やじうまミニレビュー

マウスのレシーバにHDMIを接続!?多機能レシーバ付き無線マウスを試す

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
サンワサプライ「400-MAWBT209BK」。実売価格は2,480円

 PC本体にワイヤレスレシーバを挿して利用する無線マウスは、Bluetoothと違ってペアリングも不要で、挿すだけですばやく利用できるという便利な存在だ。

 その一方、レシーバをPCに挿すことで、USBポートが常時塞がってしまうという問題がある。これがUSB Type-Aポートならまだしも、数が少ないUSB Type-Cポートだと、機種によっては少々致命的だ。

 今回紹介する「USBハブマウス(400-MAWBT209BK)」は、こうした問題を解決してくれるハブ機能付のレシーバを同梱した製品だ。実機を購入したのでレビューをお届けする。

USB Type-Cポートを減らさず、さらにHDMIポートを追加できる

 本製品はマウスとしては一般的な5ボタンマウスであり、マウス自身には突出した機能はないが、特徴はそのレシーバだ。

 USB Type-Cポートに接続するこのレシーバ、これ自体にUSB PD対応のUSB Type-Cポートが搭載されているので、PCに挿すことでPC側のUSB Type-Cポートを消費しても、ポート数はトータルでプラスマイナスゼロになる。これならばUSB Type-Cポートの搭載数が少ないPCでも安心して使える。

 さらにこのレシーバ、HDMIポートも搭載しているため、外部モニターへの接続まで可能になる。最近はUSB Type-Cで接続するディスプレイも増えているが、外出先でノートPCを大画面で表示するために借りたディスプレイが、HDMIしか対応しないのはよくある話。しかし本製品ならばそうしたケースでも、HDMI経由での映像出力が可能になる。

 またPC本体にHDMIポートがある場合は、このレシーバ経由と合わせて2台のHDMIディスプレイを同時に接続できる。ノートPCであれば、専用のドックなどを用意しなくとも、これ1つで簡単にトリプルディスプレイを実現できてしまうというわけだ。

マウス本体は一般的な5ボタンマウスだが、特徴的なのはそのレシーバだ
先端には充電用のUSB Type-Cポートを備える
底面。DPI切替ボタンのほか、2.4GHzとBluetoothを切り替えるスイッチも搭載する
付属品一式。特徴的なレシーバと充電ケーブル、取説が同梱される
レシーバはUSB Type-C接続。一般的なレシーバに比べるとかなり大きい
その理由は側面にUSB Type-CポートおよびHDMIポートを搭載するため
マウスを利用しつつ、USB Type-Cポートを使っての給電やデータ転送、さらにはHDMIへの映像出力が行なえる
レシーバはこれだけのサイズながらマウス底面に収納可能だ

一方で実用上気をつけたいポイントもいくつか

 一方、注意点もいくつかある。本製品のUSB Type-CポートはUSB PDによる充電のほか、USB 3.2準拠で最大5Gbpsのデータ転送にも対応するが、DisplayPort Alt Modeには非対応なので、USB Type-C接続のモニターへの出力には対応しない。

 試しにDisplayPort Alt Modeに対応したPC側のUSB Type-Cポートにレシーバを接続し、そこにモバイルディスプレイを接続してみたが、やはり認識されなかった。このように、USB Type-Cのあらゆる機能が使えるわけではない点は気をつけたい。

 またこのレシーバは横幅が広いことから、ノートPCの左右にあるポートを塞ぎがちなのは少々気になるところ。せっかくポート数を減らさずに済むにもかかわらず、本来ならば使えたはずの隣ポートが塞がれるのは本末転倒で、組み合わせるノートPCによって評価が大きく左右されそうだ。

 また何より、このレシーバはマウスとともに持ち歩かなくてはいけないため、挿しっぱなしでの利用には向かないというジレンマがある。本製品はBluetoothでの接続にも対応しているので、レシーバをうっかり携行し忘れた場合でも、外出先でマウスが使えないという本末転倒な事態は回避できるが、便利さゆえにこうした問題が発生することはありうる。

PC側にHDMIポートがあればトリプルディスプレイも容易に構築可能。ただしUSB Type-Cは外部ディスプレイ出力には非対応だ
ストレージの接続も可能。USB 3.2 Gen 1準拠(5Gbps)での転送が行なえる
レシーバの横幅が広いため隣のポートに干渉しかねないのはネックだ

 といった具合に、注意すべき点はいくつかあるが、それさえ許容できれば便利な製品だ。ボタンをカスタマイズするユーティリティもメーカーサイトからダウンロードできるので、側面の戻る/進むボタンに任意の機能を割り当てて使いたいユーザにも適している。実売価格も2,480円とリーズナブルなので、一般的なマウスを探している場合に、こうした付加価値付きの製品を選んでおくのも悪くないだろう。

メーカーサイトからダウンロード可能な専用ユーティリティを用いることでボタンのカスタマイズも行なえる