やじうまミニレビュー

逆L字Enterと実用タッチパッド、日本仕様が嬉しい折りたたみキーボードを使ってみた

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
EWIN「EW-NTKB301」。実売価格は1万1,990円

 EWINの「EW-NTKB301」は、折りたたんで持ち歩けるBluetooth接続のコンパクトキーボードだ。こうした製品には珍しくタッチパッドを搭載するほか、逆L字のEnterキーを採用するなど、日本のユーザーと親和性の高い設計が特徴だ。国内代理店から機材を借用したので、レビューをお届けする。

キーは日本語配列、タッチパッドも実用レベル

 本製品は3つ折りタイプのコンパクトキーボードだ。左右両側を内側に折りたたむ観音開き構造を採用しており、たたむと横幅18cm程度というコンパクトなサイズになることから、持ち歩きに適している。重量も実測267gと軽量だ。

 接続方式はBluetoothで、最大3台のマルチペアリングをサポートしており、充電はUSB Type-Cポートを経由して行なう仕組みだ。充電時間は2時間で、約60時間の利用が可能とされている。

本体を閉じた状態。ここから左右に開く
展開した状態。キー数は68(テンキー部除く)
左右のヒンジでスムーズに開閉できる
右側面に電源スイッチを備える
充電は上面のUSB Type-Cポートから行なう
重量は公称約270g、実測267g。大画面スマホと8型タブレットの中間程度だ

 さて本製品のような折りたたみタイプのキーボードにおいて、購入前に確認しておきたいのはキー配列だ。日本語配列か英語配列かといった違いはもちろん、折りたたみ機構のせいでキー配列に無理が生じていないかも、事前に確認しておくのが望ましい。

 今回の製品はというと、キー配列はWindows準拠の日本語配列を採用しており、キーサイズおよび配列も、上下の段で極端にずれているといったこともなく優秀だ。iPadやAndroidで使う場合は慣れが必要だが、これは複数OSをサポートするキーボードの宿命で、本製品だけの問題ではない。

 特筆すべきは、Enterキーが日本仕様の逆L字型になっていることだ。きちんと上下2段にまたがっているため、打鍵時も違和感を覚えにくい。このクラスの製品ではキートップにカナが印字されているだけで実際には英語配列、Enterキーも1段の横長であることが多いので、この点はプラスといえる。

 気をつけたいのはキーが6段ではなく5段で、最上段のファンクションキー列は数字の段と共用になっていること。コンパクトタイプのキーボードの宿命とはいえ、本製品と外見が酷似した他社製品には、独立したファンクションキー列を持つ6段仕様の製品もある点は付記しておきたい。

キーはWindows仕様の日本語配列。キーは5段でF1~12キーはFnキーを押しながら操作する必要がある
Fnキーとの同時押しでWindowsのほかiOS、Android、Mac用の配列にも切り替えられる
日本仕様の逆L字型Enterキーを採用するのも特徴だ

 さらに本製品は、本体右側にタッチパッドを搭載している。そのため別途マウスを用意しなくても、ポインタのコントロールが行なえるのが強みだ。2本指によるスクロールにも対応するほか、左ボタンと右ボタンは物理的に沈み込む仕様で、しっかりとしたクリック感があるのも特徴だ。

 ちなみにこのタッチパッドは切り替えることでテンキーとしても機能するが、物理キーでなくタッチ式であるためキーの位置を指先で把握できず、実用性には乏しい。少なくともテンキー利用を目的に本製品を導入するのは、避けた方がよいだろう。

本体右側にタッチパッドを備える。2本指での上下スクロールにも対応する
パッド下部には左右ボタンを内蔵。タッチ式ではなく物理的に沈み込むタイプ
タッチパッドはFn+スペースキーの同時押しでテンキーと切り替えられるが実用性には乏しい

打鍵感も優秀、展開時の安定性も高い

 購入前に確認できるキー配列と異なり、実機でなければ分からないのが、キータッチをはじめとした打鍵感だ。特に折りたたみキーボードはそのギミックの関係で打鍵中にガタつく傾向があるため、実機に触れる機会があれば、真っ先にチェックする必要がある。

 本製品については、これら打鍵感も極めて優秀というのが、実際に使ったうえでの評価だ。キーストロークは1mm程度はあり、きちんとキーが沈み込むほか、キーピッチも19mmにこそ及ばないものの実測18mmは確保されているので、コンパクトキーボードのわりに窮屈さもない。

 また本製品は、外側を覆っている合皮のカバーが展開後は底面に敷かれた状態になり、打鍵時の振動を防ぐのはもちろん、滑り止めの役目も果たす。そのため打鍵が不安定になったり、打鍵時に絶えずデスク面との接触音がしたりといったこともない。

 こうした3つ折り構造のキーボードでは、両端がほぼそっくり宙に浮いてしまう製品もあるので、本製品のギミックは理にかなっている。長期的に使っていると表面が汚れてくるかもしれないという懸念が若干あるくらいだ。

キーストロークも実測で1mm程度と、コンパクトタイプのキーボードとしては優秀。パンタグラフ式で端を押してもきちんと平行に沈み込むのもよい
キーピッチは実測18mm。19mmには達しないが及第点だ
本製品を折りたたんだ状態。合皮のカバー部分が上部および底面を覆っている
開くと合皮カバー全面がデスクと接地し、振動防止および滑り止めの役割を果たす
別の角度から見たところ。閉じた状態では合皮カバー部とボディ部にズレがある
展開するとこのズレがなくなっていく
開き切ると合皮カバー部がボディの端と揃った状態になる

高い完成度で価格も妥当、唯一の懸念は……

 以上のように、テンキー機能だけは見なかったことにするとして、持ち歩いて使えるコンパクトキーボードとして完成度の高い製品だ。タッチパッドの実用性も十分で、キー配列に違和感もなく、200g台半ばという重量も負担にならない。やや高価に感じる1万1,990円という実売価格も、実機を使ってみた限りでは納得だ。

 今回は試用期間が1週間程度のため耐久性についての評価は保留とするが、これに関連して1つ気になるのは、Amazonでのレビューを見ると、縦に並んだ「1-Q-A-Z」の列が、数カ月使っているうちに反応しなくなるという現象が、複数報告されていることだ。今回試用した個体では発生していないので詳細は不明だが、少々気になるところではある。

Amazonのレビューではこの「1-Q-A-Z」の縦の列が反応しなくなるという現象が多く報告されている

 この件について国内代理店に問い合わせたところ「現在出荷している商品については大幅に改善されております」とのコメントを得られたが、とはいえ直近3カ月以内に同様のレビューは複数あるので、どの程度改善されているかは分からない。問題があった場合は返品・交換対応を取るとのことなので、これから購入する人は、それらを念頭に置いておくことをおすすめする。

同梱品はケーブルと取説のみとシンプル。ちなみに取説はこの種の製品としてはかなり充実している
パッケージ。今回紹介したブラックモデル以外にホワイトもある