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1秒に2.7台のPCとプリンタを売り上げたHP。2018年コンシューマPCでは高級路線とゲーミングPCに注力
2018年1月25日 17:43
株式会社日本HPは24日、報道関係者を対象とした事業説明会を開催。同社責任者が2017年の実績を振り返るとともに、2018年以降の注力事業/分野について説明した。
同社代表取締役社長執行役員の岡隆史氏によると、2017年度のHP(全世界)の売上高は前年比9%増の約5.8兆円と好調な結果だった。これは、特定地域が牽引したものではなく、すべての地域で増収を果たし、前期マイナス成長だったプリンタもプラスに転じるなど、製品分野でもすべてにおいて成長した。HPのコア事業である、PCとプリンタについては、合算で8,700万台を出荷。これは、年間、1秒に2.7台出荷した計算になる。
日本においては、企業向けPCのシェアが初めて20%を超え、ワークステーションでは45%、シンクライアントでは43%となるなど、10期連続で市場平均を超える成長を成し遂げた。
2年前の分社以降「Keep Reinventing」(再発明の継続)を方針に掲げてきたが、岡氏は、今後も数年後を見据え、新しいものを他社に先駆けて投入し、そこで積み上げたノウハウをもって、他社に先行していきたいとする。
また、製造やサポートを国内で行なっていることを強みとして、日本向けに製品を最適化し、日本のユーザーの競争力強化を手助けしていきたいと話した。
PC製品については、専務執行役員パーソナルシステムズ事業本統括の九嶋俊一氏が説明した。
九嶋氏が統括するパーソナルシステムズ事業部のコア事業はPCそのものである。この事業では、昨年(2017年)、タッチ対応で世界最薄の13.3型ノート「Spectre 13」や、デザインと性能を両立させた2in1「HP Spectre x360」などを発表。
ゲーミング向けにも、斜め45度筐体の「OMEN X by HP Desktop 900」Core i9搭載モデルや、据え置きでも使えるバックパック型ゲーミングPCなど異色の製品を投入してきた。
2018年も引き続き、これらプレミアム路線とゲーミングPCに注力していきつつ、企業向けではセキュリティ機能を強化していく。2月にも新しいセキュリティソリューションを発表予定。
その一方で、直近で成長が期待できる分野として、リテールPOSやサービスにも製品展開し、新しいイノベーションの創出をもくろむ。リテールPOSは、PCベースのもので、PCで培ったハードウェアとデザイン力を生かし、使いやすくかつデザイン的に洗練されたものを提供する。車の個人の使い方が、購入+所有から、シェアリングなどへと広がりつつあることを受け、PC事業でもPCのサービス化を図っていく。
そして、将来的なデバイスとしては、イマーシブ(没入型)コンピューティング、VR、3Dスキャニングといったカテゴリで先進事例を開拓していくとした。