ASUS、冬モデルとして9機種16モデルを一斉発表
~Bang & Olufsenコラボノートや、マルチタッチ/3D対応一体型など

ASUSTeKの冬モデル

10月23日より順次発売



 ASUSTeK Computerは14日、2010年冬モデルとしてBang & Olufsenと協業したマルチメディアノートなど9機種16モデルを発表した。10月23日より順次発売する。

●音質にこだわった「NX90Jq」などマルチメディア5機種

 新製品は大きく「マルチメディア」、「クラウド」、「エコロジー」の3つのカテゴリに分類される。

 マルチメディアには5機種あるが、中でも同社がもっとも訴求に力を入れているのが、3月にドイツで行なわれたCeBITで披露された「NX90Jq」。外観の美しさと高音質の実現を狙った製品で、意匠設計はBang & Olufsen(以下B&O)のプロダクトデザイナーであるDavid Lewis氏が担当。天板全面が鏡面仕上げのアルミニウムになっているほか、幅広い筐体を活かし、キーボードの左右両端にタッチパッドを備えるなど際立ったデザインを採用している。

 音質の面でもB&Oと協業しており、ディスプレイの左右に容量108ccのチェンバーを持たせ、直径32mmの大型スピーカーを内蔵。加えて、雑音の少ないコーデックや、11Wのパワーアンプ、ボーカル/ベース/サラウンドを調整できるソフトウェアイコライザーも搭載し、原音の忠実な再現を実現するという。同社ではこのオーディオ周りのハードウェア+ソフトウェアを総称して「ASUS SonicMaster」と呼称している。

NX90Jq天板は鏡面仕上げのアルミニウム

 ハードウェアの主な仕様も高スペックになっており、Core i7-740QM(1.73GHz)、メモリ4GB、HDD 1TB、NVIDIA GeForce GT 335M(1GB)、Intel HM55 Expressチップセット、1,920×1,080ドット表示対応18.4型液晶ディスプレイ、Blu-ray Disc(BD)ドライブ、Windows 7 Home Premium(64bit)を搭載。価格は209,800円。

 インターフェイスは、USB 3.0×2、USB 2.0、eSATA/USB 2.0コンボ、SDカード/メモリースティック/xD-Picture Cardスロット、Gigabit Ethernet、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、200万画素Webカメラ、Bluetooth 2.1+EDR、ミニD-Sub15ピン、HDMI出力、音声入出力などを装備。

 バッテリ駆動時間は約2.8時間。本体サイズは530×283×30~45mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約4.4kg。

N53Jf

 「N53Jf」も、スピーカーこそ異なるものの、SonicMasterに準拠する製品。480pのDVD相当の映像を1080pへとアップコンバートし、フレームレートを24/30fpsから72/60fpsへ引き上げる「ASUS Video Magic」機能を搭載し、画質面でも高精細を謳う。

 主な仕様は、Core i5-460M(2.53GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ4GB、HDD 500GB、GeForce GT 425M(1GB、Optimusテクノロジ対応)、Intel HM55 Expressチップセット、1,920×1,080ドット表示対応15.6型液晶ディスプレイ、BDドライブ、Windows 7 Home Premium(64bit)を搭載。価格は129,800円。Office Home and Business 2010プリインストールモデルは154,800円。

 インターフェイスは、USB 3.0、USB 2.0×2、eSATA/USB 2.0コンボ、SDカード/メモリースティックスロット、Gigabit Ethernet、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、200万画素Webカメラ、Bluetooth 2.1+EDR、ミニD-Sub15ピン、HDMI出力、音声入出力などを装備。

 バッテリ駆動時間は約2.9時間。本体サイズは391×266×29~39mm(同)、重量は約2.7kg。

 このほか、マルチメディア系として液晶一体型PC 3機種も同時発表されているが、こちらはまだ詳細仕様は決定していない。

 最上位となる「All-in-one PC ET2400XVT」は、タッチとNVIDIA 3D Visionに対応する1,920×1,080ドット表示対応23.6型液晶を搭載。CPUはCore i7-740QMで、GPUにGeForce GTX 460Mを採用。また、SonicMasterに対応するほか、地上/BS/110度CSデジタルチューナ×2や、BDドライブも搭載する。

All-in-one PC ET2400XVT20型のAll-in-one PC ET2011EGも予定

●ランボルギーニコラボモデルなど「クラウド」向けEee PC

 同社が「クラウド」向けとうたうEee PCは3機種を投入する。

 これまでも同社はLamborghini(ランボルギーニ)と協業したノートPCを複数発売している。それらは15型クラスのメインストリームスペックとなっていたのに対し、今回の「VX6」は初めて「Eee PC」ブランドを冠し、かつ12.1型というサイズになっている。

 天板はランボルギーニのボンネット風のデザインで、エンブレムも貼付。SonicMaster扱いではないが、B&O ICEpower認定のVX6専用オーディオや、USB 3.0、次世代IONなど、Eee PCとしては高スペックな仕様となる。

Eee PC VX6天板などがランボルギーニデザイン

 主な仕様は、Atom D525(1.8GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ2GB、HDD 320GB、NVIDIA ION(512MB、Optimus対応)、Intel NM10 Expressチップセット、1,366×768ドット表示対応12.1型液晶ディスプレイ、Windows 7 Home Premium(32bit)を搭載。価格は74,800円。

 インターフェイスは、USB 3.0×2、USB 2.0、SDカードスロット、Ethernet、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、130万画素Webカメラ、Bluetooth 3.0+HS、ミニD-Sub15ピン、HDMI出力、音声入出力などを装備。

 バッテリ駆動時間は約5時間。本体サイズは297×204×23~38mm(同)、重量は約1.5kg。本体色はグロッシーホワイトとグロッシーブラックの2モデル。

 「Eee PC 1215N」はVX6とほぼ同じハードウェアで、外観が一般的なモデル。価格は59,800円。本体色はグロッシーレッドと、グロッシーブラック、シルバーの3モデル。

 「Eee PC 1015PEM」は、9.2時間駆動のバッテリと、10.1型の小型サイズがウリのモバイル向けモデル。

 主な仕様は、Atom N550(1.5GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ1GB、HDD 160GB、Intel NM10 Expressチップセット、1,024×600ドット表示対応10.1型液晶ディスプレイ、Windows 7 Starterを搭載。価格は39,800円。HDDが250GBで、Office Personal 2010 2年間ライセンス版プリインストールモデルは44,800円。

 インターフェイスは、USB 2.0×3、SDカードスロット、Ethernet、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、30万画素Webカメラ、ミニD-Sub15ピンを装備。

 本体サイズは262×178×23~36mm(同)、重量は約1.2kg。本体色はホワイトとブラックの2モデル。

Eee PC 1215NEee PC 1015PEM

●竹素材を使った「エコロジー」モデル

 「U33Jc」は「エコロジー」をうたう製品で、本体天板とパームレストにリサイクルが可能な竹素材を採用しているのが特徴。竹素材の採用によりプラスチックパーツの使用量を約15%削減。また、パームレストに手が触れた時に極度に冷たくない点などを訴求している。

 主な仕様は、Core i5-460M、メモリ2GB、HDD 320GB、GeForce GT 310M(1GB、Optimusテクノロジ対応)、Intel HM55 Expressチップセット、1,366×768ドット表示対応13.3型液晶ディスプレイ、Windows 7 Home Premium(64bit)を搭載。価格は109,800円

 インターフェイスは、USB 3.0、USB 2.0×2、SDカード/メモリースティック/xD-Picture Cardスロット、Gigabit Ethernet、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 2.1+EDR、ミニD-Sub15ピン、HDMI出力、200万画素Webカメラ、音声入出力などを装備。

 バッテリ駆動時間は約8.5時間。本体サイズは328×232×22~33mm(同)、重量は約1.8kg。

 なお、同時付けで現行の13.3型ノート「U30Jc」が、財団法人日本環境協会が認定する「エコマーク」を取得したことを発表した。

天板とパームレストに竹素材を採用するU33Jc

●心に届くデザインを訴求

 同日行なわれた発表会では、台湾本社から会長のJonney Shih氏が来日し、今後の製品戦略などについて語った。Shih氏が日本での発表会に登場するのはこれが初。

 Shih氏は「当社は技術志向の会社として立ち上がったが」と前置きした上で、今後の目標として「新たなデジタル時代で世界のリーディングカンパニーを目指すこと」であると述べた。

 日本ではまだ周辺機器メーカーという印象が強い同社だが、世界的にはPCメーカーとしての地位を強めている。第三者機関による調査では、2010年第2四半期においてもっとも信頼できるPCメーカーで1位に、また2009年11月に発表された別の調査では、購入後2~3年後のノートPCの不良率の低さでも1位になったという。

 そんな同社が、製品開発において今もっとも注力しているのが、外観のデザインと、音質/画質の追求。今回の製品ではNX90Jqがそれをもっとも色濃く表わしているが、フラグシップ製品では「美学の新しい基準」と「五感の新しい体験」の提供をテーマに開発に当たっているという。

 日本市場においては、これまでのネットブックに加え、2009年にはCULVを多数展開してきたが、今後も新しいセグメントの製品を展開していく。また、コンシューマだけでなく、この冬商戦から法人モデルの取り扱いも開始する。

Jonney Shih氏が初めて日本で発表会に登壇した

(2010年 10月 14日)

[Reported by 若杉 紀彦]