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園児バス置き去り防止にも。完全非接触のバイタルサイン検出システム

 国立大学法人 電気通信大学の孫光鎬准教授と昭和大学江東豊洲病院こどもセンターの阿部祥英センター長らの研究チームは、新生児集中治療室(NICU)での新生児モニタリング用として、医療用レーダーによるバイタルサインモニタリングシステムを開発した。

 新生児は呼吸や心拍が変動しやすく自分の症状や苦痛を表現できないため、バイタルサイン測定によって全身状態を把握することが重要となる。しかし、従来の測定は接触式のセンサーを用いるため、新生児へのストレスや、体動や啼泣による測定値の変動しやすさに課題があった。

 本システムは、24GHzの非接触医療用レーダーと、呼吸信号と心拍信号を分離する非線形フィルタ、心拍データを抽出するテンプレートマッチングアルゴリズム、さらに脈動を時系列で推定する適応型ピーク検出アルゴリズムを採用したもの。従来の接触式測定に迫る精度でありながら、完全非接触により新生児へのストレスが軽減できるという。

 同研究チームは本システムがNICUだけでなく、たとえばバス内で取り残された児童を検知するなどさまざまな場所での活用ができるとして、製品開発を共同で行なう企業を募集している。