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ボタンが足りないなら増やせばいいじゃない!最大23ボタンの「Naga V3 Pro」

Razer Naga V3 Pro

 今回ご紹介するRazer「Naga V3 Pro」は、3枚のサイドプレートを交換することでボタン数を変更できる、非常にユニークなゲーミングマウスだ。 ゲームによって必要なボタンの数は異なる、ならば変えられるようにしてしまえという、いい意味でブッ飛んだ発想のマウスである。 この独創的なギミックのおかげで、さまざまなゲームに対応することが可能となっているのだ。

 交換式サイドプレートのほかにも、リングフィンガーボタンや2個のエッジボタン、高機能ホイールなど注目すべき点が多い。本稿では、このNaga V3 Proの魅力について見ていくことにする。

カスタマイズできるボタンは最大23個!多機能すぎるゲーミングマウス

 Razer Nagaシリーズは多くのボタンを備える、いわゆる「多ボタンマウス」だ。現行モデルとしては、左サイドに12ボタンを搭載する「Naga V2 HyperSpeed」、右サイドに12ボタンを備える左利き向けの「Naga Left-Handed Edition」、最新版であり今回の主役であるNaga V3 Proの3機種がラインナップされている。

 Naga V3 Proの最大の特徴は、 2ボタン/6ボタン/12ボタンを備える3種類のサイドプレートを交換することで、ボタン数を変更可能な点 である。2ボタンのサイドプレートはFPS/TPS向け、6ボタンはMOBA/バトロワ向け、12ボタンはMMORPG向けと位置付けられており、プレイするゲームのジャンルに合わせて付け替えて使用できるわけだ。マウスホイールを含むボタンの数は、12ボタンのサイドプレート装着時で合計25個にもなり、うち23個がカスタマイズ可能だ。

サイドプレートの交換でボタンを増やせる
サイドプレートには、FPS/TPS向けの2ボタン、MOBA/バトロワ向けの6ボタン、MMORPG向けの12ボタンの3種類が用意されている

 また、Naga V3 Proは8月に発売されたばかりの新型であり、センサーやスイッチ類には新しい世代のものが採用されている。最大解像度50,000DPIのセンサーや1億回のクリック耐性を持つスイッチなど、ゲーミングマウスとしての基本性能の高さも本機の大きな魅力なのだ。

 接続方式は、2.4GHzワイヤレス(HyperSpeed Wireless)、Bluetooth、有線をサポートしている。ゲーミングPCとのワイヤレス接続は、より低レイテンシなUSBレシーバによる2.4GHzワイヤレスを使うのがよいだろう。有線接続に対応しているのもポイントで、バッテリ切れでも有線に切り替えれば、充電しながらゲームプレイを継続可能だ。

 なお、センサーやボタン、ホイールなどのカスタマイズは、専用ユーティリティの「Synapse 4」から行なう。Synapse 4がなくとも使えることは使えるのだが、利便性が格段に向上するので、導入を強くオススメしたい……というか、ほとんど必須である。Synapse 4の公式サイトからダウンロードし、インストールしておこう。

交換式サイドプレートでどんなゲームも快適に

 Naga V3 Proを触ってみた第一印象は、大ぶりなマウスだな、である。リングフィンガーボタンのためか、小指が当たる部分が張り出した形状となっている。そのため「大きなマウスを握っている」という印象を強く受けるのだ。とはいえ、そこは数々のゲーミングマウスを手掛けてきたRazerの設計。握り込みのフィット感は良好で、違和感なく、自然な形でマウス操作できる。

 本機には、左ボタンの横に2個のエッジボタン、本体の右側面にリングフィンガーボタン、そしてマウスホイールのチルトなど、標準的なゲーミングマウスよりも多くのボタンが搭載されている。

 中でもユニークなのがリングフィンガーボタンだ。左/右ボタンに連なる「第三のメインボタン」のような感覚で使える幅広のボタンで、ほかにあまり類を見ないものである。もちろんSynapse 4からカスタマイズでき、好みのキーや機能を自由に割り当て可能。どのようなゲームであっても便利に使用できるボタンだ。

 ただ、押しやすいボタンである反面、誤クリックもしやすい印象で、筆者もゲーム中に何度か誤クリックを経験した。筆者が不器用なだけという説もあるが、誤クリックしても影響が少ないキーを割り当てるのが無難だ。もちろん、慣れの問題もあるだろう。なお、本体裏面にあるトグルスイッチでリングフィンガーボタンをロックし、完全に無効化することも可能である。

本体のボタンも豊富
左ボタンの左端に配置されている2個のエッジボタン。端っこに配置されているため、少々押しづらいのが玉にキズ
薬指が当たる部分に配置されているリングフィンガーボタン。本体裏面にあるトグルスイッチでロックすることもできる

 Naga V3 Proの肝といえる3種類のサイドプレートだが、これがよくできている。サイドプレートと本体は磁力でくっつく仕掛けとなっており、取り外しも取り付けも、ササッと手軽に行なうことができるのだ。交換したサイドプレートは自動認識され、すぐさま使用できるようになる。付け替えに煩わしさはまったく感じられないのである。

 サイドプレートを取り替えながら遊んでみると、その使い勝手の良さを実感する。たいていのFPS/TPSでは、移動にW/A/S/Dキー、その周囲によく使用するキーが配置されている。 そのため、移動中は周囲のキーが使いにくかったり、誤操作してしまったりすることがある。本機では、サイドボタンによく使用するキーを設定することで、こうした問題から解放される。 移動キーを激しく叩きまくるような緊迫した場面でも、より素早く正確な操作を行なえるようになるのだ。

 筆者が普段から愛用しているRazer「DeathAdder V3」は極めてシンプルなゲーミングマウスであり、これと比べると、Naga V3 Proならば多くの操作をマウス側に配置できる。筆者は「バトルフィールド6」において、6ボタンのサイドプレートにガジェットやスキル、グレネードなどを割り当てて遊んでみたが、移動しながらでもこれらを簡単に操作でき、とても快適にプレイできた。

サイドプレートは簡単に交換可能
サイドプレートは磁石でくっつく設計となっており、パカッと簡単に取り外して交換できる。面倒くささはまったくない

 そして、FPS/TPSでは2ボタンまたは6ボタン、MOBAでは6ボタン、MMORPGでは12ボタンと、 ゲームに合わせてサイドプレートを切り替えられるのが、Naga V3 Proの真骨頂である。 前述した通り、サイドプレートの交換は簡単かつ手軽で、ゲームに応じて適したボタン数でプレイできる。「エーペックスレジェンズ」を十分楽しんだから次は「ファイナルファンタジーXIV」でも遊ぶか――そんな場合でも、Naga V3 Pro 1つですぐに対応できるわけだ。

 ただし、12ボタンのサイドプレートは親指に当たる部分にもボタンがあるため、2ボタンや6ボタンのプレートと比べてグリップしにくく、アクション性が高いゲームには向かないように感じた。12ボタンのサイドプレートは、あくまでMMORPG向けと考えておくのが良さそうである。

選ぶプレートによってはグリップしにくい場合も
12ボタンのサイドプレートの場合、親指に当たる部分にもボタンがある。そのためグリップしにくく、マウス操作も行ないづらい

 Naga V3 Proはホイールも高機能だ。まず、チルト機能を搭載しており、ほかのボタンと同様に、Synapse 4でさまざまなキーや機能を割り当てられる。

 またスクロールモードとして、カチカチとした感触が得られるタクタイル、より細かな感触のプレシジョンタクタイル、高速スクロールに向くフリースピンの3つを備えている。このうち、ゲームに向くのはフィードバックのあるタクタイルモード。高速スクロールが気持ちいいフリースピンモードは一般的な用途にオススメだ。

 これらのモードは切替ボタン1つで簡単に変更できる。さらに、スクロール速度に応じてタクタイルとフリースピンを自動で切り替えるスマートリールも用意されている。

130g超えのヘビー級。滑るマウスパッドは必須かも

 ここでNaga V3 Proの重量について触れておきたい。Naga V3 Proは多くの要素をこれでもか!と詰め込んだ、非常に多機能なゲーミングマウスだ。そのため、サイドプレート非装着時で117g、2ボタン/6ボタン/12ボタン装着時でそれぞれ132g/134g/137gと、昨今のマウスとしてはかなりのヘビー級である。これは「DeathAdder V4 Pro」(重量56g)の2台分を軽く超える重量なのだ。

今どきのマウスとしてはかなり重め
DeathAdder V4 Proと同様の2ボタン構成でも、重量は2倍以上になる

 ゲーミングマウスのトレンドは「軽さの追求」であり、60~80g台のものが多く販売されているし、50gを切るような超軽量モデルも人気がある。そんな中での130gオーバーは、なかなかのインパクトだ。マウスが重いと、ビタ止めエイムのような繊細な操作に支障が出かねないし、長時間のゲームプレイで疲れやすい。多機能さとのトレードオフではあるが、Naga V3 Proの難点といえる部分だろう。

 とはいえ、マウスパッドを滑りやすい素材のものとすることで、ある程度緩和することも可能だ。筆者は以前、そのようなマウスパッドを使用していたのだが、軽量なDeathAdder V3では軽やか過ぎて使いづらく、お蔵入りにしてしまっていた。ところが重量のあるNaga V3 Proでは、ちょうどよい塩梅で使えたのである。 滑りやすさをうたうマウスパッドとの組み合わせをオススメしたい。

価格はお高め。でも唯一無二のサイドプレートを気に入ったなら買い!

 それでは、Naga V3 Proは“買い”なゲーミングマウスなのだろうか。まず、Naga V3 Proの価格であるが、Razer公式HPの直販で2万9,980円だ。ゲーミングマウスとしては高価格帯の製品である。

 これまで見てきた通り、Naga V3 Proはかなり尖ったゲーミングマウスだ。 本機を気に入るかどうかは、その尖った部分――つまりサイドプレートのことだ――にかかっている といえる。もし、この交換可能なサイドプレートに魅力を感じたなら、Naga V3 Proの購入を検討してみてはいかがだろうか。

 Naga V3 Proは万人向きとはいえないものの、刺さる人にはブッ刺さるゲーミングマウスだ。さまざまなジャンルを満遍なく遊ぶようなゲーマーには特に向いているだろう。2万9,980円は少々お高めと感じるが、ほかに代わるもののない、唯一無二のゲーミングマウスなのだ。

【表】Razer Naga V3 Proの主な仕様
製品名Razer Naga V3 Pro
接続方式USBレシーバ、Bluetooth、有線
スイッチ第4世代Razerオプティカルマウススイッチ
ホイール第2世代Razer HyperScrollチルトホイール
センサー第3世代Razer Focus Pro 50Kオプティカルセンサー
最大感度50,000DPI
最大速度930IPS
最大加速度90G
バッテリ駆動時間2.4GHzワイヤレス時: 最長155時間
Bluetooth時: 最長280時間
本体サイズ119.5×75.5×43.5mm
本体重量117g
サイドプレート重量2ボタン: 15g
6ボタン: 17g
12ボタン: 20g
ライター: 影山 巧
自作系PC誌の編集者を経て、現在はフリーで活動中のライター。普段からPC自作を嗜んでおり、歴代のゲーミングPCも、パーツを一つ一つ厳選しビルドした自作機だ。ゲームは特にFPS/TPSが大好物。バトルフィールドシリーズは初代「バトルフィールド1942」から全作をプレイしているほか、「PUBG: BATTLEGROUNDS」「エーペックスレジェンズ」などのバトルロイヤルや、「Escape from Tarkov」「ARC Raiders」などの脱出シューターもやり込んでいる。やり込んでいる割に大して上手くもないのが悲しいところ。