ニュース

GeForce RTX 4070搭載ゲーミングNUCなどASUS NUCが国内展開

 ASUS JAPAN株式会社は、ゲーミングNUCの「ROG NUC」やCore Ultra搭載の「ASUS NUC 14 Pro」をはじめとした、ミニPCおよびベアボーン製品を国内向けに発表した。

 ASUSでは2023年10月、それまでIntelが展開してきた「NUC(Next Unit of Computing)」事業を引き継ぐことを発表。ASUS社内に新たにNUC事業部が設立された。

 今回国内向けに発表したのは、ゲーミング向けの「ROG NUC」、ビジネス向けと位置付けられる「ASUS NUC 14 Pro+」、「ASUS NUC 14 Pro」、「ASUS NUC 13 Pro」、産業用の「ASUS NUC 13 Rugged」。このうちROG NUC、ASUS NUC 14 Pro+/Proでは、CPUにCore Ultraを搭載しており、AI Readyも謳っている。

ROG NUC

ROG NUC

 ROG NUCは、Core UltraとGeForce RTX 40シリーズを搭載するゲーミングPC。上位モデルはCore Ultra 9 185HとGeForce RTX 4070、下位モデルはCore Ultra 7 155HとGeForce RTX 4060を内蔵する。どちらも7月発売予定で、実売予想価格はそれぞれ35万5,600円前後、27万6,600円前後の見込み。

 ASUSのゲーミングブランドであるROGから投入されるNUC製品。高性能なCPUとGPUを容積約2.5Lのコンパクトな筐体に収めた点が特徴となる。独自のLEDイルミネーションであるAURA Syncにも対応。横起きだけでなく、専用スタンドを使って縦置きもでき、リビングに設置して据え置きゲーム機のようにも使えるとしている。

 主な仕様は、上位モデルの場合、CPUがCore Ultra 9 185H、メモリが32GB DDR5 SO-DIMM、ストレージが1TB M.2 NVMe SSD(PCIe 4.0)および空きスロットのM.2 2280(PCIe 4.0対応)、GPUがGeForce RTX 4070、OSがWindows 11 Homeなど。

 下位モデルの場合、CPUがCore Ultra 7 155H、メモリが16GB DDR5 SO-DIMM、ストレージが512GB M.2 NVMe SSD(PCIe 4.0)および空きスロットのM.2 2280(PCIe 4.0対応)、GPUがGeForce RTX 4060、OSがWindows 11 Homeなど。

 インターフェイスは共通で、Thunderbolt 4、USB 3.1×4、USB 2.0、2.5Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3、HDMI 2.1、DisplayPort 1.4a×2、SDカードスロットなどを装備。

 本体サイズは270×180×50mm。

本体
底面
前面
側面
背面
後述のASUS NUC 14 Pro(左)と比べるとそれなりに大きい

 なお、これ以降の製品はビジネス向けおよび産業用となる。本日より順次受注を開始しており、代理店を通じて販売が行なわれる。

ASUS NUC 14 Pro+

ASUS NUC 14 Pro+

 ASUS NUC 14 Pro+は、CPUに最大でCore Ultra 9 185Hを搭載。最大96GBのDDR5メモリやPCIe 4.0対応のM.2 2280 NVMe SSDなども内蔵可能。本体上方はアルミニウムボディとなっており、質感だけでなく放熱性も高めている。

 さらに、底面部にも通気口を設けて冷却性能を引き上げることで、性能を引き出せるとする。本体内部へのアクセスにドライバーが必要ないツールレス設計となっており、カスタマイズやアップグレードが容易に行なえる点も特徴となっている。

ツールレスで内部にアクセスできる設計

 主な仕様は、CPUがCore Ultra 9 185H/7 155H/5 125H、メモリが最大96GB DDR5 SO-DIMM、ストレージがM.2 2280(PCIe 4.0対応)、M.2 2242など。

 インターフェイスは、Thunderbolt 4×2、USB 3.2 Type-C、USB 3.1×3、USB 2.0×2、2.5Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3、HDMI 2.1×2などを装備。

 本体サイズは144×112×41mm、重量は800g。

天面
底面。右にある2つのスライドレバーを動かせば開く
内部
M.2スロットもねじを使わない設計(ラッチ)
側面
背面

ASUS NUC 14 Pro

ASUS NUC 14 Pro(写真はTall)

 ASUS NUC 14 Proは、CPUに最大でCore Ultra 7 165Hを搭載。薄型モデルのSlimと、2.5インチSATAドライブが内蔵できる「Tall」の2種類を用意している。

 こちらもツールレス設計により、カスタマイズやアップグレードがしやすい。vPro Enterpriseにも対応しており、企業での導入に好適なリモート管理や優れたセキュリティ機能なども利用できる。

 主な仕様はSlimの場合、CPUがCore Ultra 7 155H/5 135H/5 125H/3 100U、メモリが最大96GB DDR5 SO-DIMM、ストレージがM.2 2280(PCIe 4.0対応)、M.2 2242など。

 Tallの場合、CPUがCore Ultra 7 165H/7 155H/5 135H/5 125H/3 100U、メモリが最大96GB DDR5 SO-DIMM、ストレージがM.2 2280(PCIe 4.0対応)、M.2 2242、2.5インチSATAなど。

 インターフェイスは共通で、Thunderbolt 4×2、USB 3.2 Type-C、USB 3.1×3、USB 2.0、2.5Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3、HDMI 2.1×2などを装備。

 本体サイズおよび重量は、Slimが117×112×37mmで480g、Tallが117×112×54mmで570g。

天面
底面。こちらは右上のスライドレバーを動かすと開く
内部
こちらもM.2スロットはねじを使わない設計(ピン)
側面
背面

ASUS NUC 13 Pro

ASUS NUC 13 Pro

 ASUS NUC 13 Proは、第13世代Coreを搭載。Intelが販売していた「Intel NUC 13 Pro」をそのままASUS NUCブランドで展開する。こちらもSlimとTallの2種類を用意している。

 主な仕様は、CPUがCore i7-1360P/i5-1340P/1315U、メモリが最大64GB DDR4 SO-DIMM、ストレージがM.2 2280(PCIe 4.0対応)、M.2 2242、2.5インチSATA(Tallのみ)など。

 インターフェイスはともに、Thunderbolt 4×2、USB 3.1×3、2.5Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3、HDMI 2.1×2などを備える。

 本体サイズおよび重量は、Slimが117×112×36.81mmで約510g、Tallが117×112×54mmで約750g。

側面
底面
背面

ASUS NUC 13 Rugged

ASUS NUC 13 Rugged(写真はTall)

 ASUS NUC 13 Ruggedは、ファンレス設計を採用した産業用の製品。IP5Xの防塵ケースを使用し、24時間365日の連続稼働もサポート。一部モデルでは0~50℃の外部動作温度にも対応する。こちらはShortとTallの2種類を用意。

 主な仕様はShortの場合、CPUがIntel N50、メモリが最大16GB DDR5 SO-DIMM、ストレージが64GB eMMC(はんだ付け)、M.2 2280、M.2 3042など。

 Tallの場合、CPUがAtom x7211E/x7425E、メモリが最大16GB DDR5 SO-DIMM、ストレージが64GB eMMC(はんだ付け)、M.2 2280、M.2 3042など。

 インターフェイスはともに、USB 3.0×2、USB 2.0×2、2.5Gigabit Ethernet×2、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3、HDMI 2.1×2などを備える。

 本体サイズは174×108×25.9mm。

天面。ヒートシンクを備えている
底面
側面
背面

ASUSはIntel NUCを受け継ぎ、さらに成長させていく

David Fu氏

 21日に開催された製品発表会では、ASUS JAPAN株式会社OPビジネスグループ 取締役のDavid Fu氏、ASUS APAC Senior Business Development DirectorのWilliam Goh氏、ASUS JAPAN株式会社NUCプロダクトマネージャーのBokun Fu氏が登壇し、説明を行なった。

 ASUSでは2020年に、AIアプリケーションとハードウェアの組みあわせにより、産業向けのソリューションを提供するAIoTビジネスグループを設立した。ここに対してIntel NUCは、医療や工場などをカバーするOTの分野と、ITの分野の両方で特別な進化を遂げた製品であり、ASUSにとってその事業を引き継ぐことは当然であったという。David Fu氏は、Intelからの信頼を光栄に思い、NUCを継続するだけでなく、さらに成長させていくと語った。

ASUS NUC 14 Pro+を手に持つWilliam Goh氏
ROG NUCを手に持つBokun Fu氏

 William Goh氏とBokun Fu氏からは、NUC製品の特徴やラインナップなどについて説明が行なわれた。日本は、米国に次いで2番目にNUCに関する検索を行なったユーザー多い国であり、日本の市場におけるNUCの認知度は高いのだという。

 ASUS NUCは、非常に小型であること、高性能であること、接続性が高く最新の技術が搭載されていること、信頼性や品質が高いことの4つが強みだと説明。また、フォームファクタについても、完成品のNUC Mini PC、ベアボーンのNUC Kit、マザーボードのNUC Boardsの3種類を用意しており、コンシューマからコマーシャル、エッジやIoTまで、あらゆる用途に対応できるとしている。

 新製品については、最新CPUの採用によるAI対応や高い処理性能、vProのサポート、ツールレス設計などを強みとして紹介。特に性能面については、Cinebench R23 Multicoreによるベンチマークにおいて、競合製品と比べても高いスコアを記録したとしており、エアフローへの配慮などによりこれを実現できたと説明した。

4つの強みを持つNUCを3つのフォームファクタで展開
競合と比べても高い性能を発揮。優れた冷却設計などによるものだという
ASUS NUCのラインナップ

 製品ラインナップについては、新たにCore Ultraを搭載したASUS NUC 14 Pro/Pro+やROG NUCが登場するほか、産業用のRuggedも用意する。また、Intel NUC 13 Proなど一部の製品はIntel NUCからASUS NUCへブランドが変更され、販売が継続される。

 そのほか、インテル株式会社から技術本部 部長 工学博士の安生健一朗氏も登壇し、Core UltraやAIに関して説明。NUCにおいては、Core Ultraの持つ特徴であるWi-Fi 7やThunderbolt 4のサポート、Arc GraphicsやNPUの内蔵、AVIなどメディアやディスプレイの最新仕様への対応がキーポイントだと紹介した。

左から、Bokun Fu氏、William Goh氏、安生健一朗氏