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Intel、2026年登場の次期CPU「Panther Lake」の技術概要を発表
2025年10月9日 22:00
Intelは10月9日(現地時間)に報道発表を行ない、同社が今年末までにOEMメーカーへの出荷を開始し、来年(2026年)の前半に搭載製品の登場を予定している次世代Core Ultraとなる「Panther Lake」(開発コードネーム)の技術概要を発表した。
CPUはPコアが「Cougar Cove」、Eコアが「Darkmont」へと強化されており、GPUは第3世代Xeとなる「Xe3」、NPUも第5世代NPUへと進化する。
また、現行世代(Core Ultraシリーズ2)ではLunar Lake、Arrow Lakeと2つのコードネームからなる別パッケージの製品に分かれてしまっていたが、次世代では両者がPanther Lakeに統一される形となる。
CPU、GPU、NPU、IPUがそれぞれ進化したPanther Lake、GPUはXe3へと進化
今回明らかとなったPanther Lakeの技術概要は、SoC内部のアーキテクチャと物理的な構造という2つの情報だ。現行製品のCore Ultraシリーズ2は、Lunar Lake、Arrow Lakeの2つが存在しており、SoCのベースとなるパッケージが2つある。ノートPCのメーカーはLunar Lake用、Arrow Lake用という2つのマザーボードを設計、製造しなければならないという課題があった。
Panther Lakeは、1つのパッケージで、Lunar Lakeが対応してきたモバイル向けノートPCの市場、Arrow Lakeが対応してきた薄型ゲーミングノートPC、ハイエンドノートPCの市場などを1つでカバーすることができるようになる。このため、ノートPCメーカーにとっては1つの設計という低コストで、ローエンドからハイエンドまでをカバーすることができる。
| 投入時期 | 2019年 | 2020年 | 2021年/2022年 | 2023年 | 2024年 | 2024年 | 2025年 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 開発コードネーム | Ice Lake | Tiger Lake | Alder Lake/Raptor Lake | Meteor Lake | Lunar Lake | Arrow Lake | Panther Lake |
| 製品名 | 第10世代Core | 第11世代Core | 第12世代Core/第13世代Core | Core Ultra(シリーズ1) | Core Ultraシリーズ2 | Core Ultraシリーズ2 | 未定(仮名: 次世代Core Ultra) |
| Pコア | Sunny Cove | Willow Cove | Golden Cove/Raptor Cove | Redwood Cove | Lion Cove | Lion Cove | Cougar Cove |
| Eコア | - | - | Gracemont | Crestmont | Skymont | Skymont | Darkmont |
| NB最大構成(Pコア、Eコア、LPEコア) | 4P | 8P | 6P+8E | 6P+8E+2LPE | 4P+4LPE | 6P+8E+2LPE | 4P+8E+4LPE |
| GPU | Gen 11 GPU | Xe-LP | Xe-LP | Xe-LPG(XMXなし) | Xe2 | Xe-LP/Xe-LPG | Xe3 |
| NPU | - | - | - | 第3世代NPU(11TOPS) | 第4世代NPU(48TOPS) | 第3世代NPU(13TOPS) | 第5世代NPU(50TOPS) |
| IPU | IPU5 | IPU6 | IPU6 | IPU6 | IPU7 | IPU6 | IPU7.5 |
| チップレット | FCBGA | FCBGA | FCBGA | Foveros-S | Foveros-S | Foveros-S | Foveros-S |
| 製造プロセスノード(CPU) | 10nm | 10nm SuperFin | 10nm Enhanced SuperFin(Intel7) | Intel 4 | TSMC N3B | TSMC N3B | Intel 18A |
CPUは、現行世代のLunar Lake/Arrow LakeではLion Cove(Pコア)、Skymont(Eコア)が採用されていたが、Panther Lakeではその改良版となるCougar Cove、Darkmontに強化される。Cougar Cove、Darkmontともに分岐予測などのフロントエンドが強化されており、電力効率などが改善されている。
GPUはLunar LakeではXe2、Arrow LakeではXe-LPG(HシリーズはXMXあり、それ以外はなし)が採用されていたが、Panther Lakeでは第3世代のXeを意味するXe3へと強化されている。Xe3ではキャッシュ構造などが強化されているほか、最大で12基のXeコア(従来のLunar LakeのXe2などでは8基まで)に拡張することが可能で、リアルタイムレイトレーシングユニットなども強化されている。
NPUは同社が第5世代NPUと呼ぶNPUへと強化されている。内蔵演算器(MAC)こそ1万2,000基とLunar Lake(第4世代NPU)のそれと同じだが、内部構造を見直すことで、ダイ面積あたりの性能は40%改善されており、より少ない消費電力でLunar LakeのNPUをやや上回る50TOPSの性能を発揮できる。
いわゆるISPとなるIPU(Image Processing Unit)はLunar Lakeで採用されたIPU 7の改良版となるIPU 7.5が採用されており、HDR処理のダイナミックレンジなどが改善されている。
チップレット構造がMeteor/Arrow世代の4チップから3チップへと変更に、3種類の構成
Panther Lakeではチップレットの構造が大きく見直されている。現行世代のArrow Lakeでは、チップレットの構造は、基本的に前世代となるMeteor Lake(Core Ultraシリーズ1)のそれを継承しており、Lunar Lakeで新しい構造を採用していた。それに対してPanther Lakeではチップレットの構造が大きく見直され、Meteor Lake/Arrow Lakeの構造と、Lunar Lakeの構造を1つにしたような新しい構造を採用している。
Meteor Lake/Arrow Lakeでは、コンピュートタイル(CPU)、グラフィックスタイル(GPU)、SoCタイル(NPU、IPU、グラフィックス出力、PCIe、USB、Ethernetなど)、IOタイル(PCI Express、Thunderbolt)という4タイルから構成だった。
Lunar Lakeでは、コンピュートタイルにCPU、GPU、NPUなどが統合されており、さらにプラットフォーム・コントローラ・タイル(PCT)にUSB、PCI Express、Wi-Fi/BT、Ethernet、Thunderbolt 4などのI/Oが統合されているという2タイル構成だった。
それに対して今回のPanther Lakeでは、コンピュートタイルにCPU、NPU、IPU、グラフィックスタイルにGPU、プラットフォーム・コントロール・タイルにPCIe、Thunderbolt 4、Wi-Fi/Bluetoothなどが統合されるという3チップ構成になる。コンピュートタイルは2種類(Pコアx4+LPEコア×4とPコア×4+Eコア×8+LPEコア×4)、グラフィックスタイルも2種類(Xeコアx4とXeコア×12)、PCT1種類というタイル(ダイ)が用意され、その組み合わせにより3種類のチップレット構成が用意される。
なお、Lunar Lakeではパッケージ上に搭載されていたDRAMは、Panther Lakeではマザーボード上に搭載される形になっている。
チップレットの構成は3種類用意されており、「8 core」「16 core」「16 core 12Xe」という3つの構成が用意されており、それぞれ以下のようになっている。
| 構成名称 | 8 core | 16 core | 16 core 12Xe |
|---|---|---|---|
| コンピュートタイル(プロセスノード) | 8コアタイル(Intel 18A) | 16コアタイル(Intel 18A) | 16コアタイル(Intel 18A) |
| グラフィックスタイル(プロセスノード) | 4コアタイル(Intel 3) | 4コアタイル(Intel 3) | 12コアタイル(TSMC N3E) |
| プラットフォーム・コントロール・タイル(プロセスノード) | PCT(TSMC N6) | PCT(TSMC N6) | PCT(TSMC N6) |
| CPUコア構成 | 4P+4LPE | 4P+8E+4LPE | 4P+8E+4LPE |
| GPU | Xe3(4コア) | Xe3(4コア) | Xe3(12コア) |
| NPU | 第5世代NPU | 第5世代NPU | 第5世代NPU |
| IPU | IPU7.5 | IPU7.5 | IPU7.5 |
| メモリ | LPDDR5x-6800/DDR5-6400(SO-DIMM) | LPDDR5x-8533/DDR5-7200(SO-DIMM) | LPDDR5x-9600 |
| PCI Express | 12レーン(5.0 x4、4.0 x8) | 20レーン(5.0 x12、4.0 x8) | 12レーン(5.0 x4、4.0 x8) |
| Thunderbolt | Thunderbolt 4 4基 | Thunderbolt 4 4基 | Thunderbolt 4 4基 |
| USB | USB 3.2 2基/USB 2.0 8基 | USB 3.2 2基/USB 2.0 8基 | USB 3.2 2基/USB 2.0 8基 |
コンピュートタイルはすべてIntel 18Aで製造され、GPUは12コア版がTSMC N3E、4コア版がIntel 3、PCTはTSMC N6で製造されている。現時点ではそれぞれどんな製品が展開されるのか(製品のSKU構成やTDPの設定、クロック周波数など)に関して明らかにされていない。
来年の前半にPanther Lake搭載製品が登場する見通しで、Intelの幹部はCESで何らかの発表があることを認めている。そのため、CESで製品が大規模に発表され、多くのPCメーカーから搭載製品が登場するという流れになりそうだ。






















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