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Microsoft、599ドルからのSurface Laptop Go 2。CPU強化し新色も
2022年6月1日 22:00
米Microsoftは1日(現地時間)、安価なモバイルノート「Surface Laptop Go 2」を発表した。米国では本日より予約開始され、6月7日から販売開始。最廉価なモデルは599ドル(日本円でおよそ7万7千円)となっている。
CPUが第11世代Coreに強化され、CPU、GPUとも大きく性能が向上
Surface Laptop Goは、2020年10月1日に発表され、Surfaceシリーズのクラムシェル版となるSurface Laptopの中で廉価版と位置付けられる製品。12.45型のPixelSenseディスプレイ(1,536×1,024ドット)、Ice Lake版の第10世代Coreプロセッサを搭載し、重量が1.11kgというスペックで、赤外線カメラによる顔認証やキーボードバックライトなどを省略することでコストダウンを実現し、最小構成で549ドルという低価格な設定がされていることが大きな特徴になっていた。
今回発表されたSurface Laptop Go 2もその大枠は変わっていない。縦横のサイズが少し変わっているものの、重量と底面積はほぼ同じで、ディスプレイは12.4型のPixelSenseディスプレイ(1,536×1,024ドット、10点マルチタッチ対応)という点も同様だ。
なお、Surface Laptop Goの発表時も正確には12.45型だが、マーケティング上は12.4型として表記されると注意書きされていた。Surface Laptop Go 2も同様だと考えられるが、Microsoftの公式発表では12.4型とだけしか書かれていないので、以下12.4型と表記する。実際にはどちらも同じパネルサイズである可能性が高い。
Surface Laptop Go 2 | Surface Laptop Go | |
---|---|---|
CPU | Core i5-1135G7(4コア/8スレッド) | Core i5-1035G1(4コア/8スレッド) |
GPU | Intel Iris Xe Graphics(Xe、80EU) | Intel UHD Graphics(Gen11、32EU) |
メモリ | 4GB/8GB/16GB(法人のみ)、LPDDR4x | 4GB/8GB/16GB(法人のみ)、LPDDR4x |
ストレージ | 128GB/256GB(SSD) | 64GB(eMMC)または128GB/256GB(SSD) |
ディスプレイ | 12.4型(1,536×1,024ドット、アスペクト比3:2) | 12.4型(1,536×1,024ドット、アスペクト比3:2) |
タッチ/ペン | タッチ/- | タッチ/- |
Webカメラ | 720p HD | 720p HD |
USB-A | 1 | 1 |
USB Type-C(USB 3.0 or 3.1) | 1 | 1 |
オーディオ | 3.5mmジャック | 3.5mmジャック |
マイク | ファーフィードマイク(デュアルアレイ) | ファーフィードマイク(デュアルアレイ) |
その他ポート | Surface Connect | Surface Connect |
Wi-Fi | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 6 |
Bluetooth | Bluetooth 5.1 | Bluetooth 5.0 |
センサー | 環境光センサー | 環境光センサー |
指紋認証 | 電源ボタンに内蔵 | 電源ボタンに内蔵 |
キーボード | フルサイズキーボード | フルサイズキーボード |
ポインティングデバイス | 高精度タッチパッド | 高精度タッチパッド |
ACアダプタ | 39W(急速充電対応:1時間で80%) | 39W(急速充電対応:1時間で80%) |
バッテリ | 容量非公表/13.5時間駆動(公称) | 容量非公表/13時間駆動(公称) |
CRU | ABカバー/Cカバー/SSD/Feet/SurfLinkケーブル(法人向けのみ) | - |
FRU | バッテリ(法人向けのみ) | - |
カラー | セージ/アイスブルー/サンドストーン/プラチナ | アイスブルー/サンドストーン/プラチナ |
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 278.13×204.25×15.75mm | 278.18×205.67×15.69mm |
重量 | 1.1127kg | 1.11kg |
Secured-core PC | 対応(法人向け) | - |
OS | Windows 11 Home(個人向け) Windows 10/11 Pro(法人向け) | Windows 10 Home(Sモード) |
最大の強化点は、搭載されているCPUが第11世代Coreへと変更されている点だ。初代Surface Laptop Goでは第10世代のCore i5-1035G1が搭載されていたのに対して、Surface Laptop Go 2では第11世代のCore i5-1135G7へと強化されている。どちらもCPUは4コア/8スレッドだが、Core i5-1135G7はTurbo Boost時の最大クロック周波数が4.2GHz(Core i5-1035G1は3.6GHz)、L3キャッシュが8MB(同6MB)になっている。
さらに内蔵されているGPUも大きく変わり、Core i5-1035G1はGen 11ベースのUHD Graphicsであるのに対して、Core i5-1135G7はXeアーキテクチャベースのIris Xe Graphicsへと強化されており、アーキテクチャの観点でも大きな進化を遂げている。GPUの性能を左右するEU(Execution Unit)の数も32基から80基へと大幅に増やされており、従来製品からGPU性能が大きく引き上げられている。
メモリはLPDDR4xで、一般消費者向けが4GBと8GB、法人向けはそれに加えて16GBのモデルが用意される。ストレージは従来モデルで採用されていた64GB eMMCがなくなり、128GB SSDないしは256GB SSDのどちらかが搭載されるようになる。
このため最廉価モデルの構成は、従来モデルがCore i5/4GB/64GB eMMCだったのに対し、Surface Laptop Go 2ではCore i5/4GB/128GB SSDになる。このような理由から、最廉価モデルの価格が初代の549ドルから599ドルに引き上げられていると考えられる。
無線周りやポートなどもほぼ同じになっているが、Bluetoothは5.1に対応した。USB Standard A、USB Type-C、3.5mmのオーディオジャック、Surface Connectが各1ポートという構成や、Wi-Fi 6に対応する点などは変わっていない。
キーボードや高精度タッチパッドに関しても前モデル同様で、指紋認証が電源ボタン一体型なのも変わらない。従来モデルと同じように、最小構成(今回はCore i5/4GB/128GB SSDのモデル)では指紋センサーは省略される。
カラーバリエーションは従来モデルと同じアイスブルー、サンドストーン、プラチナの3色のほか、新しくセージというグリーン系の色が追加される。
法人向け製品ではディスプレイ、キーボード、SSDを自分で交換可能に
法人向け製品では、CRU(Customer Replaceable Unit、顧客が交換できる部品)、FRU(Field Replaceable Unit、メーカー認定の技術者がオンサイトで交換できる部品)の仕組みが投入されている。
CRUは、法人のサービス担当者などが、メーカーの提供するサービスガイドを参照しながら交換できる部品などのことで、LenovoのThinkPadシリーズや、DellのLatitudeシリーズなどの法人向けPCで一般的に導入されている仕組みだ。CRUの部品が故障した場合、あらかじめストックしておいた部品を法人のサービス担当者が交換することで、PCが使えない時間を最小化できる。
FRUは、その交換を行なえるのがメーカーの認定したサービス事業者やメーカーエンジニアのみに限られる部品のことで、オンサイトサポート時などに交換できる部品という意味になる。
今回のSurface Laptop Go 2では、ABカバー(ディスプレイアッシー)、Cカバー(キーボードやタッチパッドなど)、Feet(底面カバーのゴム足)、SSD、SurfLinkケーブル(基板とSurface Connect端子を接続するケーブルのことだと思われる)などがCRUの指定になっており、ディスプレイ、キーボード、ストレージなどが故障した場合には、法人がMicrosoftのサービスガイドを参照しながら交換することが可能になる。バッテリはFRUに指定されており、Microsoftの認定サービス担当者などによりオンサイトで交換できる。
一般消費者向けのモデルはCRUやFRUの対象ではないが、構造はまったく同様だと思われるので、今後Microsoftが配布するサービスガイドを参照すると、容易に分解してSSDを交換可能になると考えられる。繰り返しになるが、一般消費者向けモデルはCRU/FRUの対象外になるので、分解するとメーカー保証の対象外になる。しかし、保証が切れた後にストレージを交換したいといったケースにおいて、容易に作業できるようになる可能性が高いのは歓迎してよいだろう。
OSは一般消費者向けモデルがWindows 11 Home、法人向けのモデルがWindows 11 ProないしはWindows 10 Proになる。法人向けモデルはSecured-core PCに対応しており、最初からVBSやHVCI、DRTMなどWindows 11のセキュリティ強化機能が有効になっている。
Microsoftによれば、IntelベースのSurfaceでSecured-core PCに対応したのは本製品が初めてになるという(AMDやQualcommのSoCを搭載した製品では、既に対応製品がリリースされている)。
現時点ではMicrosoftの日本法人である日本マイクロソフトからの発表はないが、日本でも販売される可能性は高く、同社の正式発表を待ちたいところだ。