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ドイツのスパコン「JUPITER Booster」、欧州初のエクサフロップス超え

JUPITER Booster

 スーパーコンピュータ(スパコン)ランキングTOP500の2025年11月度の結果が11月17日(米国時間)に発表された。今回は、6月度の結果から順位変動はないものの、4位でドイツのユーリッヒ研究センターに設置されている「JUPITER Booster」が完全に導入を完了し、欧州で初めてエクサフロップス級を達成したスパコンとなった。

 JUPITER BoosterはEviden製のスパコンで、プロセッサにNVIDIA GH200 Grace Hopper Superchip(72コア/3GHz)を採用し、コア数は480万1,344基に達する。Linpack性能は1,000PFLOPS、ピーク性能理論値は1,226.28PFLOPSとなっている。電力は15,793.81kW。BullSequana XH3000と呼ばれるダイレクト液冷アーキテクチャを採用するのが特徴。

 このほか、10位までのランキングは以下の通りで、「富岳」は7位となっている。

順位名前システムプロセッサコア数Linpack性能(PFLOPS)理論ピーク性能(PFLOPS)電力(kW)
1El Capitan米国HPE Cray EX255aAMD第4世代EPYC 24コア/1.8GHz+Instinct MI311A11,340,0001,8092,821.129,685
2Frontier米国HPE Cray EX235aAMD第3世代EPYC 64コア/2GHz+Instinct MI250X9,066,1761,3532,055.7224,607
3Aurora米国HPE Cray EX235aIntel Xeon CPU Max 9470 52C 2.4GHz9,264,1281,0121,980.0138,698
4JUPITER BoosterドイツEviden BullSequana XH3000NVIDIA GH200 Grace Hopper Superchip 72コア/3GHz4,801,3441,0001,226.2815,793.81
5Eagle米国Microsoft NDv5Xeon Platinum 8480C 48コア/2GHz2,073,600561.2846.84不明
6HPC6イタリアHPE Cray EX235aAMD第3世代EPYC 64コア/2GHz+Instinct MI250X3,143,520477.9606.978,461
7富岳日本富士通A64FX 48コア/2.2GHz7,630,848442.01537.2129,899
8AlpsスイスHPE Cray EX254nNVIDIA GH200 Grace Hopper Superchip 72コア/3.1GHz2,121,600434.9574.847,124
9LUMIフィンランドHPE Cray EX235aAMD第3世代EPYC 64コア/2GHz+Instinct MI250X2,752,704379.7531.517,107
10LeonardoイタリアEviden BullSequana XH2000Intel Xeon Platinum 8358 32コア/2.6GHz1,824,768241.2306.317,494

 このほか、高性能共役勾配ベンチマーク(HPCG)のリスト、電力効率ランキングGreen500のリストも公開された。

 HPCGの1位はEl Capitan、2位は富岳、3位はFrontierとなっており、富岳が未だ優れた結果を示していることが分かる。

 一方Green500の1位は「KAIROS」、2位は「ROMEO-2025」、3位は「Lavante GPU extension」で、いずれもNVIDIAのGH200 Grace Hopper Superchipを採用している。