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8K/60HzやダイナミックHDRなどをサポートするHDMI2.1が発表

〜可変リフレッシュレートもサポート

 米HDMI Forum.Incは4日(現地時間)、ダイナミックHDRなどの新機能のほか、帯域幅を最大48Gbpsに拡張して8KコンテンツやVRの普及を見越したHDMI 2.1を発表した。

 今回発表されたHDMI 2.1は、8K/60Hzまたは4K/120Hzを新たにサポートするほか、機能面ではダイナミックHDRとゲーマー向け機能である可変リフレッシュレート(VRR)、オブジェクトベースオーディオに対応したeARCなどが追加されている。

 新たに用いられるケーブルは、EMI(電磁ノイズ)を減少させることで帯域幅の拡張を実現したもので、従来のHDMI 2.0の18Gbpsに対し48Gbpsと約2.6倍の最大帯域幅をもつ。一方、コネクタは従来のものと後方互換性が保たれている。

 この帯域幅の拡張により、非圧縮の8K動画に今回追加されるダイナミックHDR効果などの新機能を有効にしつつ楽しむことができる。また、新たにサポートされる4K/120Hzは、特に動きの激しい映像や、VRコンテンツの再生に好適となっている。産業向けなどの特殊用途ではあるものの、規格の上限として10K/120Hzまでサポートする。

 新機能の1つであるダイナミックHDRは、映像のメタデータを参照しつつシーンに応じて最適な輝度や色の深度をもった映像を生成し、コントラストの際立った迫力のある映像が得られるというものだ。従来のHDR(Static HDR)と原理は同じであるが、従来では1つの映像に対し、1通りの処理しか行なえなかったために、暗いシーンも明るいシーンでも一様の処理を行なっていた。ダイナミックHDRでは、最高で1フレームずつ異なったHDR効果を与えることができるため、さらに迫力のある映像を楽しめるだろう。

 新たに追加されたeARC(Enhanced Audio Return Channel)は、先進的なオーディオフォーマットを数多くサポートするとされており、その中でもオブジェクトベースオーディオが強調されている。Dolby Atmosに代表されるオブジェクトベースオーディオは、従来のオーディオと異なり、予めミキシングされたサウンドトラックを再生するのではなく、個別の音声(爆発音など)に位置関係などを含んだメタデータを付与し、独立に再生することでより立体的なサラウンド体験をもたらすものだ。

 可変リフレッシュレート(VRR)は、3Dゲームなどでフレームレートの安定しない入力がなされた場合にディスプレイの側がリフレッシュレートを近づけることで、待機時間を減らす技術だ。これにより、フレームレートとリフレッシュレートの非同期によって生じるティアリング(画面の上下半分がズレるような現象)や、フレームのチラツキ、描画ラグなどを減少させることができるとしている。