やじうまミニレビュー

マイクロソフト「Universal Foldable Keyboard」

~薄型軽量なBluetoothキーボード

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
「Universal Foldable Keyboard」

 日本マイクロソフトは7日、Bluetoothキーボード「Universal Foldable Keyboard」を9月24日より発売すると発表した。今回、発売前に日本マイクロソフトより実機を借りることができたので、使用感をレビューしていく。

 Universal Foldable Keyboardは、2つ折りデザインを採用したポータブルキーボード。軽量、薄型設計で、モバイル性の高さが特徴だ。価格はオープンプライスで、税別店頭想定価格は9,980円。

外箱
開封
同梱品。保証書兼ユーザーズガイド、Micro USBケーブルが付属
本体

 本体の外観だが、最初に目を引くのはその薄さ。折り畳み時でも10.5mmという薄さは中々のインパクトがある。同じくマイクロソフトのSurface Pro 3用カバー兼キーボード「タイプカバー3」が厚さ4.9mmなので、ほぼ同じだ。

 ただし、折り畳み時の薄さを優先するためだと思われるが、展開時の固定機構などが無いため、膝の上に載せて使うといった用途には向いておらず、タイピングするには何かしらの土台が必要だ。

展開時
折り畳み時。側面のMicro USBは充電用
iPhone 6との厚さ比較

 重量は約180gで、イメージとしては6型のスマートフォンと同程度。大きさも、折り畳み時で約146×125mm(幅×奥行き)と、長辺15cmを切る大きさで、さすがに「ポケットに入れて持ち運べる」とはいかないが、ハンドバッグのような大きさのカバンでも無理なく収納できる。

 本体表面は合成皮革のような加工が施されており、手触りも良く質の高さを感じる。滑り止めを兼用しているようで、試用中にずれていってしまうことはなかった。キーボード部分は折り目の部分を境目に、左右に分離されている。キートップはマット加工されたプラスチック製。

 バッテリ駆動時間は約3カ月で、電源ボタンはなく、開くとオン、折り畳むとオフになる。折り畳み時には磁石で両面がくっついているため、収納時に電源が入ってしまうといったことはなく、電源操作は全く必要ない。

 デバイスとの接続はBluetooth 4.0。接続可能なデバイスは、Bluetooth 4.0対応デバイスであれば、Windows/Mac OS X/iOS/Androidと、PC/モバイルを問わず複数のOSに対応している。特徴として、別OS/同OSを問わず2台までペアリングが保存可能で、Escキー隣のボタンで簡単に切り替えられる。たとえばiPhoneとiPadを持ち歩く場合、どちらと接続するかワンプッシュで選択できるというわけだ。

 キー配列は日本語配列で、コンパクトキーボードのためキー数は80キーとやや変則的。最上段にはBluetoothリンクキー×2や、メディアキー、検索キー、デバイスロックキー、配列切り替えキーを搭載する。配列切り替えキー上部にはそれぞれのOSを示すインジケータがあり、切り替えの度に選択中のアイコンが光るようになっている。

 キートップをよく見ると、日本語(JIS)配列用の印字に加え、英語配列時の対応記号が印刷されている。Windowsでは基本的に日本語配列で認識されるが、そのほかのOSだと、多くの場合で英語配列キーボードとして認識される。それに対応するため、日本語配列、英語配列どちらのキーボードとして認識されても印字を見て入力できるようにという配慮だろう。またAltキーに「Option」、Fnキーに「Cmd」といった、Mac OS/iOS用の印字も併記されている。

 日本語配列で認識されている場合の混乱を避けるため、英語配列用の印字はグレーで印刷されており、暗がりで使おうとすると見辛いが、そのほかのキーにもバックライトが搭載されていないので、明るい環境での使用が前提だろう。

Android端末に接続
動作を確認。Androidでは使用しているIMEによって外部キーボードの動作が異なるので注意
切り替えキーを押すことで、接続デバイスのOSによって配列を切り替えられる。この写真ではドロイド君が発光しAndroidモードであることを示している
iPhone 6に接続
iOSでの動作を確認
同梱のガイドにも記載があるが、iOSでは「Fn(Cmd)キー+Spaceキー」でIMEのオン/オフ切り替えを行なう

 キーの構造は、隙間から覗いた限りではパンタグラフ式のように見える。キーストロークは深くないが、一般的なモバイルノートPCのキーボードより少し浅い程度に感じた。厚みもおおよそ同じなだけあって、前述のSurfaceタイプカバー3とほぼ同じ打鍵感だ。メインキーピッチは実測16mm前後と、やや狭くはあるが、11型ノートPCと同程度の幅を取っている。そのため、一部キー(特に右小指周辺)のサイズが変則的であったり、特殊な配置になっているのは気になるが、「モバイルキーボード」というサイズの制約がある以上、仕方のないトレードオフと言えるだろう。

 前述の通り、最上段にはホットキーの機能しかなく、ファンクションキーが省かれているが、Windowsで試用した際、説明書に記載は無いが「Fnキー+1~^キー」でF1~F12それぞれの入力が可能だった。

 総評としては、ほぼ「コンパクトになったタイプカバー3」という印象で、キー配置などの点で惜しいところもあるが、総じて完成度は高い。税別約1万円という価格はBluetoothキーボードとしても少々値が張るが、この薄さと軽さは大きな魅力といえる。例えばビジネスマンなら、ビジネスバッグの外ポケットに入れておいても気にならないので、常備しておいていつでも取り出して使うといった用途にも対応できるはずだ。

 英語配列キーボードを常用している筆者としては、是非国内で英語配列版も販売して欲しいところだ。

(佐藤 岳大)