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兆芯、LGA1700っぽい自主開発のx86互換CPU「KX-7000」。チップレットで性能2倍

「KX-7000」シリーズ

 中国・上海兆芯集成電路股份有限公司は12日、自主開発の「世紀大道」アーキテクチャを採用した新世代CPU「KX-7000」シリーズを発表した。

 新アーキテクチャに加えチップレット構成を採用することで、従来と比較して演算性能を2倍に引き上げるとともに、I/Oも大幅に強化し、最大128GBまでのDDR5メモリ、24レーンのPCI Express 4.0、2ポートのUSB4、3ポートのSATA 6Gbpsへの対応を果たした。

 内蔵GPUも「C-1190」に強化され、グラフィックス性能は4倍に向上。H.265のデコードや、デュアル4K解像度のモニター(DisplayPort、HDMI、ミニD-Sub15ピン)に対応した。DirectX 12、OpenCL 1.2、OpenGL 4.6といった主流APIもサポート。大幅に引き上げられた演算性能と組み合わせ、システム全体の総合体験を向上させたという。

 CPUアーキテクチャ名の世紀大道もまた上海の地名であるが、フロントエンドの改善、アウトオブオーダー実行エンジンおよび実行ユニット、メモリアクセスユニットなどを全面的に改善。KX-7000ではこのコアを8基内蔵し、最大クロック3.7GHzという中国産CPUで最高の速度で動作させることに成功した。このため日常的なオフィス用途、エンターテインメント、業務用途に適応できる性能を持つとしている。

 チップレット間の相互接続にも独自のアーキテクチャ「ZDI 4.0」を採用し、CPUダイとIOダイを1つのパッケージに封止。これにより開発サイクルの短縮と開発コストの削減を実現した。

 機能面では独自開発のSM2/SM3/SM4暗号化アクセラレーション、プロセッサおよびI/Oの仮想化技術(VT-xおよびVT-d 2.5)をサポートし、WindowsおよびLinuxといった主流のOSに対応するとしている。

 L2キャッシュは4MB、L3キャッシュは32MB。動作クロックはベース3GHz/最大3.6GHzのモデルと、3.2GHz/3.7GHzの2種類がある。パッケージはLGAまたはBGAとされているが、パッケージサイズは45×37.5mmで、これはIntelのLGA1700と共通だ。ただしKX-7000は2018年の時点で既に開発を表明していたほか、仮に従来のKX-U6780Aの2倍の性能だとしても、IntelのLGA1700対応のAlder Lakeとまだ大きく開きがあることは間違いない。そのためアーキテクチャは独自とみて間違いないだろう。