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ソニー、高密度LEDライトをRGBごとに個別制御可能なパネル。高色純度で広色域実現
2025年3月14日 17:52
ソニーは14日、高密度LEDバックライトをRGBの色ごとに個別制御するRGB独立駆動パネルを採用し、大画面化にも適したディスプレイシステムを開発したと発表した。
従来のミニLEDバックライトは単色で輝度だけを制御していたが、新開発のRGB独立駆動パネルはバックライトLED自身にも表示色と同じ色に発光。このため色純度が高く、DCI-P3 99%以上、ITU-R BT.2020で約90%の広色域をカバーできるという。
この技術によりパネルの広色域特性を画面全体で有効に活用でき、大画面においても画面の隅々まで繊細な色合いを表現できるという。さらに、シーンに応じた最適な電力を各色に割り当てる機能も搭載するのが特徴。
従来の高輝度TVでは、夜景などの暗いシーンにおいて、星や月など、明るい部分に光を集中させてピーク輝度を高めるといった明暗に合わせた輝度調整を行なっていたが、本ディスプレイシステムでは色の濃淡にも応じた輝度調整が行なえるため、真っ青な空、真っ赤な紅葉といった単色シーンでも明るく鮮やかな映像を再現できる。
同社プロフェッショナルモニターで実現している4,000cd/平方m以上のピーク輝度を実現し、ソニーディスプレイ機器史上最高のカラーボリュームを実現するという。
駆動は96bitで行なわれ、白と黒の表現だけでなく、中間色の多いシーンでも明暗の違いを繊細に表現できる。既存の有機ELでは技術的に難しい明るさや彩度が控えめな色調も実現するという。さらに、細部まで緻密な階調制御により、大画面でも斜めから見た際の色や明るさの変化が抑えられ、広視野角を実現するという。
制御プロセッサは、ソニーの長期的戦略パートナーであるMediaTekと共同開発したほか、LED部はSanan Optoelectronicsと共同に開発。さらに、LED駆動ICについてはロームと共同で開発したとしている。