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日本市場向けの7型2in1「OneMix2S」、5月31日に発売

~さくらピンクも登場

 株式会社テックワンは、ONE-NETBOOK Technology製の7型2in1 UMPC「OneMix2S」を5月31日に発売する。価格はオープンプライスで、税別店頭予想価格は95,000円前後の見込み。

 本日より予約受付開始しており、週末にもヨドバシカメラやビックカメラといった家電量販店の店頭に展示機が並ぶ予定。

 今回テックワンが販売するOneMix2Sの日本国内正規版は、技適やPSEといった日本国内の認証を取得しているほか、専用のスタイラスがあらかじめ同梱される。加えて、WPS Officeスタンダード版が付属しているため、購入後すぐに使用できるパッケージとなる。さらに、国内で1年間の保証が付属し、サポートを受けられる。

 おもな仕様は、CPUにCore m3-8100Y、メモリ8GB、256GB PCI Express SSD、1,920×1,200ドット表示対応7型液晶ディスプレイ、OSにWindows 10 Homeなどを搭載する。

 インターフェイスは、USB 3.0×2(うち1基はType-CでUSB PD 2.0対応)、microSDカードリーダ、Micro HDMI、IEEE 802.11ac対応無線LAN、Bluetooth 4.2、音声入出力などを搭載する。

 バッテリは6,500mAhで、駆動時間は8~10時間。本体サイズは182×110×17mm(幅×奥行き×高さ)、重量は515g。

 本機をベースに筐体をピンク色とした「さくらピンクエディション」も6月上旬に発売予定。想定価格は通常版と同じ。さらに直販限定で、赤い筐体で512GBのSSDを搭載した「Koi Edition」、およびCore i7-8500Y搭載の「Platinum Edition」も発売する予定としている。

OneMix2S
6月上旬に発売予定のさくらピンクエディション
天板には猫のシルエットがあしらわれている
技適も取得済み
直販専用のKoi Edition

働き方改革にぴったり。7月末には8.4型の「OneMix3」も

 22日に都内で開かれた製品発表会では、中国から来日したJack Wang氏が、これまでのONE-NETBOOKの歴史について紹介。同社2003年頃、MP3/MP4プレーヤーの代理店だったが、2005年頃に副社長のJason Zeng氏とともにMP3/MP4プレーヤーの製造をする会社を設立。それ以降タブレットやノートPC、電子書籍端末などを製造し、今に至っている。

 すでに本誌のインタビュー(GPD Pocketの二番煎じではなかった「OneMix」)でも紹介しているとおり、同社は2015年あたりからONE-NETBOOKという新会社を立ち上げる準備をし、2017年に正式に創立した。その後OneMix、2、3を矢継ぎ早にリリースしている。

 ONE-NETBOOKの製品コンセプトは、「ビジネスマンを意識した製品づくりである」といい、ポケットに入る小型サイズのPCでありながら、生産性を向上させる人間工学に基づいたデザインと性能を両立させている。また、大手ハードウェアメーカーでの開発経験を持つ優秀なエンジニアからなる40人規模の開発チームを保有しているほか、自社で組み立てを行なうラインを有しており、高い品質に自信を持っている。

 中国国内においては、OneMix2発売初日で3,000台以上の注文の実績があるほか、「ミッション・インポッシブル・フォールアウト」といった映画やTV番組、GTモータースポーツとのコラボを積極的に行ない、製品の知名度を上げつつある。OneMix2S Koi Editionは、中国で人気のスターにも愛用されているという。

 「OneMixは出張や外出の多いビジネスパーソンのために製品を設計するというコンセプトを踏襲し続ける。ヒンジの構造の改善や、さらなる狭額縁化、薄型化、小型化、軽量化など、まだまだ改善の余地はある。日本の優れた職人たちと同様、UMPCを100世代目まで作り続けたい」と意気込みを語った。

Jack Wang氏
ONE-NETBOOK設立に至るまでの道のり
ONE-NETBOOKの製品マイルストーン
ONE-NETBOOKのコンセプト
中国国内でOneMix2発売初日に3,000台の注文実績を達成
各界とのコラボレーションも展開している
中国国内からも高い評価を得ている
中国での人気のスターもKoi Editionを愛用しているという
台湾のスターも使っているという
OneMix100まで作り続けたい意気込み

 テックワン 代表取締役の中林秀仁氏は、「わたしは日本マイクロソフトで15年間働いた経験があり、そのときThinkPad X61 Tabletを使い続けていた。OneMix2Sは、2kg近いX61 Tabletに相当する機能を515gにまでシュリンクしたような製品で、知人にOneMixを見せてもらったときに衝撃を受け、すぐに深センに飛んでいきONE-NETBOOKと代理店契約をしにいった」と振り返る。

 「OneMixシリーズを日本で販売するさいのコンセプトは3点。1つは新陳代謝が激しい深センにおいて、ONE-NETBOOKのような企業が生き残れるのは、高い品質を持っているからだと確信したところ。この品質であれば、尖ったユーザーのみならず、一般層にも受け入れられる。そこで日本国内でしっかりサポートし、さらに安心して使ってもらえる製品に仕上げた。

 2つ目は日本で盛んになってきている働き方改革にマッチする点で、OneMix2Sのサイズであれば、カフェといった場所でも働け、柔軟な組織のあり方を推進できる。3つ目はさくらピンクエディションで、圧迫感のないデザインで、女性のライフスタイルにも合う。

 小さいけど、メインPCとしてもセカンドPCとしても使えるスペックであるほか、ライフスタイル/ワークスタイルにあわせた2in1構造で、なおかつレッツノートやSurface Goと比べて安価/高性能である」などと話した。

テックワン 代表取締役の中林秀仁氏
OneMix導入のコンセプト
日本正規パッケージの特徴
女性向けのさくらピンクエディションも展開
量販店での展開
直販サイトではKoi EditionとPlatinum Editionも販売する
OneMix2Sの特徴
競合と比較してコストパフォーマンスに優れるという

 ONE-NETBOOKのJason Zeng副社長は、7月に投入するモデル「OneMix3」について触れ、より高解像度で大画面、Surface Penプロトコルと互換性を持った4,096筆圧レベル対応のペン、そしてCore i7/メモリ16搭載といったハイスペックモデルの用意があるとした。なお、現時点ではOneMixは全シリーズともに併売する予定で、いずれのモデルも補完関係で、置き換えではないとしている。

ONE-NETBOOKのJason Zeng副社長
OneMix3の特徴
国内正規版も7月下旬に販売予定
OneMix3の実機も発表会場で展示された
8.4型に大型化しているため、キーボードに若干余裕が生まれ、キーピッチは18mmとなった
天板にもOneMixのロゴが入った
左側面。Micro HDMI出力と3.5mm音声入出力を搭載
右側面はmicroSDカードスロット、USB Type-C、USB 3.0
底面
2in1スタイルで使えるのは従来どおり

日本の職人精神を学び、後続製品を開発

 Zeng副社長によると、Wang社長とは大学時代の知り合い。会社設立の前から、こんなエピソードを語ってくれた。

 「ある日一緒に街を歩いてたら、雨が降ってきた。私はタクシーで移動するよう勧めたが、Wangは傘を買うと言った。タクシーを使えばその場限りの経費だが、傘を買えばまた次回使えるからだ。このとき、会社を運営する上で必要な持続性、継続性をはじめて悟った。

 ONE-NETBOOK立ち上げのさい、Wangとの意見の分裂があった。会社を継続させるために、既存のビジネスを踏襲して生き残るための製品づくりを続けるのか、それとも新規に投資をして自ら作りたかったものを作るのか。深センの環境変革の圧力のなかで、われわれは反省をし、実際に後者を選び、11年間蓄積してきた流動資産や貯金などをすべて投じることにした。それだけONE-NETBOOKに賭けることにした。

 会社をどのぐらい長く存続できるかどうか、いまはまだわからない。Wangは日本に親戚がおり、日本の製品に親しみがある。製品を引き続き改善し、品質を継続的に向上させる。これは日本の職人精神だ。われわれもその精神を学び、ビジネスを着実に継続させていきたい」。