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ネットギア、家全体をカバーできる“家庭用Wi-Fiシステム”「Orbi」を正式発表

~移動しても通信が途切れないシームレスローミングを実現

Orbi

 ネットギアジャパン合同会社は、家庭用Wi-Fiシステム「Orbi」を12月22日より発売する。

 Orbiは、既報の通り、先日Amazon.co.jpで予約が開始されていた製品で、「Orbiルーター」と電波を中継する「Orbiサテライト」で構成される家庭用Wi-Fiシステム。税別店頭予想は45,800円。国内発売を記念し、11月17日~12月15日の期間限定で、Amazon.co.jpにて5,000円引きで販売が行なわれている。今後、ルーターとサテライトの単体発売も予定している。

 無線通信規格はIEEE 802.11acに対応し、256QAMに対応。2.4GHz帯と5GHz帯×2のトライバンドに対応し、ルーター-サテライト間を1,733Mbpsの高速無線で接続することで、複数のデバイスが接続された場合でも安定した高速通信を可能とした。

 また、従来の無線LANルーター+中継器の組み合わせと異なり、ルーターとサテライトの間で接続されているデバイスについてデータを交換し、ルーターのカバーエリアからサテライトのカバーエリアへ移動した際に、途切れることなく通信を切り替えることができる。SSIDも同一のため、デバイス側の設定などは不要となっている。

 インターフェイスは、ルーターがGigabit Ethernet WAN、Gigabit Ethernet×3、サテライトがGigabit Ethernet LAN×4を備え、共にUSB 2.0を装備する。

 本体サイズは共通で、170.3×78.9×225.8m(幅×奥行き×高さ)。重量は890.1g。

ルーター
サテライト
ルーター背面
サテライト背面
本体上面はインジゲータのLEDを搭載
リンク時には青く光る

 都内で開催された製品説明会には、米Netgear ホームネットワーキング プロダクトマーケティングディレクターのSandeep Harpalani氏が登壇。

 Harpalani氏は、「現在、調査によると家庭内にあるデバイス数は平均11台あるが、IoTの影響などで、2019年にはさらに2倍に増加する」と述べ、そういった機器をインターネットに接続するため、家庭内の無線LANもその急激に増加するデバイスに対応する必用があると説明。

 また、世界的にブロードバンドの速度が高速化しており、特に日本では光ファイバー網の普及により、多くの家庭が1Gbpsのインターネット接続環境となっていることから、その速度を十分発揮できる環境を提供するという点も、ユーザーの快適なネット利用に重要だとした。

 さらに、デバイスの数だけでなく、従来になかったカメラなど屋外利用されるデバイスも登場しており、無線のカバーエリアの広さも要求されるようになっているという。

米Netgear ホームネットワーキング プロダクトマーケティングディレクターのSandeep Harpalani氏
2019年には家庭内のデバイス数は2倍に
高速なインターネット環境の普及
屋外利用も想定
理想のネット環境
ホームWi-Fiの課題

 同氏は、同社の「Nighthawk」ルーターでも、家の中心に設置できれば約90%の家はカバーできるとしながらも、実際の利用シーンでは、WANの引き込みの関係などで家の隅に設置されることが多く、そうなると対角線上の場所などが死角となる可能性があると説明。

 今回発表されたOrbiでは、Orbiルーターをゲートウェイに接続したあと、サテライトを家の中心に設置することで、家全体をカバーできるWi-Fiシステムを構築でき、最大371平方m(約112坪)をカバーできるとした。

 Orbiの大きな特徴の1つはトライバンドの対応であり、5GHz帯での1.7Gbps接続をルーターとサテライト間の通信だけに使用するという「仮想的な有線接続」(Harpalani氏)を行なうことで、デバイス(子機)の接続数に関わらず高速な通信を実現できる。

 従来の無線LANルーター+中継器と比較すると、接続デバイスが1台の場合で2倍、3台の場合では3倍の性能を発揮できるという。

中心に置ければNighthawkだけでカバーできる
実際には隅に設置される
Orbi
Orbiなら家全体をカバー
従来の無線LANルーター+中継器では中継用と子機の接続バンドが同じなので速度が低下する
Orbiは中継用バンドを独立
トライバンドで専用の無線接続を用意
有線接続のように安定したネット接続を実現
性能比較

 従来の無線LANルーター+中継器では、デバイスを持って移動した場合、通常はカバーエリアの限界を超えて、接続が切れてから中継器に接続するが、Orbiではルーターからサテライトのカバーエリアへ移動すると、自動的に最適なOrbiへ接続を切り替えるという。

 また、接続先を切り替えた際も、通信が途切れない“シームレスローミング”を提供するとした。

従来の無線LANルーター+中継器では接続を切り替える適切なタイミングが分からない
繋ぎ直す際に通信が途切れてしまう
Orbiなら最適なOrbiへ自動的に切り替え、通信も途切れない
スマートフォンアプリからも設定可能
特徴と機能
価格
ルーターとサテライトの単体販売も予定