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モデルナ、季節性インフルエンザのmRNAワクチンを臨床試験開始

 米Moderna(モデルナ)は7日(現地時間)、季節性インフルエンザに対応するmRNAワクチン候補である「mRNA-1010」の第1/2相試験を開始したと発表した。

 18歳以上の健康な成人を対象とした臨床試験で、mRNA-1010の安全性や反応原性、免疫原性などを検証する。

 季節性インフルエンザ(A型とB型)は呼吸器疾患を引き起こし、医療システムに大きな負担をかけている。WHOによれば、インフルエンザに関連すると思われる呼吸器疾患による死亡者数はおよそ29万から65万人と推定されており、米国における平均の経済的負担は年間約110億ドルに達するという予測もある。

 既存のインフルエンザワクチンの有効性は40~60%程度にとどまっているほか、製造は卵がベースとなっており、意図しない抗原性の変化を引き起こす可能性がある。一方、mRNAワクチンは異なる抗原を組み合わせて、複数のウイルスから保護できる機能をもたせられる(混合ワクチン)ほか、インフルエンザ、SARS-CoV-2、RSウイルスといったウイルスの進化に迅速に対応できると期待されている。