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イーフロンティア、64bit化した「PaintShop Pro X6」の新機能を解説
~対象物を簡単に選択できる“スマート選択ブラシ”など
(2013/10/18 15:59)
株式会社イーフロンティアは、Corel製フォトレタッチソフト「PaintShop」シリーズ最新版の「PaintShop Pro X6」を9月27日に発売。この性能や機能、改善されたユーザーインターフェイスについて解説する報道関係者向け説明会が10月18日に行なわれた。
PaintShop Pro X6は1万円台のソフトながら64bitに対応。ニュースリリースや製品ページでも性能向上が強く謳われている。ちなみに、プログラムの見直しにより、前バージョンのPaintShop Pro X5と32bit版同士で比較しても性能が向上。64bitでは、それがさらに伸びるという。
具体的なデータとしては、RAWデータの現像やリサイズのバッチ処理、100MBを超える大きな画像データを開く処理など、15項目に渡るベンチマークの結果を紹介。処理内容により差はあるが、PaintShop Pro X5とX6 32bit版の場合は約5~80%、X5とX6 64bit版で約15~90%の性能向上が見て取れる。
また、必要なバイナリファイルのサイズが小さいことも特徴としており、競合となるAdobe Photoshop Elementsがオーガナイザーを含めると1GB以上の容量となるのに対して、PaintShop Pro X6は200MB強という。
参考までにシステム要件を確認すると、PaintShop Pro X6は1GB以上のHDD空き容量(3GB以上推奨)であるのに対し、Photoshop Elements 12は4GB以上のHDD空き容量(インストール時に追加の空き容量が必要)となっている。
機能面の変更点として、最初に紹介されたのはユーザーインターフェイスの改良だ。ただし、前バージョンから大きく変更したわけではなく、サムネイルの枠やパレットのレイアウト、ボタンの大きさやタブの形状など、細かい部分を洗い直して使い勝手を改良することを目指したという。こうした変更に留まることで、使い勝手は向上させつつ、ワークフローは前バージョンと変わらないのがポイントであるとしている。
このほか、範囲指定機能の2つの新機能が紹介された。1つは「スマート選択ブラシ」機能で、切り抜きたいオブジェクトの輪郭に近い部分に沿ってブラシでなぞっていくだけで輪郭に沿って選択されるというもの。もう1つは「領域自動選択」で、選択したい範囲を矩形などでざっくり指定するだけで、その範囲内のオブジェクトの輪郭を自動的に抽出して選択範囲にするものとなる。
従来バージョンでも、オブジェクトの周りを大ざっぱになぞってエッジを検出する機能や、オブジェクト周辺の背景を消すための消しゴムツールなど、トリミング(クロップ)するためのツールは用意されていた。今回のバージョンは範囲選択の機能としてこうしたものを用意したことで、レタッチの幅が広がったのが特徴と言える。説明会で見た限りでは、いずれの機能もかなり正確にエッジを検出できていた。
また、レイヤーパレットの操作性も改善されており、エクスプローラーのウィンドウや、PaintShop Pro画面下部にあるオーガナイザーエリアから、ドラッグ&ドロップでレイヤーを追加できるようになった。従来バージョンは、コピー&ペースト操作でレイヤーを追加していくスタイルのみだったことからの操作性の改善となる。
ちなみに、PaintShop Pro X6にはUltimate版という、通常/パッケージ版より5,000円増しの上位SKUが用意される。こちらには、ワンタッチ補正に特化したAthentech Imaging製ソフト「Perfectly Clear」や、Reallusion製のメイクアップツール「FaceFilter3」が付属する。前者は単体で199ドル、後者は2,990円で各ソフトハウスから販売されているもの。
なお、後者は独立したソフトとして提供されるので単体版と変わりないが、前者は単体版と異なり、Corel向けにPaintShop Proのプラグインとして動作するようになっている。ただし、いずれもローカライズはされていない点に注意が必要だ。