やじうまミニレビュー

4万円切りで13型の大画面タブ「TECLAST T65 Max」。通話通信も可能で侮れない1台

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
TECLAST T65 Max

 このところAmazonで見かけることが多くなったのが中国製のAndroidタブレット。仕様もかなり似通っており、いざ買おうとなると「間違い探しゲーム」に陥ってしまっていたりする。しかしその中でも“大画面”で雑誌のような電子書籍の閲覧や動画視聴を考えているのなら、13型のタブレットはかなりいいバランスの取れた選択肢になると思う。

 ところが、「12型クラス」なら競合モデルを含めて選択肢がかなり多いが、13型になった途端選択肢が少なくなる。「たかが1インチ」と思われるかもしれないが、並べてみるとその差はかなりのもの。NetflixやYouTubeなど動画を再生してみても、やはり13型のほうが迫力があった。日常的な持ち運びでテキスト入力やWebブラウジングなら12型だが、腰を据えて動画を観るなら13型だと思った。

 と、いきなり画面サイズの話をしてしまったが、今回はTECLASTより提供のあった「T65 Max」というAndroid 14搭載13型タブレットをレビューしていきたい。なお、Amazonでの価格は4万2,900円だが、6,000円オフクーポンにより3万6,900円で購入可能だ。

8.68型の「Blackview Tab 60」、10.1型の「TECLAST M50HD」、12型の「Blackview Tab18」、そして今回の主役である13型の「TACLAST T65 Max」を並べたところ。意外にも差がある。Tab18だけやや小さく見えるのはフレームが薄いため(このモデルは結構お金がかかっている雰囲気がある)

 まず目玉となる本機の13型液晶ディスプレイは、同社の中でも最大級のサイズとなる。実は以前、TECLASTが日本に上陸したばかりの頃のタブレットを触ったことがあるが、正直に言うと当時は液晶の品質は色が薄く、色ムラもかなりあったため、値段相応という感じで、あまり良い印象はなかった。

 しかし近年のモデルはかなり改善されており、今回のT65 Maxはフラグシップということもあり、輝度の調節範囲、輝度の均一性、鮮やかさのいずれを取っても文句なしの出来。実際にNetflixで動画を視聴してみたが、筆者が普段使っている「Innocn WR44-PLUS」と比較して、やや緑被りしていて鮮やかさがもう一声というところはあるものの、Widevine L1に準拠し、フルHD画質で再生できることもあって、文句なしの画質となった。

 T65 Maxでは、この大画面を生かせるアプリの画面分割も利用可能。たとえばWebブラウジングしながらメールをチェックする、カレンダーを見ながらメールの内容を決めるといったことも容易に行なえる。なお、解像度は1,920×1,200ドット、つまりWUXGAとなっている。

 ただし、PCのように使えるいわゆるデスクトップモードは非搭載。ここは競合とも言えるBlackviewの「Tab18」などで実装されていて、便利な機能であっただけにやや残念だが、それだけT65 Maxはエンターテイメントに特化しているとも言えるだろう。

発色も鮮やかでムラもなく美しい表示。3D画質を欲張らないのなら、原神も十分プレイ可能な性能
13型WUXGAの解像度ならWebブラウジングなども快適に行なえる
前面カメラは800万画素。逆光にも比較的強いが、発色は薄めな印象
背面カメラは1,300万画素となっている。カメラのデザインが特徴的
USB Type-Cは横にした際に右にくる
左側面は何もない
SIMカード/microSDスロット
本体上部にボリューム/電源ボタン
製品パッケージ
付属品はシンプル
本体重量は730g

 なおスピーカーの音質についてはやや軽めという印象だが、人の声などは比較的クリアで、音量も十分確保されている。音質にこだわるならBluetoothスピーカー/イヤフォンの接続するか、または3.5mmミニジャックが残されているので活用してほしい。

 安価なタブレットではもう1つ注目したいのが、採用されているプロセッサ。近年のモデルは中国のUnisocの「T618」や「T606」といったローエンドのものが採用されているのが多いのだが、T65 MaxはMediaTekの「Helio G99」が採用されている。4Gチップセットの中では最上位となり、現代においてもミドルレンジ相応の性能を持つ。実際にWebブラウジングやYouTubeでの動画視聴、メールチェックなどを行なってみたが、至ってスムーズだった。

Geekbench 6 CPU Benchmark結果
Geekbench 6 GPU Benchmark結果
3DMark Wild Lifeのスコア
PCMark Work 3.0 performance score
Storage 2.0 score

 メモリは8GB、ストレージは256GBと、十分な容量を確保。仮想メモリ機能により20GBまで拡張もできる。また、ストレージはUFS 2.2となっており、eMMCより高速なため、アプリのローディングなどでも比較的ストレスが少ない。バッテリは10,000mAhとなっており、動画視聴やスタンバイ時に急激に消費されるようなこともなく、実用十分な印象だった。

 通信はWi-Fi 5とBluetooth 5.2、そしてモバイル通信として4G LTEに対応。大型タブレットとしては珍しくVoLTEもサポートし、通話も可能だ。ただし対応バンドは1/3/5/7/8/20/34/38/39/40/41となっており、NTTドコモのプラチナバンドにあたる19とauのプラチナバンドである26(18)に非対応のため注意したい。

 また、人によってはハードウェアボタンの挙動は気になるかもしれない。音量調節ボタンは横向き(Webカメラが上)では右がボリュームアップ、左がボリュームダウンなのだが、一般的なタブレットでは常識的と思われるUSB Type-Cポートが下に来るような位置では、下がボリュームアップ、上がボリュームダウンになる。一般的なスマホやタブレットとは配置が逆だ。そういう意味では、本機は横向きかつ右手で操作することを前提とした配列なのだろう。

価格的にはミドルレンジよりやや下だが、本体の質感も悪くない
金属製筐体で手にした際にひんやりする。指紋がやや付きやすいのが玉に瑕

 デスクトップモード未実装など細かい弱点はあるが、エンターテイメントやウェブブラウジング、ゲーム用途では不満はない。大画面タブレットという意味では、さらに上の14.5型の「LAVIE Tab T14」や14.6型の「Galaxy Tab S9 Ultra」もあるが、価格は一気に3倍~4倍に跳ね上がるしWWANは非対応だ。手頃な価格でWWAN対応、普段遣いに困らないスペックのエンタメ向けタブレットがほしいのなら、十分検討に値するだろう。