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560GHz帯で112Gbpsの超高速無線通信、岐阜大らが実証。6Gなどの基盤に

光ファイバー接続微小光共振器を用いたマイクロ光コム装置

 徳島大学と岐阜大学による研究グループは5月19日、560GHz帯において単一チャネル112Gbpsの無線伝送を実証したと発表した。6G通信における超高速通信や光・無線融合ネットワークの実現に向けた技術基盤が確立できたとしている。

 移動通信では、無線キャリア周波数を高周波化することで高速・大容量化を実現している。次世代の6Gでは、300GHz以上のテラヘルツ波の利用が期待されているが、中でも350GHz超の領域は超高速通信が可能な一方で、従来の電子技術による信号生成では出力の低下や位相雑音の増大といった課題があり、安定かつ高品質な信号生成を可能にする新技術が求められている。

 研究グループではこれに対し、電子技術に代わる手法として光技術に着目。高い周波数安定性と低位相雑音特性を有するマイクロ光コムを用いたテラヘルツ信号生成および無線通信への応用(マイクロ光コム駆動型テラヘルツ通信、Photonic 6G)の研究を進めてきた。しかし、350GHzを超える領域では、安定な高周波信号の生成と高次変調による高速データ伝送の両立が難しかった。

 今回の研究では、光ファイバー接続型の微小光共振器を用いたマイクロ光コムデバイスを開発。光ファイバーを共振器に直接接合することで、精密な光学調整が不要となり、小型な設計を実現。さらに、高出力励起光の利用を可能とすることで、長時間の安定動作を実現した。

テラヘルツ無線通信の実験結果(100Gbps級伝送の実証)

 実験では、560GHzの多値変調テラヘルツ波を生成し、変調信号を無線で搬送、受信側で復調を行なった。その結果、QPSK変調で84Gbps、16QAM変調で112Gbpsの無線伝送を達成した。研究グループによれば、420GHz以上の周波数帯において初めて100Gbps級の無線通信を実証した成果だとしている。

 同グループでは本研究により、350GHz超のテラヘルツ帯において100Gbps級の無線通信が実現可能なことが示されたとし、6Gにおける超高速モバイル・バックホール通信や光・無線融合ネットワークの実現に向けた技術基盤が確立されたと説明している。