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NHK、有機EL素子寿命に影響する分子特性を特定
2017年5月11日 19:48
NHK放送研究所は11日、有機ELの素子寿命に影響する材料物性を特定したと発表した。
NHKは超薄型/軽量で持ち運びに便利なフレキシブルディスプレイの実現に向け、発光効率の高いリン光材料を使った有機EL素子の研究開発を進めてきており、これまで、素子の長寿命化と低コスト化を実現する開発を行なってきた。
有機EL素子の発光層は、電気エネルギーを作り出すホスト材料と、電気エネルギーを受け取って発光するリン光材料で構成されている。これまで、高発光効率の素子について多数報告されてきたが、長寿命化に適したホスト材料に関する分子構造の指針は得られていなかった。
今回、素子寿命が異なる複数の有機EL素子を用いて、ホスト材料の分子構造を調べた結果、最大分子半径が小さい材料ほど長寿命であることがわかった。これは、電流で生成した電気エネルギーが、不安定な状態のホスト材料からリン光材料に渡される際、中心間距離が短いほうが短時間で行なわれ、ホスト材料の劣化が抑えられたためという。
これにより、分子半径の小さいホスト材料が長寿命化に適しているという明確な材料設計の指針が得られたとし、これまで長寿命化が困難とされていた青色素子用のホスト材料の開発、および早期実用化を実現できるとしている。
