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ポッチがついた「HHKB Studio」に純白の“雪”モデル。読みやすいキートップが地味にうれしい

HHKB Studio 雪

 PFUは、現在発売中の高性能コンパクトキーボード「HHKB Studio」に、純白なキートップとライトシルバーのフレームを採用した「HHKB Studio 雪」を追加し、発売した。価格は4万4,000円。

 同社はスティック型のポインティングとコンパクトキーボードの「HHKB」を1つに統合した「HHKB Studio」を2023年10月に投入。発表以来同社史上最大規模となる130件の記事掲載、SNSにおける2日連続のトレンド入り、公式Webサイトの過去最高PV獲得など話題を呼び、すぐに品薄となり、当初の半年の販売目標をわずか1カ月半で達成した。

 今回のHHKB Studio 雪はその機能性をそのまま維持しながら、ユーザーからの要望に応える形で、筐体色を従来の黒+ダークグレーから白+ホワイトシルバーに一新した。キートップは従来より視認性を高めつつ、クリエイティブな作業に没入できるようクールグレーの印字色を初めて採用した。

 さらに、より視認性を高める「黒印字」のキートップをオプションで用意。Appleの「Vision Pro」といったシースルー対応VRヘッドセット装着時の刻印の視認性をさらに高められるという。一方で、プロフェッショナル向けに「無刻印」のキートップオプションも用意する。価格はいずれも英語配列が6,600円、日本語配列が7,590円。

キートップのみならず、スティック型ポインティングデバイスのキャップもグレーに
底部のフレームはホワイトシルバーへ
標準のクールグレー刻印キートップ(英語)。オプションとしても購入できる
クールグレー刻印キートップ(日本語)。オプションとしても購入できる
オプションの黒刻印キートップ(英語)
オプションの黒刻印キートップ(日本語)
オプションの無刻印キートップ(英語)
オプションの無刻印キートップ(日本語)
シースルーに対応したヘッドセット装着時の刻印視認性を高めた

 HHKB Studio専用のキーマップ変更ツールも合わせて機能強化を行なった。1つ目がプロファイル設定のインポート/エクスポートについてで、従来は「全て(4つ)のProfile」を一括で行なうしかなかったが、新たに「現在のProfile」というように個々のプロファイルのインポート/エクスポートが可能になった。

プロファイル個別にインポート/エクスポート可能に

 加えて、WindowsとmacOSのツール両方において、プロファイル設定データの互換性を確保し、相互インポートできるようになった。これにより、自分が作成したキーマップをベースに、ほかのプロファイルにコピーして再編集したり、他者が作ったプロファイルを自分のプロファイルとして1つだけ適用するといった活用が可能になる。

 このほかの仕様は従来と同様、キースイッチはリニアタイプのメカニカルで、押下圧は45g。本体サイズは308×132×41mm、重量は840g。

 なお、本製品は「ゲオあれこれレンタル」に対応しており、14泊15日の日程を5,480円で利用できる。試用で気に入った場合、本体価格からこのレンタル料金を差し引いた差額での販売をPFUダイレクトで行なうキャンペーンを実施している。

 また、11月7日には「HHKBユーザーミートアップVol.8」と呼ばれるユーザーイベントを開催。先着100名限定で、参加費用は3,000円、申込みは10月31日。イベントではPFUの常務執行役員 清水康也氏による挨拶、販売推進統括部長 山口篤氏による2024年HHKBの振り返りと展望、そして有識者3名を招いだ「ワークスタイル変革 VR,XRの今後とHHKBの可能性」と題したスペシャルトークセッションを実施する。

高い質感と機能性はそのままにライトな見た目に

 今回、PFUよりこのHHKB Studio 雪のサンプル提供があったため、写真をメインに見ていこう。

 開封してすぐ「うんうん」と思わず頷いてしまったのが高い質感。昨今キーボードに参入しているメーカーは多く、競争が激しいため、全体的な水準が引き上がっているのだが、HHKB Studio 雪はやはり頭一つ抜けている。手にした際の質量といい、たわみや歪みを一切感じさせない精度の高い作りといい、キートップの手触りといい、キーのガタツキのなさとスコッと入力できるタイピング感といい、どこを取っても手抜きはない。

 そしてHHKBと言えば上質なタイピング感なのだが、もちろん本機はそれを継承している。リニアスイッチなのに入力した感覚がしっかりと得られるため、タイプ抜けが発生しにくいのはもちろんなのだが、底を打った際の音だけでなく、キーが戻った際の音までも静かな点は、感心させられる。

HHKB Studio 雪
英語配列モデル
付属のUSB Type-Cケーブルも同系色になった
ポインティングデバイスの拡大
刻印の視認性が従来より向上している
HHKB Studio 墨(上)との比較

 キーボードの静音化と言えば「鉄板を入れて剛性を高める」、「ガスケット構造を採用して振動を抑える」、「キースイッチとキートップの間にゴムのリングワッシャーを挟む」あたりが有効手段だと思い浮かべるだろうが、筆者の経験則的に言えば、これらは底打ちの際のノイズを軽減できても、実はバネでキースイッチが戻った際のノイズには効きづらい。HHKB Studioはこのキーが戻った時の音の少なさも特徴の1つだ。

 残りのデザイン面については写真の通り。ユーザーの好みに左右されるところが多いため筆者は多く語らないが、白+クールグレーのキートップは確かに従来より視認性が高いと感じた。特にHHKB初心者にやさしいのは間違いなく雪モデルだろう。

 ちなみに筆者は以前、「カーソル(十字キー)なし」という理由からHHKB英語配列をずっと敬遠していたのだが、HHKB Studioをきっかけに本格的に使い始めたところ、(HHKBより少ない)42キーでも行けるようになった。ただ、42キーはさすがに数字や記号周りの入力で戸惑うことが多く、記事執筆の効率がちょっと下がる。そういう意味でやっぱりHHKBは実用ラインを超えた最小配列として熟考された配列であるのは間違いない。