイトの統合を2013年より順次開始。2014年10月1日に楽天ブックスへ完全に統合した。現在も楽天Kobo電子書籍ストアは参照できるが、すでにトラフィックも少なく、2015年中盤に閉鎖する予定としている。このほか、ログインをスキップできるクイック購入のほか、電子書籍市場で売り上げの70%を占めるというコミックを中心にスマートフォンでのシリーズまとめ買い機能などを追加している。
また、これまでにもKobo端末を書店で販売する取り組みなどを行なってきたが、2014年には同社と講談社、大阪屋の3社協同で、進撃の巨人15巻に楽天Koboのみでダウンロードできる特典コンテンツを付属するキャンペーンを展開。新規ユーザーを多く獲得できた成功事例になったとのことで、今後も楽天Kobo×書店×出版社の3社連携を継続していきたいとした。
新サービスとしては、12月18日より自己出版サービスの「楽天Koboライティングライフ」の日本語ベータ版をオープン。通常はロイヤリティ最大70%のところ、4月1日までは85%受け取れるキャンペーンも展開する。
2015年については、現在4店舗で実証実験中の、電子書籍を店頭に陳列、購入できる電子書籍カード「BooCa」の本格展開、決済手段の拡充などWebサイトとアプリの改善などを行なう。また、コミックなら無料配布からのシリーズ販促や、文芸なら作家やサブジャンルの買い回りなど、ジャンルごとに適切な販促を進めていく。
新端末となる「Kobo Aura H2O」については、10月31日に300台限定で先行販売を実施したが、1時間も立たずに完売。糸山氏によれば「今までの機種の中で一番の初速」であったと言う。
この先行販売分は12月18日から出荷を開始。そして、12月19日10時より、2,000台を追加先行販売することが発表された。グローバルで供給が逼迫する中で確保したもので、こちらはすぐに出荷が行なわれ、基本的には年内注文であれば年内に手元に届くという。1,000円の電子書籍クーポン「RaCoupon」も付属する。価格は19,980円。
なお、通常販売は2月下旬の開始を予定している。
Kobo Aura H2Oは、同社初の防水防塵対応の電子書籍リーダで、水深1mで最大30分利用できるIP67に適合している。ディスプレイはE-InkのCartaを採用した6.8型。従来モデルの「Kobo Aura」と比較して、ディスプレイ解像度が758×1,014ドットから1,080×1,430ドットへ高精細化したほか、画面サイズは6型から6.8型へ大型化。糸山氏は「縦に2cm、横に1.5cmほど大きくなり、紙のコミックと同じサイズ感となった」と表現した。
内蔵メモリは4GBで、microSDカード(最大32GB)も利用可能。前面ライトも内蔵する。インターフェイスはIEEE 802.11b/g/n無線LAN、Micro USB。バッテリ駆動時間は約7週間。本体サイズは129×179×9.7mm(幅×奥行き×高さ)、重量は233g。