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手触りを解析して評価できるシステム、山形大らが実用化

TL201Sf

 山形大学と株式会社トリニティーラボは、東京都立産業技術研究センターの協力を受け、人が指で物に触れるときの自然で滑らかな動きを再現し、手触りを物理的に解析可能にする「バイオミメティック触覚センシングシステム」を実用化した。

 さらさら、べたべた、しっとりなど、人は物に触れるとさまざまな触感を感じる。しかし、こういった繊細な質感をセンシングすることは難しく、化粧品や繊維、自動車などといった製品、VRの開発などにおいて障害となっていた。

 研究チームでは、人の指の構造や硬さ、表面物性を模倣した「指モデル接触子」を用いて、人が物に触れた時に皮膚表面で起こる現象を再現できる触覚評価装置として、バイオミメティック触覚センシングシステムを2013年に開発。その後さまざまな物をシステムで評価し、22の学術論文を発表するなど、多くの分野で有用なことが確認できたという。

 システム実用化を望む声を受け、東京都立産業技術研究センターとの共同研究を通じて、触覚評価測定機「TL201Sf」として実用化。今後は、さまざまな分野での活用や、あやふやなまま進められがちな触覚センシングの標準的な評価法となるよう、改良を進めていくという。