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Intel、NANDより高速/高耐久を謳うM.2 SSD「Optane SSD 800P」
2018年3月9日 02:30
米Intelは8日、Micronと独自開発した不揮発性メモリ「3D XPoint Memory」を採用するM.2 SSD「Intel Optane SSD 800P」を発表した。容量は58GBと118GBの2モデルがあり、米国での想定価格はそれぞれ129ドルと199ドル。
既存の「Optane Memory」が容量16/32GBで、HDDのキャッシュ的に利用するのに対し、Optane SSD 800Pは、システムドライブなどとして利用する。インターフェイスは、NVMe PCI Express 3.0 x2で、フォームファクターは片面M.2 2280となる。
おもな仕様は、連続読み込み(QD4)が1,450MB/s、連続書き込み(同)が640MB/s、4Kランダム読み込み(同)が250,000IOPS、4Kランダム書き込み(同)が140,000IOPS。
これらの数値は、たとえばNANDを採用するSamsung製M.2 SSD「950 PRO」よりも低い(「950 PRO」レビュー記事参照 ※ランダムアクセスは条件が異なる)。しかし、Intelでは、実利用での性能は競合のNAND製品よりも高く、ベンチマーク結果も優れるとしている。
Intelの調査によれば、ほとんどのベンチマークソフトや、Adobe、Microsoftなどのアプリケーションにおけるストレージからのデータ転送は「Queue Depth(QD)」の値が、ほぼ4以下で占められ、そのほとんどがQD1だという。32など高いQDでの転送においては、NANDは高い性能を発揮するが、低QDではOptane SSD 800Pの方が4~5倍高い性能を示す。
また、Intel新製品は読み込みより書き込みよりが遅いが、実アプリの稼働環境ではドライブアクセスの6~8割が読み込みとなり、こういった状況ではやはりOptane SSD 800PがNANDより数倍高い性能を発揮するという。
こういった性質により、Sysmark 2014 SEでは、950 EVOより15~38%、PCMark 10では12%、PCMark Vantageでは44%高い性能を実現するとしている。
また、NAND SSDは、データが書き込まれていない初期状態は性能が高いが、初期状態でない場合、上書きに際して、データ書き込みをする前に消去作業が必要であるため、初期状態より書き込み性能が劣化する。これに対し、Optane SSD 800Pでは、このような性能劣化は起きないとしている。
このほか、同製品は最大4基までのRAIDに対応。Intel X299などのチップセットでは、CPU直結のPCI Express接続で、より高い性能を発揮可能。しかも、連続読み込みについては、2ドライブRAIDの場合、1基の場合に比べて2.55倍の性能を出せるほか、RAID構成でのQD1レイテンシーが、NAND SSDより遙かに低いとしている。