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国産スパコン「富岳」のプロトタイプが消費電力性能ランキングで世界1位に

富士通開発の「A64FX」

 富士通株式会社理化学研究所は、共同開発中のスパコン「富岳(ふがく)」のプロトタイプが、スパコン消費電力性能ランキングのGreen500において、世界1位を獲得したと発表した。

 Green500は1Wあたりの性能を測るランキングで、結果は毎年6月と11月に発表されている。今回の11月の結果において富岳が1位となり、2位は日本のPEZY ComputingとExascalerのNA-1、3位はIBMのAiMOSだった(Green500のリスト)。

 富岳には、富士通による世界初開発のArm SVE(Scalable Vector Extension)命令をサポートした「A64FX」が768基搭載されており、ピーク性能として2.3593PFLOPSを実現。LINPACK(連立一次方程式の計算速度)は1.9995PFLOPSで、1Wあたりの性能は16.876GFLOPS/Wを達成した。なお、2位のNA-1は16.256GFLOPS/Wだった。

 富士通は、今後も富岳の完成に向けて、システムの製造と設置を進めていくとのこと。また、富岳の開発で培った技術を活かして開発した商用スパコンの「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000」および「PRIMEHPC FX700」も用意しており、多くの顧客に消費電力性能に優れるシステムを提供していくとしている。