やじうまミニレビュー

夏サバゲーの汗だく地獄から解放。猛夏にもってこいの「究極冷却ベスト」を試してみた

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
Shiftall「ChillerX」3万9,990円

 猛暑のサバイバルゲームにはなにが必要だろう?夏に本領発揮するガスブロ?HPゼロでも軽々運べる軽量電動ガン?飲料やアイスを冷え冷えで保管できるクーラーBOX?……どれもサバゲーマーとしては魅力的なアイテムだが、今回夏のサバゲーのチート級課金装備としてご紹介したいのが6月30日にShiftallから発表された新方式水冷ウェア「ChillerX」(チラー・エックス)だ。

 「ChillerX」は、ペルチェ素子で冷やした水を循環させる新方式の水冷ウェア。価格は3万9,990円(バッテリを除く)。6月30日より公式サイトで予約を開始しており、8月上旬より順次出荷が開始される予定だ。

6月30日からすでに予約はスタートしている

環境温度から最大-35℃まで冷却可能な「ペルチェチラー方式」を採用

 まずは製品の基本情報をお伝えしよう。「ChillerX」最大の特徴は、2つのペルチェ素子を50Wの電力で駆動させ、環境温度から最大-35℃まで冷却可能な「ペルチェチラー方式」を採用していること。

 従来の点で冷やす「ペルチェ直冷方式」や、氷で冷やした水をチューブで循環させる「氷水循環式」の冷却ベストとは異なり、約14倍もの広い冷却面積を持つ専用の水冷シートにより「面」で冷やすことで、上半身を広範囲、効率的に冷却してくれる。

 つまり、「ペルチェ直冷方式」より広い面積を冷やし、また「氷水循環式」のように数時間ごとに氷と水を入れ替えるという手間から解放されるわけだ。

腰裏に装着されているのが「ChillerX」の冷却ユニット。上に伸びているチューブで冷却水を水冷ベストへ循環させる
これは水冷ベストの裏面。水冷ベストの白い部分全体が面で身体を冷やしてくれる

 従来の「ペルチェ直冷方式」の冷却ベストは5~9Vのバッテリを採用している製品が多いが、「ChillerX」はUSB PD規格のモバイルバッテリに対応。前述の通り、最大50Wで供給する「MAX」モードでは環境温度から最大-35℃まで冷却できる。「ペルチェチラー方式」は「ペルチェ直冷方式」のように肌に直接触れることがないので、50Wのハイパワーで広範囲を冷却させられるわけだ。

 バッテリ駆動時間については、30,000mAhのモバイルバッテリ使用時、ECOモードで約3時間、MAXモードで約1.5時間動作させられるとのこと。どのぐらい屋外で活動するかにもよるが、モバイルバッテリを2~3本用意する必要があるだろう。

 とはいえ、モバイルバッテリを充電するほうが、屋外で氷を入手するよりも圧倒的にハードルは低い。「氷水循環式」の冷却ベストより運用しやすいことは間違いない。

バッテリは別に用意し、同梱されるポーチに収納する
Type-C Power Delivery規格のモバイルバッテリに対応し、最大50Wで供給できる
30,000mAhのモバイルバッテリ使用時、ECOモードで約3時間、MAXモードで約1.5時間動作可能

 付属の専用ベストはフリーサイズ。胸・腰・肩にアジャスターベルトが用意されており、多様な体形に対応できる。また水冷ベスト自体は柔軟性が高いので、「ペルチェ直冷方式」の冷却ユニットや、空調ベストの冷却ファンのように身体に固く当たる不快さはない。冷却ユニットは取り外し可能で、ベストは水洗いできるので清潔さを保てる。

 ちなみに本製品はフリーサイズで、S〜3L(胸囲85〜120cm)までのサイズに対応と謳われている。筆者は身長185cm、体重111kgの巨漢だが、無理なく「ChillerX」を着ることができた。まだベルトには余裕があったし、適当なベルトで延長すれば、もっと恰幅がよくても対応可能であろう。

身長185cm、体重111kgの筆者でも無理なく「ChillerX」を装着できた
バッテリを除いた「ChillerX」の総重量は約1.6kg。冷却ユニットの重量はまったく気にならなかった
水冷ベストは脇下もしっかりと冷やしてくれる。脇下には太い血管が通っており、身体の深部体温を下げるための重要な冷却ポイントだ
コントローラでは電源のオン/オフ、モード切り替え(ECO/MAX)が可能。また電源と温度のエラーインジケータも用意されている

気になる冷却性能を実測してみた

 これまでの解説で仕組みやスペックをご理解いただけたと思うが、実際にどれぐらいの効果があるのか知りたいという方が多いはずだ。筆者もその1人だ。

 というわけで、今回は体験コーナーが設置されていたので、「サウナルーム」と称したテントの中に入り、「ChillerX」の効果を試してみた。

サバゲーの夏装備でテントに入ってみた
テントの中の温度は45.9℃、湿度は33%。サバゲーなんかやっちゃいけない陽気である

 テントの中の温度は45.9℃、湿度は33%。このテントの中でマスク、グローブ、長袖のシャツを着たうえで、「ChillerX」未装着の状態、「ChillerX」装着した状態で10分間過ごし、その後の顔の表面温度と、背中の表面温度を計測してみた。下記がその結果だ。

「ChillerX」を未装着の状態
「ChillerX」未装着の額の温度は41.3℃、背中中央は48.6℃、背中やや左は39.5℃
「ChillerX」を装着した状態
「ChillerX」装着時の額の温度は41.0℃、背中中央は40.7℃、背中やや左は37.8℃

 「ChillerX」装着前後で額の温度はそれほど変わらなかったが、背中やや左は1.7℃、背中中央は7.9℃もの差が生じた。体感的にはもっと大きな差を感じており、「ChillerX」未装着時は10分間テントの中にいるのが結構辛かったし、顔にも汗をかいていた。しかし、「ChillerX」装着時はほとんど疲労を感じることはなく、一緒にテントに入っている人と会話する余裕すらあった。

 筆者はこれまでいくつかの冷却ベストを試してきたが、広い面積、特に脇の奥深くを冷やしてくれる「ChillerX」は冷却効果が非常に高いことを実感できた。今回は短時間の体験だったので、1日サバゲーに使ってみて、その効果をSNSなどでご報告したいと思う。

「延長チューブ」も販売されるので、冷却ユニットの取り付け位置は変更できる

 「ChillerX」の冷却効果はある程度証明できたと考えているが、いざサバゲーに使うときには装着方法に不安を感じている方もいるだろう。その点は安心してほしい。実は冷却ユニットは取り外し可能で、「延長チューブ」も販売される。つまり冷却ユニットの取り付け位置は変更できるのだ。

 冷却ユニットは背面から吸気、上下から排気するので取り付け方法には工夫が必要だし、背面のファン部分はBB弾の被弾を防護するためにメッシュシートなどを装着する必要があるが、そのぐらいの工作ならいかようにでもなる。

 ちなみに筆者自身はすでに予約しており、発送予定日が8月4~8日と表示されたので、8~9月のサバゲーに投入するつもりだ。8~9月の猛暑~残暑のサバゲーを快適にプレイするためのアイテムとして導入を検討してみてはいかがだろうか?

筆者自身はダンプポーチ近辺への設置を予定している