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Unreal Engine 5を使ったPS5デモ動画が公開
2020年5月14日 15:47
Epic Gamesは12日、同社が開発中のゲームエンジン「Unreal Engine 5(UE5)」を発表し、PlayStation 5(PS5)で動作するリアルタイムデモを公開した。現行のUnreal Engine 4(UE4)と同様に、PS5やXbox Series Xなどといった次世代ゲーム機に加え、現世代のゲーム機やPC/Mac/iOS/Androidをサポートする。
公開されたデモではおもに、新バージョンで利用可能となる「Nanite」と「Lumen」の2つの技術が紹介された。
仮想化マイクロポリゴンジオメトリのNaniteは、アートアセットを直接使える技術。映画などで用いられるような非常に高品質なアセットや自身で作成したモデルなどを品質を低下させずそのままインポートできるもので、ノーマルマッピングやLODといった最適化処理を事前に行なう必要がなくなるという。デモ内では、Naniteによって数千から数億ポリゴンの高ポリゴンアセットが使用されており、Naniteがそれらを描画ポリゴンに変換している。
Lumenは動的なグローバルイルミネーションを実現する技術で、光の拡散や鏡面反射などといった表現を数mm~数kmメートル単位でレイトレーシング用ハードウェアを使わず行なえる。光源やシーンの変化に即座に適応でき、ライトマップのベイクなどが必要なくなるという。デモでは、太陽の位置や天井が壊れるのに応じて、光の表現が変化する様子が確認できる。
加えてデモ内では、実際の空間で計測した音の反響特性をUnreal Engine内で再現可能にする「Convolution Reverb」や、パーティクル同士の動きや周辺環境に反応できるようになった「Niagara VFX」、物理シミュレーションシステム「Chaos」、改善されたアニメーションシステムなど、既存の機能についてもあわせて紹介されている。
UE5は、2021年はじめにはプレビュー版が公開される予定で、正式版のリリースは2021年後半の見込み。UE4との互換性も保たれるとしており、現時点で開発しているコンテンツも移行できるという。同社のシューティングゲーム「Fortnite」についても、2021年の中頃には開発環境をUE5へ移行するとしている。
そのほか、粗利益が100万ドルを超えるまでは使用時のロイヤリティを免除する(2020年1月まで遡って適用)といったライセンス条項の変更や、PCや各種ゲーム機、スマートフォンなどをまたいだクロスプラットフォーム対応のネットワークサービスを無料で提供する「Epic Online Services」の開始などについても発表している。