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PS VitaライクなWindowsゲーム機「SMACH Z」がRyzen搭載で再始動

SMACH Z

 2016年10月にKickstarterに登場したPS Vitaライクなポータブルゲーム機「SMACH Z」を覚えているだろうか(関連記事:PS Vitaみたいに遊べるポータブルSteam Machine「SMACH Z」。出資を集めるのに成功し、2017年4月に出荷予定とされていた製品だが、実際には出荷されることはなかった。

 出荷されなかった理由は不明だが、開発チームは2017年7月にSMACH Zの開発プロジェクトは終わったわけではないという声明を出し、SoCやメモリ、ストレージ周りをアップグレードしたものを開発しているとし、2018年第1四半期の出荷を表明。そしてこのたび、2018年9月の出荷が公式サイトで明らかにされた。

 新たに搭載するSoCを明らかにしたのは2018年3月。初期はAMDのMerlin Falcon RX-421BDというSoCを採用する予定であったが、新バージョンは組み込み向けプロセッサであるRyzen V1605B(2GHz~3.6GHz、Radeon Vega 8 Graphics内蔵)となり、性能が大きく向上した。

 同社が挙げたベンチマーク結果では、The Witcher 3(720p Medium settings)は最大40fps、GTA 5(720p Normal settings)は最大60fps、League of legends(1080p High settings)は最大60fps、ダークソウル3(720p Low settings)は最大40fpsで動作するという。

 メモリは下位モデルで4GB、上位モデルで8GB、ストレージは下位モデルで64GB、上位モデルで128GBを搭載。メモリはSO-DIMM、SSDはM.2で、アップグレードも可能としている。液晶は1,920×1,080ドット表示/タッチ対応の6型で変更はない。上位モデルは500万画素のカメラも備える。OSは下位がLinuxをベースとした「SMACH OS」、上位がWindows 10 Home。

 Indiegogoでの出資募集のみならず、公式サイトでも予約を開始している。下位モデルは89,900円、上位モデルは119,500円だ。現在、予約特典として10%引きしており、それぞれ80,910円、107,550円となっている。

 本体左右にタッチパッドを用意しており、十字キーなどに変更できるカスタマイズアドオンが用意されている点は従来どおり。インターフェイスはIEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0、USB Type-C、USB Type-A、Micro USB、DisplayPort、SDカードスロット、音声入出力などを備える。

 性能は大きく引き上げられたものの、開発中の基板写真や本体の写真を見るかぎり厚みはそれなりにありそうで、従来のコンセプトどおりのスリムさを実現するのは厳しそう。また、製品が予定通り出荷されなかった“前科”があるため、今回も予定どおり出荷できるかどうかが焦点の1つとなりそうだ。また、日本円での価格表示はあり、日本への出荷も行なうようだが、技適の取得は不明。

Embedded Worldでの展示