ニュース
Intel派もAMD派も最新トレンドをチェック!“拡張性の決め手”マザーボードはこう選べ
2020年4月4日 11:00
マザーボードは自作PCにおける花形製品ながら、性能面への影響が少ないこともあって、ブランドやシリーズなどで“なんとなく”で選んでいる方も多いのではないだろうか。しかし、急速にCPUのコア数が増え、NVMe SSDが一般化してきた昨今、マザーボードの選択基準にも明確な変化が起きている。2020年春のマザーボード選びの基礎知識について解説しよう。(TEXT:マルオマサト)
CPUが決まれば次はマザーボード選び
CPUはマザーボード上の「CPUソケット」に挿して使う。そのCPUソケットは、Intelの第9世代Coreシリーズなら「LGA1151」、AMDの第3世代Ryzenシリーズならば「Socket AM4」と決まっており、マザーボードはそれぞれ対応ソケットを搭載した製品の中から選ぶことになる。
マザーボード選びの際にCPUソケットとともに最初に意識したいのが「チップセット」だ。マザーボードの多くの機能は、CPUとこのチップセットが内蔵するものに集約されている。チップセットの性格、位置付けを理解すると製品選びがスムーズに進むだろう。
マザーボードには「フォームファクター」というサイズの規格があることも覚えておこう。現在の主流は「ATX」で、それよりも小型な「microATX」、17cm角とさらに小さい「Mini-ITX」などがある。PCケースはこのフォームファクターに合ったものを選ぶ必要があることを覚えておこう。
第9世代Coreシリーズを選んだアナタは「LGA1151」
Intelの第9世代Coreシリーズ向けには、Intel 300シリーズチップセットが用意されている。自作PCでお勧めなのは主力のZ390チップセットだ。拡張性が高く、OC機能にも対応していて自由度の高い構成が可能だ。このほかでは、OC機能や一部拡張性が省かれたH370、ビジネス向け廉価版のB360、激安だが制限の多いH310などがある。
- アンロックCPUのオーバークロックが可能
- M.2スロットが多く使える
- 高速なUSB 3.1を6基サポート
チップセットはZ390がオススメ
マザーボードの対応インターフェースと数をチェック
マザーボード選びで重要な、対応パーツの規格やインターフェースなどをチェックしよう。多くの機能はチップセットによって提供されているので、チップセットを選んだ時点で自動的に決まっている部分もあるが、あえてコストダウンのために一部機能を省いたり、別途コントローラチップなどを追加して拡張したりしている場合もある。
製品によって差があるのはM.2スロット。ハイエンドは3基、ミドルレンジは2基、廉価版は1基というのが相場だが、インターフェースとしてSerial ATAとPCI Express 3.0 x4(または4.0 x4)の両方が配線されている場合もあれば、どちらかが省かれている場合もある。複数使う予定ならソケットそれぞれのインターフェースを確認しておきたい。
USBの規格やポート数も製品ごとに差がある。Z390やX570はチップセットレベルでUSB 3.1に対応しており、ミドルレンジ以上はType-CとType-A両方のUSB 3.1を少なくとも1基ずつは搭載している。
マザーボード各部の説明 | |
---|---|
拡張スロット | ビデオカードや拡張カード型のSSDを装着できる。PCI Express 4.0対応かどうか、ビデオカード用以外にx8やx4で動作するスロットがあるかなどをチェックしたい |
M.2スロット | M.2 SSDを装着するためのスロット。ミドルレンジは2基が一般的だが、ハイエンドでは3基搭載するものも。PCI ExpressとSerial ATA 3.0の両方使えるものがある |
Serial ATA 3.0 | Serial ATA 3.0は、2.5インチSSD/HDD、光学ドライブなどの接続に使われるインターフェース。ハイエンド~ミドルレンジでは6基、廉価版では4基が標準 |
CPUソケット | CPUを装着するソケット。IntelにはLGA1151(第9世代Core用)、LGA2066(Core-X用)。AMDにはSocket AM4(Ryzen用)、Socket sTRX4(Ryzen Threadripper用)といった種類がある |
メモリスロット | メモリを装着するソケット。本数はウルトラハイエンドクラスでは8本、ハイエンド~ミドルで4本が定番だが、低価格製品や小型製品では2本のものもある |
バックパネル各部の説明 | |
---|---|
無線LANアンテナ | ハイエンド製品や小型製品では無線LAN/Bluetooth機能を搭載した製品も多い。こうした製品には無線LAN用のアンテナが付属しており、バックパネルにアンテナ端子がある。無線LAN規格は最新のWi-Fi 6(IEEE802.11ax)対応が増加中 |
USB Type-A | 速度の違いでUSB 3.1(10Gbps)、USB 3.0(5Gbps)、USB 2.0(480Mbps)と3種類ある。USB 3.1は赤色、3.0は青色であることが多い |
有線LAN | 1000BASE-T対応を1基が定番だがハイエンド製品ではより高速な規格(10GBASE-T/5GBASE-T/2.5GBASE-T)に対応する製品も増えてきた |
USB Type-C | USBの新コネクタ。上下の向きがないリバーシブル仕様。USB 3.1(10Gbps)、USB 3.0(5Gbps)のほか、ハイエンドではUSB 3.2 Gen 2x2(20Gbps)やThunderbolt 3(最大40Gbps)に対応する製品もある |
まだまだあるマザーボードの注目ポイント
メーカー独自ツールで使い勝手がアップ
メーカー各社は独自のユーティリティを用意しており、これらを活用することで自作PCをより便利に使うことができる。実用性の高い定番はファンコントロールツールで、CPUクーラーのファンやケースファンを負荷に応じて自動制御してくれたり、手動で設定をカスタマイズすることが可能。最新ドライバやUEFIの更新をオンラインで検出してアップデートしてくれるツールも便利だ。
DOS/V POWER REPORT 2020年春号では「PC自作のキホン」と題し、PC自作の“今”をふんだんに盛り込んだ自作入門特集を掲載している。2020年春号ではこのほか、巻頭企画「Threadripper 3990Xのトリセツ」、第2特集「鬼コスパゲーミングPC作成術」などを掲載。さらに160ページの豪華付録小冊子「PC自作用語辞典」も付属し、PC自作初心者から上級者までマストバイの1冊です。