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ポケコンの夢を再び。「GPD WIN Mini」予約開始へ

GPD WIN Mini

 株式会社天空は、GPD Technology製の7型液晶搭載のゲーミングノート「WIN Mini」の予約受付を開始した。出荷は2023年12月下旬を予定している。

 予約価格は、Ryzen 5 7640U/メモリ16GB/SSD 512GBモデルが11万5,100円、Ryzen 7 7840U/メモリ32GB/SSD 512GBモデルが14万2,800円、Ryzen 7 7840U/メモリ32GB/SSD 2TBモデルが16万5,000円、Ryzen 7 7840U/メモリ64GB/2TB SSDモデルが18万7,400円。通常販売価格はこれより数千円アップするほか、メモリ64GBモデルは「予約限定生産」(ファーストロットのみ)のため注意が必要。

 ゲームパッドを搭載しながらクラムシェルスタイルを採用したモデル。小型のWINシリーズは「2」でいったんクラムシェルが終了し、「3」以降はスライダーに移行。「WIN Max」シリーズはクラムシェルを引き継いだが、最新のWIN Max 2では10.1型まで大型化した。そこで小型でありつつクラムシェルに回帰したのがWIN Miniである。

 ちなみにGPDのCEOであるWade氏の話によれば、次期のWINシリーズの正統後継となる「WIN 5」はスライダー+液晶大型化の方向で考えていると言い、持ち運びに適したクラムシェルをWIN Miniでカバーするとのことなので、WIN Miniは「新シリーズ」であると考えたほうが妥当だ。

GPDのWade CEO

 予約開始に合わせ、天空は都内で製品発表会を開催。天空 代表取締役 山田拓郎氏は、過去のGPD製品を振り返り、「今年(2023年)にROG Allyが投入され、ポータブルゲーミングPC市場が盛り上がってきているが、その先駆けとなったのはGPDで、2016年に初代WINを投入して切り拓いた」とした。

WINシリーズの歴史
Pocketシリーズの歴史
GPDのそのほかの製品
今回登場したWIN Mini

 そして、初代のWINでPassMarkのスコアがわずか1,344だったとし、最新のWIN Miniでは25,166まで伸び、20倍に迫る性能向上を達成。WIN Miniを「わずか520gのスーパーコンピューター」、「史上もっともパワフルなポケコン」と表現した。

発表会では、実は山田氏のポケットにWIN Miniが忍ばせてあったという演出も
ジーンズのおしりのポケットにもスッと入るという、どこかの広告で見たシーンを再現

 WIN Miniの仕様については、最高Ryzen 7 7840U搭載による最大8.6TFLOPSの演算性能、500cd/平方mの輝度や120Hzの高速リフレッシュレートを実現した7型液晶、WIN Max 2と同等のホール効果センサー採用のジョイスティックの採用、カスタマイズ可能なL4/R4キーやジャイロセンサー/バイブレータの内蔵、PCとしても使えるバックライト付きキーボードやタッチパッド、DTX:X Ultra認証の7.1chサラウンド対応スピーカー、OCuLinkを含む豊富なインターフェイスなどを、UMPCとしては強力な仕様をアピール。

 特に、バッテリの改善についても触れ、「GPD WIN 2シリーズまではバッテリの品質があまり良くなかったが、中国の近年のバッテリ技術の大幅な向上によって、WIN 3以降はバッテリ品質問題があまり上がらなくなり、寿命も向上した」という。

わずか520gのスーパーコンピューター
WIN 2のクラムシェル形状を継承
Ryzen 7 7840Uの搭載
Ryzen 5 7640Uという廉価モデルも用意。ちなみにTDP 20W制限下では、Ryzen 7 7840Uと性能的に大差はないという
最大500cd/平方mの液晶
ホール効果センサー採用のジョイスティック
ジャイロやバイブレータの内蔵
キーボードやタッチパッドの搭載
DTX:X Ultra認証の7.1chサラウンド対応スピーカー
豊富多彩なインターフェイス
寿命が向上したバッテリ
インターフェイス類
TDP 20W設定時では2~3時間のゲームが可能
予約価格などの情報

 なお、天空での予約特典としては、本来別売りとなる専用グリップや専用ケース、液晶保護シート、液晶クリーナーをプレゼント。また、本日26日20時からはオンラインで「第2回 ポータブルゲーミングPC フェス」をハイビームAKIBAチャンネルで配信を行ない、Wade CEOを交えたWIN Miniの紹介を行なう。

WIN Miniを手にするWade CEO
WIN Mini実機
背面のインターフェイス。今回USB Type-Aポートはないが、OCuLinkは搭載しているのがポイント。L/Rボタン類は結構小さくなっているのが分かる
右側面。インターフェイスはない
左側面。こちらもインターフェイスはない。手に持った際に熱が伝わらないような素材を採用している
底面。WIN Maxシリーズの底面をギュッと小さくした印象だ
キーボード面。なお、製品版ではこのプロトタイプからC面(キーボード面)の素材が変更されるという(現状では熱が伝わりやすい問題があるという)
ちなみに左右ともアナログスティックが外側、ボタンが中央に寄った配置はWIN 2のまま(WIN Maxでは右のボタンとアナログスティックが逆になっている)。筐体小型化のため致し方ない部分だろう
液晶の輝度調整幅は結構広かった
同じ7型液晶同士のPocket/Pocket 2との比較