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Apple、macOS/iOSで「OpenGL/CL」の利用を“非推奨”に

Metal 2

 米Appleは5日、「macOS 10.14 Mojave」および「iOS 12」を発表したが、その開発者向けドキュメントで、今後はOpenGL/Open CL、OpenGL ESが非推奨APIとして扱われることが明らかとなった。

 同社では、GPUへのローレベルアクセスなどを実現した独自のAPI「Metal」を各OSに組み込んでおり、本件はソフトウェア開発者にMetalへの移行を促す動きの一環とみられる。

 OpenGLはKhronos Groupが開発を主導しているグラフィックライブラリで、WindowsやmacOS、Linuxなど、プラットフォームによらず利用できる、オープンなAPIとしてさまざまなアプリケーションで活用されている。

 GPUへのローレベルアクセスを可能にするVulkanも開発されているが、こちらはmacOSに非対応となっている。なお、KhronosではVulkan非対応のmacOSでも、Metal経由で動作を実現するツールなどを提供している(グラフィックスAPI「Vulkan」がmacOS/iOSで利用可能に)。

 OpenCLも同様で、GPGPUなどに対応したオープンなコンピューティングAPIとなっている。

 macOS Mojaveでは、OpenGLおよびOpenCLが非推奨とされ、既存のOpenGL/OpenCLアプリは引き続き動作するが、ゲームなどOpenGLを活用していたアプリはMetalを、OpenCLを活用していたアプリについてはMetalおよびMetal Performance Shadersを利用するよう呼びかけている。

 iOS 12ではOpenGL ESが非推奨となり、Metalの利用が推奨されている。

 今回の非推奨APIリストへの追加で、同社がいつまでOpenGL/CLのサポートを継続するかは不明だが、将来的に新バージョンのOSで排除する可能性を示唆している。マルチプラットフォームに対応したソフト開発者にとっては悩ましい問題となりそうだ。