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Rocket Lake-Sこと第11世代Coreデスクトップ・プロセッサが正式発表

 Intelは17日、コードネームRocket Lake-Sで知られる第11世代Coreデスクトップ・プロセッサを正式発表した。

 Rocket Lake-Sは、モバイル向けのIce LakeのCPUコア「Sunny Cove」をベースとした「Cypress Cove」で、10nmプロセスで製造されるSunny Coveを、14nmプロセスにバックポートしたものとなる。このため、IPC(クロックあたりの命令実行数)は最大19%改善し、多くのアプリケーションにおいて性能向上が見込める。

 加えて、新たにAVX-512命令をサポートするほか、ディープラーニングを高速化するVNNIをサポート。これらを駆使する最新のゲームタイトルや、ビデオ会議におけるAIによる音声のバックグラウンドノイズ除去などの処理を、高速かつ効率的に行なえるようになった。

 一方でGPUもXeベースとなり、性能が50%向上した。ただしEU数は、モバイル向けのTiger Lakeが最大96基になっているのに対し、Rocket Lake-Sでは最大32基に限定しているため、ブランドとしてはXeではなく「Intel UHD Graphics 750」となっている。

第11世代Core Sシリーズのおもな特徴
IPCが最大19%向上したほか、GPUも改善。AVX-512やVNNIもサポートした
Core i9-11900KはCore i9-10900Kと比較してゲームでおおむね10%高速
競合のRyzen 9 5900Xと比較しても優位性があるとしている
Core i5-11600KとCore i5-10600Kの比較でも性能向上を果たした
代表的なワークロードで、第10世代Coreよりも高速
競合のRyzen 9 5900Xと比較しても高い性能を発揮するという

 メモリはDDR4-3200またはDDR4-2933に対応。このうち最上位のCore i9-11900K(F)のみ、メモリコントローラも3,200MHzで動作する「Gear 1」に対応し、残りのSKUはメモリコントローラが1,600MHzで動作する「Gear 2」にてDDR4-3200に対応。一方、DDR4-2933はどのSKUもメモリコントローラが同クロックで動作するGear 1対応となる。

 対応チップセットはIntel 500シリーズで、Z590/H570/B560の3ラインナップ。今回からメモリのオーバークロック機能を強化しており、Intel XTUからクロックやタイミングの変更を再起動せずに行なえるようになった(500シリーズ+Comet Lakeの組み合わせでも利用可)。加えて、新たにH570/B560でもメモリのオーバークロック機能を解放した。

 なお、CPU-チップセット間の接続はDMI Gen 3.0 x8となり、従来からバス幅が倍増した。既報のとおりIntel Z490でもBIOSが対応すればRocket Lake-Sが使用可能だが、マザーボードの結線自体がDMI 3.0 x4接続となっているため、性能をフルに発揮できない。

対応するIntel 500シリーズチップセット。USB 3.2 Gen2x2対応のほか、DMI Gen 3.0 x8でCPUとの通信帯域が2倍に
オーバークロック向けのXTUの強化。500シリーズでは第11世代だけでなく第10世代Coreでも、メモリのリアルタイムクロック変更が可能になる
H570とB560にもメモリのオーバークロック機能を解放した

 また、CPUからはPCI Express 4.0が20レーン出ているが、このうち16レーンはビデオカード、4レーンはNVMe SSDの接続を想定していて、Z490ではこのNVMe SSD用の4レーンが出ていない。さらに、4.0に対応できるかどうかはマザーボードの設計次第となり、Intelとしては機能を保証していない。

 なお、Rocket Lake-SはCore i9/i7/i5のみラインナップされており、Core i3/Pentium/CeleronについてはComet Lake改良版(名前は第10世代)を同時にリリースするこで下位を補完するかたち。

第11世代Core i9/i7のラインナップ
第11世代Core i5のラインナップ
第10世代Core i3/Pentiumも刷新した
【表】第11世代Coreデスクトップ・プロセッサの仕様
プロセッサ・ナンバーベースクロックTurbo Boost 2.0Turbo Boost Max 3.0All Core TurboThermal Velocity Boost Single/All Core TurboコアスレッドスマートキャッシュTDPアンロック対応GPU1,000個ロット時の単価
i9-11900K3.5GHz5.1GHz5.2GHz4.7GHz5.3/4.8GHz81616MB125WUHD Graphuics 750539ドル
i9-11900KF3.5GHz5.1GHz5.2GHz4.7GHz5.3/4.8GHz81616MB125W×513ドル
i9-119002.5GHz5GHz5.1GHz4.6GHz5.2/4.7GHz81616MB65W×UHD Graphuics 750439ドル
i9-11900F2.5GHz5GHz5.1GHz4.6GHz5.2/4.7GHz81616MB65W××422ドル
i9-11900T1.5GHz4.8GHz4.9GHz3.7GHz-81616MB35W×UHD Graphuics 750439ドル
i7-11700K3.6GHz4.9GHz5GHz4.6GHz-81616MB125WUHD Graphuics 750399ドル
i7-11700KF3.6GHz4.9GHz5GHz4.6GHz-81616MB125W×374ドル
i7-117002.5GHz4.8GHz4.9GHz4.4GHz-81616MB65W×UHD Graphuics 750323ドル
i7-11700F2.5GHz4.8GHz4.9GHz4.4GHz-81616MB65W××298ドル
i7-11700T1.5GHz4.5GHz4.6GHz3.6GHz-81616MB35W×UHD Graphuics 750323ドル
i5-11600K3.9GHz4.9GHz-4.6GHz-61212MB125WUHD Graphuics 750262ドル
i5-11600KF3.9GHz4.9GHz-4.6GHz-61212MB125W×237ドル
i5-116002.8GHz4.8GHz-4.3GHz-61212MB65W×UHD Graphuics 750213ドル
i5-11600T1.7GHz4.1GHz-3.5GHz-61212MB35W×UHD Graphuics 750213ドル
i5-115002.7GHz4.6GHz-4.2GHz-61212MB65W×UHD Graphuics 750192ドル
i5-11500T1.5GHz3.9GHz-3.4GHz-61212MB35W×UHD Graphuics 750192ドル
i5-114002.6GHz4.5GHz-4.2GHz-61212MB65W×UHD Graphuics 750182ドル
i5-11400F2.6GHz4.5GHz-4.2GHz-61212MB65W××157ドル
i5-11400T1.3GHz3.7GHz-3.3GHz-61212MB35W×UHD Graphuics 750182ドル
【表】同時発表の第10世代Coreデスクトップ・プロセッサ
プロセッサ・ナンバーベースクロックTurbo Boost 2.0Turbo Boost Max 3.0All Core TurboThermal Velocity Boost Single/All Core TurboコアスレッドスマートキャッシュTDPアンロック対応GPU1,000個ロット時の単価
i3-103253.9GHz4.7GHz-4.5GHz-488MB65W×UHD Graphics 630154ドル
i3-103053.8GHz4.6GHz-4.3GHz-488MB65W×UHD Graphics 630143ドル
i3-10305T3GHz4GHz-3.7GHz-488MB35W×UHD Graphics 630143ドル
i3-101053.7GHz4.4GHz-4.2GHz-488MB65W×UHD Graphics 630122ドル
i3-10105F3.7GHz4.4GHz-4.2GHz-488MB65W××97ドル
i3-10105T3GHz3.9GHz-3.6GHz-488MB35W×UHD Graphics 630122ドル
Pentium Gold G66054.3GHz----244MB65W×UHD Graphics 63086ドル
Pentium Gold G65054.2GHz----244MB65W×UHD Graphics 63075ドル
Pentium Gold G6505T3.6GHz----244MB35W×UHD Graphics 63075ドル
Pentium Gold G64054.1GHz----244MB65W×UHD Graphics 63064ドル
Pentium Gold G6405T3.5GHz----244MB35W×UHD Graphics 63064ドル