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Ryzenよりも高性能と第11世代Coreをアピール。「インテル PC FES 2020」が開催中

 インテル株式会社は9月25日~27日にかけて、新しい第11世代Coreプロセッサの性能をビジネスやクリエイティブ、ゲーミングといったさまざまな面でアピールするオンラインイベント「インテル PC FES 2020」を開催している。午前11時から開始されたオープニング・セミナーでは、まず今回の開催主旨でもあるTiger Lakeこと、第11世代Coreプロセッサの機能が紹介された。

インテル株式会社 技術本部 部長 工学博士の安生健一朗氏

 すでに本誌でも取り上げているように、第11世代Coreプロセッサでは、新しい「10nm SuperFin」という製造技術を採用しており(第11世代Core「Tiger Lake」の新要素まとめ参照)、前世代のIce Lakeよりも20%性能が向上しているとする。また、内蔵GPUも新しい「Xeグラフィックス」へと刷新されたことで、これまでのモバイルノートパソコンでは不可能だった。3Dゲームの快適なプレイが実現されており、オープニング・セミナーではこの点が強く訴求されていた。

 技術的な内容については下記の記事が詳しいのでそちらを参照いただきたい。

 第11世代Coreプロセッサについては、インテル株式会社 技術本部 部長 工学博士の安生健一朗氏が登壇して解説。また、Project Athenaから仕様要件の向上とともに名称を変えた「Evoプラットフォーム」についても、同プラットフォームに準拠したノートパソコンにどういった点でメリットがあるのかを説明した。

第11世代Coreプロセッサの特徴
第11世代Coreプロセッサに搭載されているIris Xeグラフィックス
Evoプラットフォームの特徴
Evoプラットフォームの必要要件

 とくに性能解説では競合であるAMDの第3世代のRyzen 7 4800Uを引き合いに出し、第11世代CoreのCore i7-1185G7がCPUおよびGPU性能で勝っていることを実アプリのデータをもとにアピールが行なわれた。

Core i7-1185G7とRyzen 7 4800Uの実用面での性能比較
Core i7-1185G7とRyzen 7 4800Uのゲームでのフレームレートの差

 安生氏はIris XeグラフィックスによってGPU性能が飛躍的に向上したことから、モバイルノートユーザーでも3Dゲームを遊べることを実感してほしいとし、ゲーム/パソコンメーカーとともにゲームタイトルの検証を行ない、実際にIrix Xeグラフィクスで動作する認証済みタイトルおよび検証済みパソコンを紹介する取り組みを行なっていることを説明した。検証が行なわれたタイトルについては検証サポートプログラムのページで確認できる。

インテル Irix Xeグラフィクス検証サポートプログラム
検証サポートプログラムに現在参加しているゲームメーカー
国内の認証済みタイトル
海外の認証済みタイトル

 また、第11世代Coreプロセッサ利用可能なAI機能についても解説。第11世代Coreプロセッサではディープラーニングの推論処理を加速するDL(Deep Learning)ブーストが利用でき、「VNNI(Vector Neural Network Instructions)」、「DP4a(Data Platform for Analytics)」、「GNA 2.0(Gaussian & Neural Accelerator)」でアプリの動作に応じたエンジンで処理が可能。Intelの開発キット「OpenVINO」でソフトウェアベンダーが適切に実装することにより、動画のエンコード処理や画像処理などを高速に行なえるようになっている。

第11世代CoreではAI推論処理を高速に処理できる
Core i7-1185G7とRyzen 7 4800Uでの推論処理の差

 安生氏は、第11世代Coreを搭載するEvoプラットフォームのノートパソコンが登場することによって、今までの薄型軽量ノートパソコンではできなかった処理が可能になると改めて強調。いつでもどこでもクリエイションやゲーミングといった作業をバッテリ残量を気にすることなく実行できるとし、各社から登場予定の対応ノートパソコンに期待してほしいとした。

 インテル PC FES 2020で実施されているそのほかのプログラムについては、特設ページを確認されたい。