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性能が5倍になった「Raspberry Pi Zero 2 W」
2021年10月28日 17:45
英Raspberry Pi LTDは28日(現地時間)、無線LANを搭載した「Raspberry Pi Zero 2 W」を発表した。価格は15ドルで、本日より英国をはじめとするEU、米国、カナダ、香港で発売される。ニュージランドおよびオーストラリアでは11月初旬に発売。残念ながら半導体不足の影響により、年末までには20万台、2022年上半期には25万台しか出荷する予定が立っていない。
5ドルの小型ワンボードコンピュータ「Raspberry Pi Zero」出荷から6年目を迎え、出荷数は400万台を達成した。今回投入されるRaspberry Pi Zero 2 WはZeroのフォームファクタにより高い性能をもたらす。
CPUはRaspberry Pi 3と同じBroadcomの「BCM2710A1」を採用し、動作クロックを1GHzに抑えた。ZeroではARM11アーキテクチャのBCM2835を採用しており、マルチスレッド性能を計測するsysbenchで、Zero 2 Wは実にZeroの5倍の性能を達成した。
実装スペースを抑えるために、512MBのLPDDR2 SDRAMをCPUのダイの上に載せてシングルパッケージとした。Zeroでも同様の手法を用いていたが、この時はPoP(Package-on-Package)技術で、CPUのパッケージの上にメモリのパッケージを乗せて1つのサブストレートに実装するものであった。一方で今回のものはCPUであるBCM2710A1と、Micronのメモリのダイを1つのパッケージにしており、デカップリングコンデンサによりスムーズなコア電圧供給を実現している。
Raspberry Pi自身がパッケージングを行なうことで、パッケージのボールアウトをRaspberry Piのロゴにすることができた。同社は「最も小さいRaspberry Piロゴではないが、最も低解像度なRaspberry Piロゴだ」としている。プロセッサの名前は「RP3A0」となっている。
GPUはOpenGL ES 1.1/2.0をサポートするほか、H.264 MEPG-4デコーダ、H.264エンコーダ(いずれも1080p30)を備える。コンポジットビデオとリセットピンはハンダポイントとして用意される。
基板にも工夫をこらし、銅箔層を設けることでプロセッサの放熱を強化。従来のZero Wと手にして比べてみると明らかに重量の違いを感じられるという。このほか、シールドされた無線モジュールによるIEEE 802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.2+LE、1基のUSB 2.0 OTG、microSDカードスロット、CSI-2カメラコネクタなどを備える。
同時に、2.5A出力可能な公式Micro USB ACアダプタ「BS 1363 FTW」も発表された。