ニュース

証券口座への不正アクセス急増。被害金額は直近3カ月で5千億円超

 金融庁は5日、証券会社を騙るフィッシング詐欺などに起因する証券口座への不正アクセス/取引について情報を更新し、最新の被害状況を報告した。不正なアクセスや取引が3月以降急増しており、特に4月の被害が大きかったという。

 今回情報が更新されたことで、2025年1月から5月の被害状況が明らかとなった。これによると、5カ月間合計で不正アクセス件数は1万422件、不正取引件数は5,958件となり、売却金額は約2,772億円、買付金額は約2,468億円となった。

 3月以降被害が急増しており、3月から5月の3カ月間だけで、不正取引金額の合計は約5,237億円に達した。その中でも4月の被害が特に大きく、不正アクセス件数は5,279件、不正取引件数は2,910件、売上金額は約1,540億円、買付金額は約1,346億円となった。また、不正取引が発生した証券会社数は5月時点で16社にのぼっている。

2025年1月から5月の被害状況(金融庁調べ)

 これを受けて同庁は、ログインID/パスワードの窃取や不正アクセス/取引の被害はどの証券会社でも発生しうるとした上で、以下のような点に気を付けるよう、注意喚起している。

  • 見覚えのある送信者からのメールやSMSであっても、メッセージ内のリンクを開かない
  • 利用する証券会社のWebサイトは、事前に正しいURLをブックマークしておき、そこからアクセスする
  • 多要素認証や通知サービスなど、各証券会社が提供しているセキュリティ機能を有効にし、不審な取引に注意する
  • パスワードは使い回しせず、推測しやすい文字列は用いない
  • こまめに口座の状況を確認し、不審な取引のおそれがある場合、各証券会社に問い合わせるとともにパスワードを速やかに変更する