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ブルーライトが有機ELの劣化を促進。トーヨーカラーが実証

 トーヨーカラー株式会社は28日、有機EL素子をブルーライトから保護することで、有機ELディスプレイの劣化を抑制できることを実証したと発表した。

 画質の高さからハイエンドスマートフォンやTVなどでの採用が進む有機ELディスプレイだが、特に青色素子の耐久性が低く、時間の経過とともに画質が劣化するため、液晶ディスプレイと比べて製品寿命が短いとされている。繰り返し素子が発光することや紫外線のほか、ブルーライトもその要因だと推定されていたが、影響があるかどうか証明されていなかった。

 今回同社は山形大学有機エレクトロニクスイノベーションセンター協力のもと、現行の有機ELディスプレイで用いられる円偏光板、汎用の紫外線吸収剤、同社のブルーライトカット剤を用いて青色有機EL素子をそれぞれ保護し、耐光性試験を実施。その結果、円偏光板のかわりに、紫外線吸収剤とブルーライトカット剤で保護することで、現行のものと比べて約60%駆動電圧の上昇を抑えられ、円偏光板レスの構造でも劣化が十分に抑制できることが分かったという。

 これにより、有機ELディスプレイ製品の寿命を延ばせるほか、より過酷な環境での採用、円偏光板レス構造によるフォルダブル/ローラブル端末での活用などが期待できるとしている。