やじうまミニレビュー

550円なのに240W!ワッツの巻取USB-Cケーブルは“やりすぎ”スペック

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
「リール式USBケーブル Type-C to Type-C」。ワッツで販売されている。メーカーはグリーンオーナメント

 グリーンオーナメントの「リール式USBケーブル Type-C to Type-C」は、両端USB Type-C仕様の巻取ケーブルだ。 最大240Wの充電に対応するハイスペックなケーブルながら、実売550円という価格破壊プライスが特徴だ。 百均ストアのワッツで販売されているこの製品について、実機を購入したので、詳しいスペックや使い勝手を検証していく。

USB Type-Cの巻取ケーブルは百均ストアにも進出中

 唐突に「価格破壊プライス」といわれても、相場がよく分からず、どのくらい安いのかピンと来ない人も多いだろう。まずはこうした両端USB Type-Cの巻取ケーブルについて、筆者が把握している2026年10月現在の状況をざっとまとめておく。

 現在、リールを用いて巻き取れる両端USB Type-Cのケーブルは、PC/スマホアクセサリの専業メーカーに限らず、百均ストアでも扱われるようになりつつある。筆者の知る限りダイソーの330円の製品が最安値クラスだが、こちらは最大出力が60W止まりだ。

ダイソーの330円品は最大60W止まり
ダイソーで販売されている実売330円の両端USB Type-Cの巻取ケーブル。メジャーどころで取り扱いのある製品の中では最安値クラス
ただし3A対応であるため、最大出力は60W対応と、充電ケーブルとしては平凡だ

  最大60W、つまり3A対応の製品が総じて安価なのは、USB 2.0の両端USB Type-Cケーブルは3AまでならばeMarkerの実装が不要という点が大きい。 これが5A対応となるとeMarkerが必須になり、原価が大きく上がるため、このモデルに限らず、多くの製品は60W対応で済ませているわけだ。これは巻取式でない通常のUSB Type-Cケーブルでも同様だ。

 一方で5A対応、つまり最大出力が100Wや240Wの製品は、専業アクセサリメーカーが多く手掛けており、実売価格は千円以上であることが大半だ。そのため百均ストアで5Aに対応した巻取タイプを見掛けることはまずない。

 また専業メーカーが手掛ける製品は、以前紹介したオウルテックの「katamaki」のように片側からのみ引き出せるタイプや、両端コネクタをリール側面に磁力で吸着させられるタイプなど、付加価値を備えた製品も多い。もっともそれらは必ずしも5A対応ではなく、3A対応をベースとしていることも多い。

 そしてこれら製品のほとんどに共通するのが、データ転送速度はUSB 2.0止まりということだ。USB 3.xやUSB4、つまりUSB 5Gbps以上に対応する製品はあまりお目にかからない。また映像信号の伝送に対応した製品もほぼ皆無だ。

katamakiよりひとまわり小さいリール
今回紹介するグリーンオーナメント製品(左)と、以前紹介したオウルテックの「katamaki」(右)の比較。本製品の方がひとまわり小さく見える

最大240W(5A)に対応。コネクタ部はリール側面に磁力で吸着

 前置きが長くなったが、今回紹介するグリーンオーナメントの「リール式USBケーブル Type-C to Type-C」は5A対応、最大240Wでの充電が可能な巻取ケーブルだ。データ転送速度はUSB 2.0止まりながら、充電速度は現行の最大スペックにあたることが特徴だ。

最大240W・USB 2.0の仕様を実機で確認
グリーンオーナメント「リール式USBケーブル Type-C to Type-C」。リールは樹脂製
ケーブルを引き出したところ。全長約95cmとそこそこ長い
両端ともにUSB Type-Cコネクタを備える。口がオレンジなのは急速充電へのサポートを示している可能性があるが、実際にそのような意図かは不明
Power-Z KM003Cでスペックを確認したところ。USB PD EPR対応で最大出力は240W、データ転送はUSB 2.0準拠なのが分かる

 現行のUSB PDの規格では、充電速度は240W(48V/5A)が最高とされる。とはいえ実際にこの速度で充電できるデバイスは身近には存在しておらず、将来に備えてスペックに余裕のあるものを買っておく、というレベルのお話でしかない。製品の寿命が尽きるまでに、一度もこの充電速度に達せずに終わる場合がほとんどだろう。

  そうした意味では本製品のスペックは完全に「やりすぎ」といっていいレベルだ。 ただ、実際には使いもしないのに「時代はUSB PD EPR一択、100Wまでしか対応しないケーブルは将来性からして云々」などとウンチクを述べてくるユーザーを「ではこれならば文句なかろう」と有無を言わせぬスペックでぶん殴ってくるスタイルは、個人的には嫌いではない。

 さらに本製品は、両端のUSB Type-Cコネクタを、リール側面に磁力で吸着できる機構も備えている。これならば、ケーブル本体はリールにまとまっていながら、コネクタだけが本体からぴょこんと飛び出ている状態を回避できる。バッグやポケットの中での収まりもよくなるほか、破損防止にもつながるだろう。

コネクタが本体から飛び出さない
コネクタは磁力でリール部に吸着できる
リール部に吸着させた状態。本体から飛び出ず収まりはよい

実売550円という価格破壊プライス。入手性はやや低め?

 そんな本製品の最大の強みは、冒頭にも述べた、550円という価格破壊プライスだ。実はこの製品、供給元が同一と見られる品が複数メーカーから発売されており、Amazonで検索するとゴロゴロ出てくるのだが、 それらはどれも千円を超えており、なかには2千円に達する場合もある 。中身まで100%同一かは個別に確認していないが、それを550円で売られては、他社からすると商売上がったりだろう。

 今回筆者は百均ストアのワッツで購入したが、同社ブランドではなくグリーンオーナメントの製品ということで、ほかの販路でも取り扱われる可能性はある。店頭で見つからない場合、ワッツの公式オンラインストアでも販売されているので、送料がかからないよううまく併せ買いをすることで、極めてお得に入手できるはずだ。

パッケージに550円の価格表示
製品パッケージ。550円という価格破壊プライスが最大の強み
販売元はグリーンオーナメント。今回は百均ストアのワッツで購入した

 レビューは以上なのだが、最後に1つ補足。この製品、本コーナーの検証でたびたび使用しているケーブルチェッカー「USB Cable Checker3」では、内蔵のeMarker情報が読み出せない。別のチェッカー、具体的にはPower-Z(KM003C)ではきちんと読み取れるが、そちらもケーブルの表裏の組み合わせによってはエラーが出る。

 これは本製品が採用するHynetekのHUSB332というeMarkerチップとの相性によるものとみられ、同じチップを採用したほかのUSB Type-Cケーブルでも同様のエラーが出る。「USB Cable Checker3」はファームウェアの書き換え機能は用意されておらず、 アップデート版が発売されない限り、今後も本製品のeMarker情報は読み取れないと考えられる。 個人で仕様を確認する場合、こうした情報も頭に入れておくとよさそうだ。

チェッカーによってはeMarkerを読めない
「USB Cable Checker3」ではeMarker情報をうまく取得できず、正しいスペックが表示されない
「USB Cable Checker Lite」でも最大60Wと、不正確な値が表示される
筆者が所有している両端USB Type-Cの巻取ケーブル。240W対応は本製品以外にもあるが、550円という安さは本製品(手前中央)だけ