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5千円以下のCO2センサー、過半数は粗悪品。電通大が警告

実験風景

 新型コロナウイルス感染拡大防止の一環として、換気の悪い密閉空間や人の密集を避けることが有効とされていることから、換気の目安として二酸化炭素(CO2)濃度の計測/可視化が注目されている。そのためCO2センサーも注目製品の1つとなっている。そういった中、国立大学法人電気通信大学の研究グループは10日、市販で5,000円以下の安価なCO2センサー12台を購入し、その測定結果を取りまとめ、報告した。

 実験では、大手ECサイトで購入したCO2センサー12台(価格帯は2,900~4,999円)と、T&D製の研究用センサーとCHCシステム製の産業用センサーを同時に利用。アクリル水槽にこれらのセンサーを封入し、水槽内部のCO2濃度を変化させて測定した。

 この結果、全体の25%のセンサーは低精度ながらもCO2に反応したが、67%は反応を示さない一方で、これら無反応なセンサーは全て消毒用アルコールに強く反応した。つまり、安価なセンサーの過半数がCO2濃度を正確に測定できない粗悪な製品であることがわかった。

 これらのセンサーは過小な値を表示してしまったり、逆に過大評価してしまうため、感染症対策に用いると、「過小評価だと換気すべきタイミングで換気できない」、「過大評価の繰り返しで利用者が表示を無視したり関心を示さなくなる(オオカミ少年効果)」といった危険性があるとした。

 研究グループでは、購入したセンサーがCO2濃度を正しく測定できているかを誰でも簡易的に確認できる方法として以下の3つを提案している。

  • 新鮮な空気の中で400ppm前後を表示するかどうかを確認。ずれている場合は換気モニターとして利用しないことを推奨
  • センサーに息を吹きかけたとき、濃度が取扱説明書に示された測定限界値まで上がることを確認する。もしすぐに反応しない場合は、透明なビニール袋にセンサーを入れて、その袋を呼気で膨らませて様子を見る。反応しない場合は換気モニターとして利用しないことを推奨
  • 消毒用アルコールを吹きかけた手をセンサーに近づけ、CO2濃度が上昇しないことを確認する。もし大幅に上昇した場合、CO2ではなくほかのガスに反応する疑似センサーが使われている可能性が高いため、換気モニターとして利用しないことを推奨