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東工大、5Gミリ波帯に全対応の受信IC。低コスト&世界対応の端末実現へ

マルチバンドフェーズドアレイ受信機のチップ

 東京工業大学 工学院 電気電子系の岡田健一教授らの研究グループは、Beyond 5Gへの通信速度の高速化として、ミリ波帯の全帯域通信を1チップで実現する、マルチバンドフェーズドアレイ受信ICを開発した。

 マルチバンドフェーズドアレイ受信ICは、5Gミリ波帯の全バンドに対応する24.25GHzから71GHzの広帯域をサポートし、従来の半分以下の低消費電力(36~75mW)で動作するという無線IC。

 65nm世代のシリコンCMOSプロセスで制作され、発振器に広帯域局部発振器ではなく狭帯域の多位相発振器を用いる「高調波選択技術」を考案し採用したことで低消費電力化と広帯域化を実現したという。

5Gミリ波受信ICの回路規模と対応周波数帯域幅。本研究の受信ICは、回路規模を抑えたまま従来のチップに比べて広帯域動作を実現しているという

 研究グループは本受信ICにより、全世界で使用可能な小型グローバル5G端末が実現可能だといい、今後、低消費電力で5Gミリ波全帯域に対応する小型無線機の開発を図るとしている。