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一度買ったスキンは別ゲームでも使える。Unreal Engine 5.8と6がもたらす未来
2026年6月30日 11:01
お気に入りのゲームで購入したアバターやアイテムは、そのプラットフォーム(デバイス)でしか使えない。我々プレイヤーにとって長年「当たり前」だったこの制約が、過去のものになろうとしている。「Fortnite」などで手に入れたデジタル資産が、開発スタジオやプラットフォームの壁を越え、まったく別のゲームの世界でも自由に使い回せるようになるからだ。
この夢のような「オープンなメタバース」の実現を牽引するのがEpic Gamesだ。6月23日に開催されたメディア向けラウンドテーブルでは、ユーザーの資産をあらゆる制約から解放するための強力なロードマップが明かされた。
また、Nintendo Switch 2クラスの機体で高品質なライティングを可能にする「Unreal Engine 5.8」の新機能や、2027年末にアーリーアクセス版のリリースを予定する次世代エンジン「Unreal Engine 6」など、今後のゲーム体験を根底から覆す基盤技術と戦略も語られた。
Switch 2クラスでも動く「Lumen Lite」などUE 5.8の新機能
ラウンドテーブルではまず、Unreal Engine 5.8について説明があった。新機能としては、リアルタイムで間接光や反射を計算する動的グローバルイルミネーション「Lumen」の負荷軽減版の「Lumen Lite」が追加された。Lumenは高性能GPUを積んだゲーミングPCでの運用をベースとしてきたが、Lumen Liteの登場によりNintendo Switch 2クラスでもグローバルイルミネーションを動作させることが可能となる。
次にMCP。MCPはModel Context Protocolの略で、AIモデルと外部のデータソースやツールをより簡易に接続するインターフェイス。昨今の生成AIの進化により、ゲーム開発者も生成AIを利用することが多く、MCPを活用することでAIを利用する技術的なハードルを下げることができ、開発期間の大幅短縮を可能にする。
次世代プログラミング言語である「Verse」(バース)についても言及した。Verseはプラットフォームを超えて使用ができるプログラミング言語。これをオープン化してどのエンジンでも、どのスタジオでも実装することができるようにするという。これにより、さまざまなエンジンやスタジオで作られたライブラリが共有できるようになる。
現在すでに、Fortniteプラットフォーム内の異なるタイトル(バトルロワイヤルやLEGO Fortniteなど)や、異なるハードウェア間では、購入したアウトフィットの共有が実現されている。プラットフォームを変更すると課金アイテムが共有されないタイトルが多い中、これだけでもユーザーにはうれしいことだが、Verseがオープン仕様(API)として公開されることで、この仕組みがまったく別の企業や開発者が作ったほかのゲームでも同様に可能になるという点だ。
Meta HumanがUnreal Engine内の機能として取り込まれることは以前から発表されていたが、さらにオープン化することでVerseと同様にエンジンやスタジオに関わらず、使用できるようになる。
Meta Humanは光学式の反射マーカーや慣性式のジャイロセンサーなどを身につけずとも、カメラで撮影するだけでモーションキャプチャーを実現するシステム。全身の動きはもちろん、顔の表情も検知し、アバターに反映することができる。遠くない将来、リアルタイムでの利用もできるようになる予定で、そうなるとゲーム利用だけでなく、VTuberなどの表現方法がより簡単になり、かつ、より複雑なことができるようになる。
Loreもオープンソースとして誰でも使用できるようになる。Loreはバージョン管理システムで同じバージョン管理システムのGitと比べると、より巨大なバイナリファイルを取り扱うことができ、必要なディレクトリだけ取得できるため、軽量に扱えるのも特徴だ。
基本無料・ロイヤリティ方式のマネタイズと「資産」の共有
Unreal Engine 5.8は、さまざまな新機能の搭載やそれらがオープン化することで、多くの人が自由に扱えるようになるといったことが主な特徴と言える。そこで気になるのが、マネタイズ。オープン化することで買い切りやサブスクリプションのような利用料金の発生がなくなるので、Epic Gamesとしてはどのようなマネタイズをしていくのか。
質疑応答でその点について聞いてみたところ、その多くはUnreal Engineが行なっていたように、一定数の売上げが見込めた場合に利用料を払ってもらうロイヤリティシステムを採用するという。
Unreal Engineは基本的に無料で使用することができるが、Unreal Engineを利用して開発したゲームは総収益が100万ドル(約1億5,000万円)を超えた場合に5%のロイヤリティを支払うことになっている。小規模業者などは利率が変わるにしろ、システム的には同様だ。Meta HumanやVerse、MCPなどがどのような条件でロイヤリティが発生するかは言及されまなかったが、基本的にはUnreal Engineと同様のシステムになる見込みだ。
また、Fortniteのアウトフィットを別のゲームで使用する場合は、システムだけでなく、アウトフィットそのものに著作権料などがかかりますが、これも現時点では詳細なことは言及されなかった。これもいままで通りの買い切りのシステムが継続されるのではないかと思われる。Meta Humanで作られたアバターやアウトフィットに関してもこれから詰めていくと思われる。
Epic Gamesの代表であるティム・スウィーニー氏は、かねてからユーザーがコストを払ったものに対しては、デジタルであったとしてもどこでも使えるようになるべきという考えで、タイトルやエンジン、スタジオなどの制約にとらわれず、すべてのメタバースで共有できるよう取り組んでいる。
ユーザーにとってみればデジタルデータであれ、購入したものは資産としてメタバース内に残り続け、メーカーやクリエイターから見ても、データが物理資産と同じ価値をもたらすようになるわけで、双方にメリットがあると言える。
2027年末にアーリーアクセス予定の次世代エンジンUE 6
Unreal Engine 5.8がリリースされたばかりだが、ロードマップ的にはUnreal Engine 6のリリースも気になるところ。Unreal Fest 2026の基調講演でティム氏は2027年末にUnreal Engine 6のアーリーアクセス版をリリースし、正式リリースはその12~18カ月後と発表した。Unreal Engine 6は、Unreal Engine 5.8とUnreal Editor for Fortnite(UEFN)を統合し、さまざまな分野でのゲーム開発、リリースが行なえるようになるという。
Unreal Engineの行く末としては、さまざまなプラットフォームで言語の統一化を図り、開発環境のシームレス化を目指していく。それに際して、プレイヤー側もプラットフォーム毎に分断されたメタバースが統一され、どの場所にいても、購入したものすべてが共通して使用できる世界が構築される恩恵が受けられる。
従って、Unreal Engine 5.8は技術的なシステムが使いやすく構築されているというよりは、シームレスなメタバースを構築するためのツールとして存在しているものだという見方もできる。















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