やじうまミニレビュー

ビデオキャプチャとドックの1台2役。Switch専用の「LVC-LSWHDW6USD」を試す

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
LVC-LSWHDW6USD

 ロジテックINAソリューションズ株式会社から、Nintendo Switch用ドック型ビデオキャプチャ「LVC-LSWHDW6USD」が発売された。価格は同社公式通販サイト「ロジテックダイレクト」で1万5,181円。

 本機はSwitch専用のビデオキャプチャユニットとなっており、本機にSwitch本体を差し込んで使用する。キャプチャだけでなく、Switchの充電やテレビ出力も可能で、Switch純正ドックと同等の機能を有している。

 さらに純正ドックとは異なり、差し込んだ状態でもSwitch本体の画面が塞がれないため、充電しながらSwitchの画面でゲームプレイが可能。ビデオキャプチャだけでなく、通常用途の幅も広がる製品となっている。

 こちらの実機をお借りしたので、使用感も含めて見ていきたい。

Switch本体の充電器なども使って接続

 パッケージの同梱物は、本体のほか、PCと接続するためのUSB Type-C to Type-Aケーブル(PC側がType-A)と、付属のビデオキャプチャソフトのシリアルコードが書かれた紙だけ。本体もかなり小さいので、中身の少なさにちょっと驚く。

 本体には蓋のような部分があり、開くとUSB Type-Cのオス端子が出てくる。ここにSwitchを差し込むと、蓋が支えになって少し斜めになる形でSwitchを置ける。

 さらにSwitch用のUSB Type-C充電器を本機の「Charge」と書かれた端子に接続すると、Switchに給電される。この状態では、画面を遮らないドックとして使える。これが本機の使い方の1つ。

蓋のような部分を開くと、USB Type-Cの端子が
Switch本体を差し込むことで、充電可能なスタンドになる

 続いてビデオキャプチャ機能だが、まず大前提として、本機は単体でキャプチャできる製品ではない。PCにUSB接続し、PCでビデオキャプチャする製品だ。

 ビデオキャプチャを使用するには、本機にSwitchを差し込み、USB充電器を接続。続いて本機の「PC」と書かれた端子に付属のUSBケーブルを接続し、PCのUSB 3.0端子と接続する。付属のUSBケーブルは実測で約80cmと短いため注意したい。

 さらに本機のHDMI OUT端子にHDMIケーブルを挿入し、テレビに接続する。これで接続周りは完了だ。なお本機に充電器を接続しないと、充電できないだけでなく、映像の外部出力ができず、ビデオキャプチャもできない。

 このほか本機にはUSB 3.0とUSB 2.0のポートが1つずつある。これは純正ドックと同じく、各種USB機器を接続できる。たとえばNintendo Switch Proコントローラーを接続すれば、使用や充電が可能だ。

右側面にはSwitch純正充電器を接続するUSB Type-Cポート
奥にはHDMI出力と、PCと接続するためのUSB Type-Cポート
左側面にはUSB 3.0と2.0が1基ずつ
全部接続した上、Nintendo Switch Proコントローラーのケーブルも挿入。ケーブルが3方向に出るためごちゃごちゃする

 各種ケーブルの接続が終わったら、Switchの電源を入れる。この状態で、本体上部にある丸マークのボタンを押すと、Switch本体ディスプレイとHDMI接続したディスプレイで画面出力先を切り替えられる。

 ビデオキャプチャする場合は、HDMI出力画面を使う。本体ディスプレイに出力している際はビデオキャプチャは使えない。本体ディスプレイに表示しながらPCでキャプチャするという使い方はできないので注意が必要だ。Switchの仕様的に、本体ディスプレイと外部出力を併用できないのだろう。

シンプルなソフトも付属。OBSなどほかのソフトも利用可能

 これでハードウェアの準備は完了だ。本製品にはキャプチャソフトとして「Screen Recorder for Logitec」が付属しているので、そちらを使ってみる。

Screen Recorder for Logitec

 ソフトを起動したら、キャプチャ対象に「デバイス」を選択し、入力デバイスに「LVC USB Device」を選ぶ。また基本設定で、音声の入力デバイスも同様に選択しておくと、音声も録音できる。いずれも初回起動時には未設定で、特に音声は録画ファイルを確認するまで気付けないので、忘れず確認しておきたい。

音声も手動で選択しておかないと録音されない

 PCでのプレビュー画面はフルスクリーン表示も可能。遅延は本機からHDMIでパススルー出力した映像と見比べると、ほんの僅かにあるのが分かる。ただシビアなゲームでない限りは問題なく、今回試した「Minecraft Dungeons」もさほど違和感なくプレイできた。

プレビュー画面をフルスクリーン表示。遅延は僅かにあるがゲームプレイは十分可能

 ビデオキャプチャの開始は画面下部にある「REC」ボタンを押すか、ショートカットに割り当てられているF9キーを押す。すると画面上にはカウントダウンが表示されて、0になると録画が開始される。終了も同じくF9キーが使える。

 録画設定では解像度やフレームレートを選べる。フレームレートは120fpsも選択可能だが、Switchは最大60fpsなのでそれ以下でいい。解像度は1080p、720p、480pから選択できる。ビットレートは3段階に設定できるほか、指定範囲内で数値の指定もできる。「Minecraft Dungeons」を1080/60p、ビットレート標準で録画した際は、約12Mbpsとなっていた。

ビットレートは手動設定が可能
「Minecraft Dungeons」のプレイ画面を本機で録画して切り出したもの。正しく1080/60pで録画できている

 本ソフトではほかに、Webカメラの映像を小さく表示して画面に入れ込んだり、マイク音声を合成したりといった操作も可能。また動画配信サイトへのストリーミング出力にも対応する。ゲーム実況なども簡単に実現できる構成だ。

ゲーム画面の端にWebカメラの画像を重ねて表示できる
TwitchやYouTubeなどへのストリーミング出力にも対応

 なお本機はソフトウェアエンコードなので、ほかのビデオキャプチャソフトも使える。OBSでも試してみたところ、問題なく映像を表示できた。普段使い慣れているソフトがあるなら、入力を切り替えるだけで使用できるものも多いだろう。

OBSでも難なく使える

 ハード・ソフトともシンプルで、挙動も素直なので使いやすい。さらにSwitchの純正ドックと同等の機能を持ちつつ、本体のディスプレイが見えるドックとして使えるのも、ゲームの遊び方次第では便利だろう。Switch専用という前提ではあるが、よく考えられた便利な製品に仕上がっている。