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凝り固まった価値観じゃ、いいマシンは作れない! 自作を変える最新PCケース

 DOS/V POWER REPORT2018年2月号(12月27日発売)では、「PCパーツ100選+600」と題して、 第8世代CoreプロセッサーとRyzenの登場で盛り上がりを見せるCPU市場を筆頭に、マザーボード、メモリ、ビデオカード、SSD、HDD、PCケース、電源、CPUクーラーなど、主要ジャンルのパーツを紹介しています。124ページ(!)という超特大ボリュームの特集から、ここではPCケースの最新トピックと本誌執筆陣および編集部による投票で決定したレコメンド製品紹介の一部を抜粋して掲載します。特集の全貌はぜひ本誌を購入してお楽しみください。

イルミネーション対応と構造の最適化がさらに進む

 2017年のPCケースを俯瞰する上で欠かせないのは、やはりイルミネーションへの対応だろう。マザーボード、ビデオカード、ケースファンなどあらゆるパーツでLEDの搭載が進み、ユーザーの注目度も増している。各パーツを組み込む土台としてのPCケースには、そうしたハデなパーツをどう見せ、そして演出するかという要素が求められる。

 今回ライター陣や編集部から投票を獲得したATX以上の15モデルのうち、8モデルで「強化ガラス」を搭載しているのは、こうしたトレンドを象徴する出来事と言える。左側板だけではなく、フロントパネル、天板、右側板なども強化ガラスで武装し、パーツやケース内部のイルミネーションを楽しめるモデルも増えた。アクリルパネルでも内部は見えるが、質感や透過光の美しさを考えると、強化ガラスにはおよばない。

 構造の最適化もさらに進んだ。とくに象徴的なのが、5インチベイを搭載するモデルの減少である。2016年からこうした傾向は見られたが、今回は投票があった15モデル中、何と1モデルしか5インチベイを搭載していない。光学ドライブの役割が低下したことを考えると、当然とも言える。

 構造面でのメリットも多い。5インチベイをなくすことで、ケース内部は広くなり、内部の構造がシンプルで分かりやすくなり、組み込み作業もラクになる。また前面のスペースが自由に使えるようになり、ケースファンや水冷ラジエータの選択肢が大きくなったことも見逃せない。また5インチベイを搭載しないモデルでは、搭載するタイプに比べると奥行きや高さが抑えめで、コンパクトなモデルが多い。この辺りは好みにもよるが、今後も流れは変わらないだろう。

同じ強化ガラスでも、薄くスモークがかかったタイプと、透明度の高いタイプがあるので、好みで選ぼう
LEDも単色タイプではなく、発色や点灯パターンを自由に設定できるRGB対応のLEDを搭載するモデルが増えている

大型パーツへの適性がカギ。小型でも性能には妥協なし

 microATXフォームファクター以下のサイズでは、昨年から引き続き大型のビデオカードやCPUクーラーを組み込める拡張性重視のモデルに票が集まっている。2017年発売のMini-ITXモデルの新製品も、基本的には拡張性重視モデルが主流であり、小型PCケースにもATXモデル並みの拡張性を求めるユーザーが多いことが見受けられる。

小型ケースでは拡張性を重視
30cm以上のビデオカードを組み込めるモデルが増えており、小型でも強力なゲームPCを作りやすくなった

2018年、PCケース選びの常識はこう変わる

 PCケースは、CPUやビデオカードのように単体でトレンドを作るパーツではない。ほかのパーツや周辺機器のトレンド、そしてユーザーのニーズに影響されて、装備や構造が徐々に変わっていく。こうした背景を踏まえ、2018年のPCケース選びがどう変わっていくのかを簡単にまとめてみた。

 構造面の変化に伴う小型化やイルミネーション対応は、2018年も引き続きトレンドとして引き継がれていくだろう。新しい流れとしては、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)への対応がある。フロントポートにHDMIを装備するモデルは、これから増えていくのではないだろうか。

フロントポートにはType-CとHDMI

 コネクタの裏表を気にすることなく着脱できる「Type-C形状のUSBポート」を搭載するモデルは、当然増えていくはずだ。またHMDを利用するかしないかにもよるが、HDMIを搭載するかどうかも重要なポイントになるだろう。

HMDを接続するために必要なHDMIを、フロントポートに搭載するモデルが増えている
現在は上のType-A形状のUSBポートがほとんどだが、今後は下のType-C形状が主流になる

5インチベイレスと内部構造の最適化が進む

 2016年~2017年にかけて登場したモデルだけ見ても、5インチベイを搭載するものは急速に減っている。構造的にケースファンや大型の水冷ラジエータ、ビデオカードを組み込みやすくなるため、今後もこの傾向は続くだろう。

5インチベイを削除することで、前面スペースの自由度が飛躍的に高まる。36cmクラスの大型水冷ラジエータを、このスペースに組み込めるようにしたモデルも多い
左はCooler Masterの「MasterCase 5」、右は5インチベイを搭載しないFractal Designの「Define C」。構造の最適化で、サイズもかなり小さくなる

裏面配線向けのギミックが進化。より美しくケーブルを整理

 強化ガラスやアクリルパネル越しに内部を楽しめるモデルでは、ケーブルをいいかげんに放置すると見栄えが悪い。そのため裏面配線機能も重要になる。ケーブルをまとめるためのスペースの広さや、まとめるためのギミックも注目したいポイントと言える。

マザーボードベース裏面のスペースに、ケーブルを通すルートを作り、ケーブル整理をしやすくしているモデルが登場
着脱が簡単で、何度でも満足できるまでケーブル整理をやり直せる面ファスナー付きのモデルも便利だ

シャドーベイは減少傾向。大容量ストレージを活かそう

 3.5インチシャドーベイや2.5インチシャドーベイの数が少なくなり、HDDやSSDの搭載可能数が減った。ストレージの大容量化を受けて、小容量のストレージを細かく組み合わせて使うニーズが減少したためだろう。

5インチベイを削除したモデルの大半は、3.5/2.5インチベイを前面近くに2、3基搭載する程度だ
Mini-ITX対応モデルでは、底面やフロントパネルの裏など、思いもよらぬ場所に2.5インチシャドーベイを搭載していることがある

イルミネーション重視ならLED制御機能への対応を確認

 PCケースのファンなどに組み込まれているRGB対応LEDが、各マザーボードメーカーが提供するLED制御機能に対応する場合、Windowsのユーティリティで自由に色などを変更できる。イルミネーション重視なら見逃せないポイントだ。

まだ少なめだが、マザーボードのLED用ピンヘッダに接続してファンの色などを変更できるモデルも登場している

もちろん大事! PCケース選びの基本にも注目

 来年のことばかりを考えても、足元をすくわれる可能性がある。ここでは、PCケースを選ぶ際に重要になるいくつかの基本スペックの読み方を解説する。

 大型のビデオカードやCPUクーラーを組み込みたい場合、ビデオカードなら長さ、CPUクーラーなら高さをまず確認しよう。そしてPCケースのスペックにあるビデオカードやCPUクーラーの許容サイズと照らし合わせ、収まるかどうかを確認しよう。PCケースが許容するサイズ以上のパーツは、そもそも物理的に組み込めない。

 またPCケースが標準で搭載する冷却ファンの数や搭載可能数は、システム全体の冷却性能を考える上で重要な指標となる。作りたいPCに合わせて、PCケース自体の「個性」も考えよう。

マザーボードとフォームファクターを合わせる

 それぞれのフォームファクターに対応するPCケースが、どんなマザーボードに対応するかをまとめた。

Mini-ITX対応PCケースは、Mini-ITX対応マザーボードまでしか対応しない。ATX対応マザーボードは、物理的に組み込めないのだ
ATX対応PCケースmicroATX対応PCケースMini-ITX対応PCケース
ATX対応マザーボード対応非対応非対応
microATX対応マザーボード対応対応非対応
Mini-ITX対応マザーボード対応対応対応

拡張性に関するスペックの読み方を知る

ビデオカードの長さ
どのくらいのサイズのビデオカードを組み込めるかを示す数値だ。長さがそれ以上だと、物理的に組み込めない。ハイエンドビデオカードを使うなら30cmは確保したい
CPUクーラーの高さ
どのくらいの高さのCPUクーラーを組み込めるかを示す数値だ。高さがそれ以上だと、側板が閉まらなくなる。初代虎徹が入る16cmがつぶしの効く値
拡張ベイの数
3.5インチHDDや2.5インチSSDを組み込める台数を示す。どちらか一方を組み込めるトレイ式のベイが多い。将来の増設を考えて最初に使用するドライブの数プラス1、2台分は欲しい
ケースファンの搭載数
標準で搭載するケースファンの数を示す。基本的にはファンのサイズが大きく、数が多いほうが冷却性能が高い。2基あればとりあえず安心

構造によって冷却性能や静音性が変わる

冷却重視型の特徴
通気口となる細かい穴があいた「メッシュ構造」を各部に採用するモデルでは、基本的に冷却性能が高い。マルチGPUやCPUのOCなどを狙う場合に
静音性重視型の特徴
密閉性の高いモデルは内部からの音漏れが少ないので、静かなPCを作れる。ファンを増設して冷却性能をアップできる「バランス型」もある。最新世代のGPUやCPUはハイエンドでも省電力なので、対応可能

決定!お勧めPCケースはこれだ!

 投票結果によりレコメンド製品に選定したのが以下の製品たち。

 パワレポ2月号ではこのほか40以上のPCケース製品を紹介しています。