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わずか2%しかいない従来通りの働き方希望者。日本マイクロソフトがハイブリッドワーク向け新装オフィスを公開

日本マイクロソフトの品川本社の入口。コロナ禍以降、入口と出口を設定した

 日本マイクロソフトの品川本社オフィスが、2022年6月30日に改修プロジェクトを完了した。このリニューアルプロジェクトは、2018年からスタートしていたが、コロナ禍で体験した新しい働き方や、それによって得られた洞察を反映する形でリニューアル。生産性や創造性のさらなる向上と、より快適な職場環境の実現を目指したという。

 2011年2月に、都内に点在していたオフィスを統合する形で、品川本社オフィスに移転してから11年を経過。当時も最新テクノロジを活用し、2007年からスタートしていた在宅勤務制度に対応するなど、多様なワークスタイルに適用できるオフィスとして話題を集めた。フリーアドレスや多種多様な交流ゾーンを設けたほか、当初から、リモートワークができる環境を整備していたのが特徴だった。

 だが、今回のリニューアルによって、時代の変化に合わせながら、ハイブリッドワークを実践するオフィスへと生まれ変わったと言える。

エレベータホールの様子。各フロアで異なるデザインを施しているという
30階の受付の様子
30階のゲストフロアの様子。グリーンウォールには本物の草木を使用している
Microsoftのロゴが入ったグリーンウォールもある
Microsoftのミッションが書かれている
カーペットには墨で描いたようなデザインで進路を示している
通路の一部にはデザイナーによる作品が描かれている場所もある
トイレに至る通路部分もデザインされている
天井部はスケルトンとなっている
ゲストフロアの待合スペース。ここにもグリーンが使われている
ちょっとした打ち合わせが可能なようにソファが用意されている

 同社では、この取り組みを「品川2.0」と表現。ミーティングルームや執務エリアなどのすべてをハイブリッドルーム化し、オンラインで仕事を行なう環境では、最新テクノロジの活用により、テキスト化や多言語化技術を活用した議事録作成、AIを活用した感情判断、行動診断なども取り入れているという。

 日本マイクロソフトの社員を対象にした調査によると、「今後、どのように働きたいか」という設問に対しては、「従来通り」と答えた社員はわずか2%。「完全リモート」が35%、「ハイブリッドワーク」が63%を占めたという。

 今回のリニューアルにおいては、従来のスタイルに戻って働きたいという社員がほとんどいないことをベースに、これまでのオフィスの姿ではなく、物理空間をハイブリッドワーク時代に合わせて高度化し、さらにこれまで以上にオンラインの活用を高度化することに力を注いだという。

 日本マイクロソフトでは、改修プロジェクトの完了を前後して、政府の行動緩和に合わせるように、オフィスの利用制限を緩和。リニューアルしたオフィスでのイベントやセミナーの開催も可能になっている。

 だが、コロナ禍での完全オンライン開催によるノウハウの蓄積が行なわれたほか、参加者にもオンライン開催のメリットが浸透。多くのセミナーが引き続き、オンラインだけで開催されている状況であり、品川本社を訪れている人はまだ少ないと言えそうだ。

 ここにきて、オンライン開催をメインにしながらも、人数を絞ってセミナールームに参加者を入れるという形式のイベントが少しずつ増えている段階だという。

昇降が可能なテーブルと椅子を使った打ち合わせスペース
30階にはカフェを用意しており、お茶を飲みながら打ち合わせが可能だ
カフェのすべてのテーブルにコンセントが常設されている
業界ごとにMicrosoftの技術を紹介するインダストリーポッド
レーシングゲームのForza Horizon 4もプレイできる
ウェビナーなどのコンテンツの配信、収録が可能なスタジオを新設
スタジオは用途に応じて使い分けられるように3カ所用意されているという
最新のSurfaceなどを展示しているコーナー
ミーティングルームの様子。Teams Roomsを導入し、どこからでも参加できるハイブリッド会議を実現している
オープンスペースで会議が行なえるエリア
品川駅方向を一望できる部屋もある
ミーティングルームはAzureで管理。モニターの両側が緑色だと空室を示す
最新ソリューションのデモンストレーションなどが行なえるMicrosoft Technology Center
セミナーなどにも利用できるMicrosoft Innovation Center
デル・テクノロジーズなどとの協業でハイブリッドクラウド環境を体験できるDEJIMA(Dell Japan Intel Microsoft Azure)

 なお、2022年11月17日に予定している「ハイブリッドワーク2022シーズン2」は、Teamsライブイベントでの開催をメインにしながらも、本社のセミナールームに50席限定で参加を募り、ハイブリッド形式で実施する予定だ。現地参加者はリニューアルした本社のオフィス ツアーにも参加できるという。

 一方、日本マイクロソフトの記者会見は、毎月3、4回のペースで開催されているが、実はオフィスがリニューアルされてからは、本社でのリアル開催やハイブリッド開催は、まだ一度も行なわれておらず、年次イベントを除くと、すべて完全オンライン開催となっている。

 かつては月に何度も品川本社に足を運んでいたメディア関係者も、リニューアル後の本社に足を運んだケースはまだ少ないと言える。このほど、品川本社を訪ねる機会を得た。写真でその様子を紹介する。

 なお、執務室には入ることができなかったため、それらの部分については、日本マイクロソフトから提供してもらった写真で紹介している。

Phoneブースをゲストフロアにも配置している
30階のゲストフロアと31階のゲストフロアをつなぐ階段
31階もデザインを一新している
31階の受付の様子。30階の受付と基本デザインは同じだ
草木はフロアのあちこちに配置されている
ヘキサゴンエリアと呼ばれる待合スペース
大型スクリーンを使用して最新情報を提供している
テーマに分類したソリューション展示も行なっている
31階のゲストフロアの待合スペース
31階には数多くのミーティングルームがある
31階のミーティングルーム。この部屋は小規模の記者会見でも使われていた
日本マイクロソフトでは、広報チームの専用の部屋を用意している。取材などに利用する
ゲストフロアにはアート作品が飾られている
フロア内の案内表記もデザインされている
31階のセミナールームBの様子。ゲストフロアで最も大きな会議室だ
セミナールームの演台。最新の機材に入れ替えている
ホワイエには大きな壁画アートが描かれている
セミナールームの外はグリーンウォールとアート作品の組み合わせ
執務室の様子。仕事の内容によって席を選択できる
オープンな環境で仕事を行なえるエリアもある
社員がそれぞれのスタイルで仕事をしている
執務エリアにもPhoneブースを設置している
スペースを広く取り、仕事の合間にゲームをプレイすることもできる
デジタルデトックスルームの様子。気分転換ができる
アクティビティルームでは社員が運動してリフレッシュできる
瞑想することができる部屋も用意されている