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グラフィックスAPI「Vulkan」がmacOS/iOSで利用可能に
2018年2月27日 14:10
Khronos Groupは26日(米国時間)、メンバー企業であるValve、LunarG、Brenwill Workshopと協力し、macOS上でのVulkan開発と、macOSおよびiOSでの実行を可能にするツールやSDK、ランタイムライブラリなどを公開した。ツール群は商用を問わず無償で利用できる。
「Vulkan」は、従来のグラフィックスAPIの複雑性を廃して、GPUハードウェアへのよりダイレクトなアクセスを目指した、低レベルグラフィックスAPI。低レベルグラフィックスAPIには、VulkanのほかにMicrosoftの「DirectX 12」や、Appleの「Metal」などがある。すでにWindowsやLinux、AndroidではVulkanサポートが実現されているが、macOS/iOSでは、利用できるのはMetalのみとなっている。
今回公開されたのは、macOS上でのVulkanアプリケーション開発と、macOS/iOS上での実行を実現するためのツールで、開発面では、LunarXchange上のmacOS向けオープンソースSDK「LunarG Vulkan SDK」が公開されている。
同SDKはWindowsやLinux環境向けにも提供されている公式SDKであり、LunarG SDK for macOSによって、Vulkanアプリケーションの構築、動作およびデバッグをmacOS上で実現する。LunarGは引き続き改良を継続し、追加ツールや機能を提供するとしている。
アプリケーションの実行では、Brenwill Workshopの「MoltenVK」ランタイムライブラリが公開されている。
MoltenVKは、macOS/iOS上でVulkanポータブルサブセット内のコールをMetalのコールに変換するライブラリで、ValveではmacOSネイティブのOpenGLドライバよりも高い性能を実現するため、Vulkanツールを利用してMOBAゲーム「Dota 2」の拡張を行なっている。Valveによれば、OpenGLと比較して最大2倍の性能を実現できているとのことで、Vulkan対応は数カ月以内に無料アップデートで提供される予定。